みなさんは、理想のライフプランを実現するために一体いくらお金がかかるのか考えたことがありますか?結婚、子育て、住宅購入、そして老後...人生にはさまざまな節目があり、そのときどきで必要となるお金。そんな人生のお金の悩みをFPたまるんがライフプランシミュレーションを使って解決してくれます。
終身雇用制が事実上破綻し、転職や独立を検討する人が増えてきました。厚生労働省が発表した雇用動向調査結果(2019年)によると、正規・非正規雇用を含めた離職率は14.2%でした。一方、入職率(新たに就業した労働者の割合)は13.9%なので、働き始める人よりも職を離れる人の方が多い結果となっています。
中小企業でオフィス機器販売の営業として働いている悠太(30歳)と金融機関の事務で働いている真理(28歳)は2年前に結婚し、現在は夫婦2人暮らしです。
悠太は憧れている先輩が退職して独立することを知りました。また、転職する同僚も輝いて見えます。自分ももっといいポジションを目指して転職してもいいのでは?と思い始めました。
一方の真理は子供が欲しいと思いつつ、子育てするだけの収入を得られるのか不安に感じていました。今の仕事を続けられるのか、続けられたとしても産休・育休の期間の収入は少なくなってしまうのではないか、と1人で考えていました。
真理の不安に気付いていない悠太は、家に帰ると真理に話し始めました。
二人で何もめてるの?また悠太が適当なこと言って真理を困らせてるんじゃないの?
転職で給与が増加した人の割合 | 変化 なし |
転職で給与が減少した人の割合 | ||||
3割以上 増加 |
1割以上 3割未満 増加 |
1割未満 増加 |
1割未満 減少 |
1割以上 3割未満 減少 |
3割以上 減少 |
|
7.2% | 15.5% | 11.5% | 27.9% | 8.3% | 15.2% | 12.4% |
▶2019年度の雇用動向調査をもとにFPサテライトにて作成
転職して給与が増えた人・変化がなかった人・給与が減った人、それぞれ3割程度であまり偏りがないんだ。
ためしに悠太の収入が変わると君たちの生活にどのくらい影響があるかシミュレーションしてみようか?
ライフプランシミュレーション
ライフプランシミュレーションツールmilize proを使って、2人の将来をシミュレーションします。
シミュレーション前提条件
・夫収入(悠太) 450万円(内ボーナス90万円)
・妻収入(真理) 350万円(内ボーナス70万円)
<毎月の支出>
・生活費 25万円
・家賃 12万円
・食費 7万円
・水道光熱費 2万円
・通信費 2万円
・被服費 1万5,000円
・夫のお小遣い 5万円
・妻のお小遣い 3万円
・その他 2万円
<年単位の支出>
・家電購入 1年間で10万円
・旅行 2年毎に50万円(70歳まで)
2人の収入と、生活に必要な出費をもとにシミュレーションしてみたよ。
現状維持の場合
※milize pro ライフプランシミュレーション
夫の年収が2割増えた場合
※milize pro ライフプランシミュレーション
夫の年収が2割減った場合
※milize pro ライフプランシミュレーション
真理が正社員を続けるとしても産休中の手当や育児休業中の給付金は給与の7割弱だから、その分収入が減っちゃうね。育児休業後に仕事に復帰後も時短で勤務したら年収が下がっちゃうしね。
だから、生活資金の事を考えるなら、キャリアだけじゃなくてライフプランも一緒に考えたらどうかな?例えば、このまま東京で生活するとどうしても家賃が高いよね?
でも、郊外に行けば家賃が安くなるし、地方の支店で活躍!とか、リモートで働けるところだったら、賃料が安いところで生活できるんじゃない?
それと、キャリア形成って転職だけじゃないよね?今の会社で昇進できるように目指すのもキャリアだよね?今の会社で評価されているなら、そのまま社内でキャリアを積んでいけばいいじゃない?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査に会社の規模ごとに役職による平均給与の統計があるよ。悠太の会社の規模と同じくらいの社員100人から500人未満の会社なら平均はこんな感じだよ。
役職なし | 職長級 | 係長級 | 課長級 | 部長級 | |
平均年収 | 425万円 | 511万円 | 563万円 | 710万円 | 914万円 |
▶厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019年)をもとにFPサテライトにて試算
<執筆者>
黒川 一美(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
大学院修了後、IT業界でセールスエンジニア・営業企画として働き、出産を機に退職。
家計を守る立場になり、お金との向かい合い方を見つけるためFP資格を取得。
現在は独立系FP法人であるFPサテライト株式会社所属FPとして活動中。
3人の子育て中の母でもある。