【収入】生涯給与ランキング2014 海運業-日本郵船トップ奪取、川崎汽船も大きく伸びる、商船三井は下落

2021/08/19

上場企業の2014年3月末の決算情報を用いた、主要業種の生涯給与ランキング・アップデート。今回は、燃料油価格が高止まり市況には引続き不透明感が残るものの、需給ギャップの改善の兆しも見え始め増収増益企業が多くを占める海運業界です。

 

ここでは、全企業の生涯給与ランキング、各社業績情報のアップデート、更に、財務データからみえる将来の給与動向を展望してみたいと思います。

 

2014生涯給与ランキング — 海運業界

順位 銘柄
コード
  会社名  生涯給与
 (億円)
前年変化  40歳給与
 (万円)
平均
年齢 
平均給与
 (万円)
1 9101 日本郵船 3.58 4.6% 975 39.9 975
2 9119 飯野海運 3.39 2.2% 924 36.7 907
3 9104 商船三井 3.32 -7.0% 906 37.6 897
4 9107 川崎汽船 3.22 8.8% 877 37.9 870
5 9130 共栄タンカー 3.20 1.3% 872 41.7 878
6 9110 NSユナイテッド海運 2.91 0.7% 793 39.0 790
7 9180 新和内航海運 2.89 2.0% 787 38.2 781
8 9179 川崎近海汽船 2.85 -0.5% 776 40.1 776
9 9133 東栄リーファーライン 2.78 3.5% 759 40.4 760
10 9173 東海汽船 2.72 2.3% 743 39.8 742
11 9113 乾汽船 2.66 1.8% 725 40.0 725
12 9171 栗林商船 2.57 -1.2% 701 43.2 714
13 9127 玉井商船 2.52 -9.9% 687 38.4 683
14 9132 第一中央汽船 2.42 -5.0% 658 37.6 652
15 9115 明治海運 1.95 6.5% 531 35.7 510
16 9176 佐渡汽船 1.35 -9.5% 368 43.4 376

(注1) 生涯給与、40歳給与は、各社の有価証券届出書データを用い、シミュライズ給与カーブモデルによる推計値
(注2) 平均年齢、平均年収は企業による公表値
(注3) 前年変化は、生涯給与の前年度推計値からの変化
(注4) 業種の分類は東証分類によるものの一部弊社独自の分類を加味。なお、平均給与を公表していない企業、従業員数が少ない企業等を除く

 

 

ランキングトップは生涯給与を前年比1500万円伸ばし、3億5000万円台に乗せた日本郵船(株)。 一方で、前年トップの(株)商船三井は2500万円と大きく下落させ、ランキング3位となっています。売上高でみた海運大手3社の一角の川崎汽船(株)は生涯給与を8.8%、2600万円伸ばし、前年6位から4位にアップです。 ランキング2位には生涯給与を2%伸ばした飯野海運(株)が前年4位からランクインしています。

 

増収増益企業が目立つ中、ランキング下位勢では、増収であったものの経常損益でみると減益や損失の企業も見られました。その中で、玉井商船(株)第一中央汽船(株)佐渡汽船(株)など下位勢は、生涯給与を前年比で1000万~2000万円下げる動きとなり上位陣と明暗を分けています。

 

ランキング各社の業績まとめ (連結ベース)

銘柄
コード
会社名 売上高
(億円)
前年
変化
経常利益
(億円)
前年
変化
ROE
9101 日本郵船 22,372 17.9% 584 229.4% 4.6%
9119 飯野海運 967 12.4% 60 163.5% 8.7%
9104 商船三井 17,295 14.6% 550 8.5%
9107 川崎汽船 12,241 7.9% 325 13.5% 4.3%
9130 共栄タンカー 127 16.9% 7 -9.8% 5.7%
9110 NSユナイテッド海運 1,537 17.0% 89 252.7% 17.2%
9180 新和内航海運 210 10.4% 18 53.6% 16.2%
9179 川崎近海汽船 456 7.5% 20 21.0% 2.4%
9133 東栄リーファーライン 91 -1.9% 5 100.8% 9.5%
9173 東海汽船 117 1.2% 4 -59.2% 5.3%
9113 乾汽船 165 31.5% -12 1.9%
9171 栗林商船 473 7.9% 13 289.6% 7.3%
9127 玉井商船 69 4.7% 0 9.5%
9132 第一中央汽船 1,652 17.6% -86 82.5%
9115 明治海運 282 23.0% 69 147.8% 15.4%
9176 佐渡汽船 122 4.3% 1 -76.9% 1.0%

 (注1) 連結ベース。有価証券報告書等を基にシミュライズ作成

 

続いて、企業の直近年度の財務情報を用いて今後の給与動向を探れるよう、いくつかの財務データを見ていきたいと思います。ここで取り上げる指標は以下になります。

 

① 配当性向 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合。 利益をどれだけ株主に配当しているかを示す
② ROE 当期純利益を純資産合計で割った指数。投下資本に対して企業の稼ぐ力を示す総合的な指数といえる
③ 経常利益(従業員一人当たり) 経常利益を従業員数で割った数値
④ 純資産額(従業員一人当たり) 純資産額を従業員数で割った数値
⑤ 現金等(従業員一人当たり) 現預金(同等物も含む)を従業員数で割った数値

 

ランキング各社の配当性向・ROE・従業員一人当り財務データまとめ (平均給与公表企業単独決算ベース)

銘柄
コード
会社名 配当性向 ROE 経常利益
(一人当たり)
純資産額
(一人当たり)
現金等
(一人当たり)
9101 日本郵船 63.4% 2.8% 33.1 415.1 79.9
9119 飯野海運 20.9% 10.5% 41.3 311.5 76.0
9104 商船三井 9.9% 14.4% 38.0 516.5 27.5
9107 川崎汽船 37.2% 5.1% 28.0 363.4 159.7
9130 共栄タンカー 22.0% 7.5% 18.8 148.2 10.8
9110 NSユナイテッド海運 29.2% 14.3% 33.1 262.2 74.5
9180 新和内航海運 23.2% 16.3% 13.3 52.7 14.5
9179 川崎近海汽船 68.7% 1.8% 8.9 100.6 1.2
9133 東栄リーファーライン 17.0% 10.5% 23.8 152.8 43.3
9173 東海汽船 10.9% 16.1% 2.7 14.2 7.9
9113 乾汽船 15.0% 3.4% 1.3 383.3 93.9
9171 栗林商船 45.3% 2.5% 18.4 150.4 21.7
9127 玉井商船 -331.9% -0.5% -0.7 134.0 47.7
9132 第一中央汽船 0.0% -152.6% -24.4 57.3 62.1
9115 明治海運 73.8% 7.8% 13.2 102.9 47.7
9176 佐渡汽船 0.0% 1.1% 0.0 11.5 2.5

  (注)金額は百万円

 

ROEは企業の投下資本に対する総合的な稼ぐ力、 配当性向は企業の株主への利益還元姿勢を示します。 ROEが一定水準以上あり配当性向の高い企業は、今後も資本効率よく収益を稼ぎながら従業員への還元も続けて行く可能性が相対的に高いと考えられます。 上記表より、ROEが一定水準あり、配当性向が相応に高い企業として、飯野海運(株)NSユナイテッド海運(株)新和内航海運(株)あたりが挙げられます。

 

これらの企業のうち、飯野海運(株)、および、NSユナイテッド海運(株)は、従業員一人当たりでみた経常利益や純資産額が業界内の平均水準より高く比較的効率的な経営を続けていると想定され、同時に、従業員一人当たりの現金額も相対的に多いことから、今後の給与伸びの余地が他社対比あるのではないかと考えられます。

 

シミュライズでは引続き、企業の給与動向を見ていきたいと思います。

 

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