ユーグレナとジーンテクノサイエンス、ともに大学発のバイオベンチャー企業の2社ですが待遇面でどう違うのか比較してみました。
東京大学VS北海道大学でもあります。
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ユーグレナとジーンテクノサイエンス、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てバイオベンチャーの人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社ユーグレナ】
- 設立 2005年8月9日
- 資本金 48億1,069万1,000円
- 本社 東京都港区芝
- 従業員数 89名
- 売上高 30億円(2014年9月)
- 事業概要
- ユーグレナ等の微細藻類の研究開発、生産
- ユーグレナ等の微細藻類の食品、化粧品の製造、販売
- ユーグレナ等の微細藻類のバイオ燃料技術開発、環境関連技術開発
- バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発、投資等
- 企業理念 『人と地球を健康にする』
- 安全に作る、安心を提供する、健康に寄与する
- 愛情込めて、人々の健康と地球の環境に資することで、成長する
- 未来を創る革新的技術を常に追究する
株式会社ユーグレナは、世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術を確立した東京大学発のバイオテクノロジー企業です。
ミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発及び生産管理、品質管理、販売等を展開しています。
健康食品や化粧品など商品化しています。
【株式会社ジーンテクノサイエンス】
- 設立 2001(平成13)年3月1日
- 資本金 1,673,134千円(2015年7月17日現在)
- 本社 札幌市中央区
- 従業員数 14名(2015年3月末時点)
- 売上高 321百万円(2015年3月期)
- 事業内容
- バイオ新薬の研究開発
- バイオ後続品の研究開発(ジェネリック医薬品のバイオ医薬品版)
- 経営理念
- 大学発ベンチャーであることの公共性に準じ、
利益の追求に留まらず、希少疾患や難治性疾患を対象とする医薬品開発により、
人々のクオリティ・オブ・ライフを向上させ、社会に貢献する。
- 大学発ベンチャーであることの公共性に準じ、
北海道大学遺伝子病制御研究所に端を発するバイオベンチャーです。
バイオ医薬品の新薬の研究開発と後続品の研究開発を行っています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)
ユーグレナ | 会社 | ジーンテクノサイエンス |
30億4,635万 | 売上高 | 3億2,166万 |
20億9,198万 | 前年 | 3億0,135万 |
45.6% | 対前年度比 | 6.7% |
1億9,148万 | 経常利益 | -7億9,023万 |
1億1,818万 | 当期純利益 | -7億9,218万 |
1億0,938万 | 包括利益 | 記載なし |
92.5% | 自己資本比率 | 21.7% |
売上高はユーグレナがジーンテクノサイエンスの9.47倍で、27億円ほど上回っていてます。
経常利益、当期純利益でもユーグレナがジーンテクノサイエンスを上回っていて、経常利益で9.8億円、当期純利益で9.1億円上回っています。
ジーンテクノサイエンスは赤字になっています。
売上の成長率ではユーグレナが45.6%に対してジーンテクノサイエンスが6.7%と大きな差があります。
ユーグレナが軌道に乗っているのが分かります。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【ユーグレナ】
2016年4月入社社員
- 給与
- 博士:26万円~
- 修士:22万円~
- 学士:20万円~
- 諸手当
- 交通費:5万円を上限として実費を支給
- 昇給/賞与
- 年2回の給与改定/インセンティブ制度
- 福利厚生
- 社会保険等完備
- 社内懇親会(四半期に1度、懇親会やスポーツ大会があります)
- 休日・休暇
- 完全週休2日制(土日)
- 祝日
- 年末年始
- 夏季休暇
- 慶弔休暇
- 産前産後休暇
- 育児休暇
- 年次有給休暇
- その他特別有給休暇あり
【ジーンテクノサイエンス】
採用情報なし
ジーンテクノサイエンスは採用情報がありません。
そのため初任給の比較は出来ないのですが、ユーグレナの初任給は一般的か少し少ないくらいです。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2014年度9月(ジーンテクノサイエンス)、12月(ユーグレナ)決算の比較(単体)】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
ユーグレナ | 60 | 34.6 | 2.3 | 4,835 |
ジーンテクノサイエンス | 14 | 49.5 | 4.5 | 5,933 |
従業員数は共に多くはありませんがユーグレナがジーンテクノサイエンスの4倍以上います。
平均年齢はジーンテクノサイエンスが14.9歳高いです。また平均勤続年数は共に長くはありませんがジーンテクノサイエンスが2.2年長いです。
平均年間給与はジーンテクノサイエンスがユーグレナより110万円ほど高いです。
この差は平均年齢が高いことが影響していそうです。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | ユーグレナ | ジーンテクノサイエンス | 差額(ユーグレナ基準) |
25 | 3,710 |
4,402 | -692 |
30 | 4,342 |
4,877 |
-535 |
35 | 4,864 |
5,147 |
-283 |
40 | 5,393 |
5,318 |
80 |
45 | 5,878 |
5,596 |
282 |
50 | 6,087 |
5,972 |
115 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
25歳〜35歳でジーンテクノサイエンスが上回っていますが40歳〜50歳ではユーグレナが上回っています。
25歳時でおよそ69.2万円ジーンテクノサイエンスが上回っていますが、45歳時ではユーグレナおよそ28.2万円上回っています。
これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つともバイオベンチャーではありますが違う業種のためカーブの上昇率等は別々の数字を使っています。
そのため年代別の年収が途中で逆転します。
それぞれの業種は、ユーグレナが食料品、ジーンテクノサイエンスは医薬品です。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
ユーグレナ | 1億9,709万円 |
ジーンテクノサイエンス | 2億0,692万円 |
ジーンテクノサイエンスがユーグレナを983万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百 万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
ユーグレナ | 7 | 45 | 0 | 0 | 0 | 6.4 |
ジーンテクノサイエンス | 3 | 42 | 0 | 0 | 0 | 14.0 |
ジーンテクノサイエンスがユーグレナを760万円ほど上回ります。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
ユーグレナ、ジーンテクノサイエンスの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
ユーグレナ | ジーンテクノサイエンス | 差額(ジーンテクノサイエンス基準) | |
65歳 | 5,201万円 | 5,343万円 | 142万円 |
85歳 | 5,582万円 | 5,622万円 | 40万円 |
65歳時にジーンテクノサイエンスが142万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では40万円と縮まります。
ジーンテクノサイエンスのほうが老後の資産が多いですが、ユーグレナとの差は65歳時に比べると85歳時は小さくなります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がユーグレナの方、右がジーンテクノサイエンスの方です。30歳には五郎と名前
がついています。(全企業共通ルール)
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結論
ジーンテクノサイエンスが生涯年収(従業員として)はユーグレナのそれに比べ983万円ほど多くなっていま す。
役員になってからの待遇はジーンテクノサイエンスがユーグレナより760万円多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較するとジーンテクノサイエンスが65歳時に142万円、85歳時に40万円多いです。
そのため今回はジーンテクノサイエンスの勝ちとします。
業績が良い企業よりも、平均年齢が高く、勤続年数が長い企業の方が老後の資産が多いという結果となりました。
東京大学VS北海道大学では企業としては東京大学、個人としては北海道大学という結果になりました。
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