労働相談にかかわる弁護士や市民団体、作家、ジャーナリストなどにより組織されている実行委員会により毎年公表されている「ブラック企業大賞2014」の受賞企業が先週末発表され、(株)ヤマダ電機が大賞を受賞しました。

同賞では、労働環境問題などの報道をもとに委員会によるノミネート企業が決められ、インターネット投票などを含めて各賞を決めているようです。昨年の大賞は(株)ワタミ、今年の他のノミネート企業には、牛丼チェーンのすき家を運営する(株)ゼンショーホールディングスや(株)リコーなども含まれているとのこと。

詳細は　→ こちら、の報道等をご覧ください。

シミュライズのランキング

上記「ブラック企業大賞」ではかなり定性的に企業を選んでいるように見えますが、シミュライズでは、より定量的なデータである、従業員の平均勤続年数データと推計された生涯給与を用い、従業員にとっての魅力のある企業をランキングしています。下記記事ご参照ください。

【収入】「ホワイト企業」、「ブラック企業」？ランキング 勤続年数と生涯給与で見る従業員に魅力のある企業

細かくは議論の余地があるとは思いますが、以下を想定していることになります。

• 勤続年数が長い企業は従業員にとって魅力が高いと想定
• 推計された生涯給与が高い企業は従業員に魅力が高い

ランキング対象となる全2400社のランキングはシミュライズデータにありますので、合わせてご覧ください。
→ 「 勤続年数・生涯給与によるホワイト企業ランキング 」

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「ブラック企業大賞」での企業について、シミュライズにおけるランキングを確認してみる

ではここで、「ブラック企業大賞」 で名前の挙がった企業について、シミュライズのランキングにおける順位を見てみたいと思います。 

まず今年の大賞 （株）ヤマダ電機ですが、シミュライズにおけるランキングは、全企業2412社中、2293位と下位5％に含まれます。しかし、その業種である小売業は全業種の中で最も平均生涯給与が低いため、全企業の中での比較はあまり適当ではありません。 小売業に絞ってみてみると、全214社中165位と下位20％程度の位置におり、数値データからは、決して従業員への魅力がずば抜けて劣っている訳ではないことが分かります。

小売業のランキングの中から、（株）ヤマダ電機と似た業態の企業のみをピックアップすると以下のようになっています。
（株）ヤマダ電機より下位に（株）ノジマがランキングされていることがわかります。

小売業ランキング内におけるヤマダ電機と似た業態の企業

（注1）順位は小売業におけるランキング順位
（注2）ビックカメラは8月決算企業のため、2014年データがまだ公表されておらず今回のランキングには含まれていないが、今回は参考の為、2013年の数値を用いて含めている

続いて昨年大賞の（株）ワタミを見てみます。 こちらは従業員数が100人未満のため元々のランキングに含まれておりませでしたが、今回その該当順位を確認します。 全企業2412社中、2255位と全体では下位10％、小売業の中では214社中150位と下位30％程度の位置にいます。

データから導いたシミュライズランキングによると、いずれの大賞企業についても、順位もある程度ランキング下方に位置していること、ただし一方で、ずば抜けて従業員魅力が低い訳ではなさそうであることが確認できます。

参考までに、小売業のシミュライズランキングを下位100社を掲載しておきます。

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