スズキとダイハツで生涯年収・人生計画にどれだけ違いがある?

2021/08/19

スズキとダイハツ工業は日本を代表すると軽自動車会社の2社ですが、待遇面ではどう違うのか見てみました。

スズキとダイハツ工業、両社の比較を今回は試みたい。

 

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

どんな会社?


スズキ

軽自動車を主力にした自動車メーカーです。軽自動車の販売台数が1973年から2006年まで34年間連続で首位でした。その後しばらくの間ダイハツ工業に首位を奪われていましたが2014年に8年ぶりに首位になりました。

海外展開も成功していて、特にインドではインド政府との合弁会社を設立し販売シェア40%以上で首位です。

また日産や三菱自動車にOEM供給しています。

軽自動車がメインですが二輪車もやっていて、販売台数は本田技研、ヤマハ発動機に続く第3位です。

 

ダイハツ工業

日本でもっとも歴史のある量産車メーカーで、創業時は「発動機製造株式会社」でした。

現在のブランド名・社名は、創業後、社名に「発動機」を冠する後発メーカーがいくつも出現し、既に出回っている「発動機製造」の発動機をどこで造ったか認識するため顧客の方で「阪の動機」と区別呼びし、「大発(だいはつ)」と略称したことに由来します。

現在はトヨタの子会社となっていて主に軽自動車を製造販売しています。またスバルやトヨタにOEMや受託生産という形で協業しています。

 

業績は?


業績も簡単に比べておきましょう。

 

【26年度の業績】 (単位円)

会社 売上高 前年 成長率
スズキ 3兆155億 2兆9,383億 2.6%
ダイハツ工業 1兆8,171億 1兆9,132億 -5.1%

営業収益ではスズキがダイハツ工業を1兆円以上上回っています。

スズキはかろうじて2.6%の成長を記録しましたが、ダイハツが軽自動車税等もあり苦戦しています。

 

 

初任給


すでに社員の方は昔と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。

【スズキ】

2014年4月入社社員

  • 給与
    • 修士了 月給226,000円
    • 大学卒 月給204,000円
  • 昇級 : 年1回(4月)
  • 賞与 : 年2回(7月,12月)
  • 諸手当
    • 技術職・事務職
      • 職責給
      • 仕事給
      • 時間外手当
      • 通勤手当、他
    • 営業職・サービス技術
      • 職責給
      • 仕事給
      • 国内営業勤務手当
  • 勤務時間
    • 8:45〜17:30(フレックス制度あり)※各事業所により異なる
  • 休日休暇
    • 年間休日 122日(年末年始・夏季・GW含む)
    • 休暇
      • リフレッシュ
      • 慶弔など

 

 

【ダイハツ工業】

2015年4月入社社員

  • 給与
    • 博士了 月給246,000円
    • 修士了 月給225,000円
    • 大学卒 月給203,000円
    • 高専卒・短大・専門卒 月給175,000円
  • 昇級 : 年1回(4月)
  • 賞与 : 年2回(7月、12月)
  • 勤務時間
    • 標準労働時間帯 8:45~17:30(8時間)
    • フレックスタイム制度あり
    • ※入社6ヶ月後から適用
    •  休日休暇
      • 完全週休2日制(土曜日・日曜日)
      • GW・夏期・年末年始連休など121日(2014年度実績)
      • 有給休暇(初年度13日、次年度以降16~20日)
      • 特別休暇など
    • 福利厚生
      • 制度
        • 財形貯蓄
        • 自動車
        • 住宅購入資金貸付
        • 共済会
        • 持株会
        • 各種社 会保険など
      • 施設
        • 財独身寮
        • 社員クラブ
        • 診療所
        • 保養所など
      • その他
        • 各種文化祭
        • 体育会系クラブ

    年齢ごとの給与


    有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

    【2015年度3月決算の比較】

    従業員数 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
    スズキ 14,751 39 16.5 6,260
    ダイハツ工業 11,446 37.7 16.5 6,645

     

    年齢ごとの推定給与は以下の通りです。

     

    【推定年収 単位千円】

    年齢 スズキ ダイハツ工業 差額
    25 4,398 4,798 400
    30 5,147 5,616 469
    35 5,766 6,290 524
    40 6,393 6,975 582
    45 6,968 7,602 634
    50 7,215 7,872 657

    (両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)

    こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

     

    全年齢層でダイハツ工業が上回っています。

    25歳時でおよそ40万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ65.7万円の差があります。

    これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。

     

    給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。

    2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。

    競い合っている両者だけあって給与もほぼ同じような水準となっています。

     

     

    生涯給与


    この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

     

    会社名 生涯給与
    スズキ 2億3,363万円
    ダイハツ工業 2億5,489万円

    企業シムラ―検索

     

    2,100万円の差額となりなす。

    給与カーブを運輸業、郵便業で作成すると上昇率は比較的緩やかになります。

    如何に互いがライバルとして認識し、給与レベルで同水準を保つことで、より優秀な人材を獲得したいと戦っていることを知る指標でもあります。

     

    役員報酬


    最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

    会社名 役員数 役員報酬(百万円) 役員賞与(百万円) オプション(百万円) 1人あたり総報酬(百万円)
    スズキ 7 273 174 79 75.1
    ダイハツ工業 12 371 132 0 41.9

     

    スズキダイハツ工業よりも1人当たりの報酬額では3,320万円多いです。

     

    生涯で形成する資産


    生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

    スズキ、ダイハツ工業の現在30歳の方を例に計算を行います。

     

    結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

     

    スズキ ダイハツ工業 差額
    65歳 3,535万円 4,327万円 792万円
    85歳 2,025万円 2,363万円 338万円

     

     

    65歳時ダイハツ792万円上回ります。

    これが85歳時では338万円に縮まります。

    しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。

    (当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

    スズキVSダイハツ 2015-08-14 17.15.01

    しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。

    左がスズキの方、右がダイハツ工業の方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)

    システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索

     

    結論


    ダイハツ工業生涯年収(従業員として)は2,100万円ほど多い結果となりました。

    一方役員になってからの待遇が平均報酬で3,320万円ほどスズキの方がよかったので、役員にまでなればスズキそうでなければダイハツ工業の勝ちと言えます。

     

    最後に65歳以降の資産額で比較するとダイハツ工業の方が65歳時も85歳時もスズキを上回っているので今回はダイハツ工業の勝ちとします

    当然また来年になれば変化するものですので、来年もまたこの2社の動向を見守っていきたいと思います。

    クールジャパンな2社ですから、ものづくり日本の中心的な存在として頑張ってもらいたいものです。

     

     

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