全米先物取引委員会(CFTC)により週末公表の、シカゴ通貨先物市場における5/12時点の投機筋ポジション動向。
個人投資家にも大いに参考になるので、週一回必ずチェックしましょう。
シカゴ投機筋ポジションってなに?
このところかなり為替市場の見方が変わってきたようなので、大きな動向をつかみ、しっかりと外貨預金や外国証券の取引タイミングを考えましょう‼
CFTC(全米先物取引委員会)は、各取引所にそれぞれの商品先物の建て玉の公表を義務付けています。
CFTCは金曜日午後3時30分(米国東部時間)にホームページ上で公表しております。(なのでシミュライズでは週末に報告になります。)
この公表されている数字のなかで、Non-Commercial(投機筋)のLong(買い)とShort(売り)の枚数がもっとも重要な数値です。これは相場を動かす要因の一つといわれています。
なお、この統計表に記載されている為替レートと通貨先物の数値は、いずれも当該週の週末終値であって、建て玉枚数の数値は当該週の火曜日の数値であることにご注意ください。
投機筋ってなに?
投機筋(短期筋)とは、株や為替の短期的な売買によって利益を得る、投機を目的とした投資家全般のことを指します。ヘッジファンドや機関投資家のことを指します。
ただし、大口のヘッジファンドなどは手口が公開されることを避けるため、通貨先物を利用しないといわれており、必ずしも投機筋の動向が反映されるとは限らないことに注意する必要がございます。
今週(5/12)にはユーロに大きな動き!
現在のポジション(5/12)
現在の投機筋のポジションは以下のようになっています。ユーロのショートの大きさが目立ちます。
【5/12のポジション状況】
5/12時点のポジションではまだ圧倒的にユーロのショートは残っていますが、これもかなり急速に解消してきています。
円、英ポンドもショートですが、こちらはユーロに比べるとかなり小さめの水準です。
直近の変化
各通貨(対ドル)の投機筋ネットポジション(枚)
通貨 | 2015/5/12 | 1週間変化 | 1ヶ月変化 |
JPY | -23,593 | 7,590 | -523 |
EUR | -178,976 | 11,151 | 33,371 |
GBP | -30,769 | -6,011 | 5,276 |
AUD | 4,487 | 3,861 | 46,920 |
NZD | 1,770 | -7,294 | -4,233 |
CHF | 10,550 | 5,219 | 10,380 |
CAD | -3,982 | 6,098 | 26,596 |
週間の投機ポジションの動き(5/12)
ニュージーランドドル、ポンド以外の通貨、円、ユーロ、豪ドル、カナダドルなどでネットショートポジションが引き続き減少した一週間。
⇒ 投機筋はドルを売って、円、ユーロ、豪ドル、カナダドル通貨を買うという動きの強い1週間
⇒ ネットショートポジションの解消、つまりドルが高くなると思う人が圧倒的に多かったのが、どうもあやしいぞ!と思いドルを売り始めた人の多い1週間)
- 円はショートを解消する方向の継続となった。
⇒ 投機筋はドルを買って、円を売る動きが強くなった。(先週7,590枚の買い越し)
- ユーロもショートを解消する方向の継続となった。
⇒ 投機筋はドルを買って、ユーロを売る動きが強くなった。(先週11,151枚の買い越し)
月間の投機ポジションの動き
おおきく積み増してきた各通貨のショート(売り持ち)ポジションは解消(プラスの動き)の方向性は変わらず。
特にオーストラリアドルは1か月で46,920枚で一番買戻しが大きかった。
円とニュージーランドドルはマイナス(つまりドルを買って、これらの通貨を売る)の動きとなっているが、いずれも枚数変化は少ない。特に円については方向性を迷っている様子だ。
ユーロのショートポジションは減少傾向継続。他の通貨と比較してもユーロが急速にショートを解消してきているのがわかる。(下図の黄色のライン)
米国経済もそれほどは強くないとの見方が広がる中、全体的にはネットショート解消へのトレンドが続き、ユーロもしばらくはこの動きが継続しそうだ。
ドル円もネットショート解消が進み、フラットに近づいてきおり、しばらく方向性なく120円あたりをうろつく展開か。(下図の赤い線)
投機筋ポジションのヒストリカルデータ
2014年はじめからの主要通貨の投機筋ネットポジション(対ドル)の動きをグラフ化しています。
【投機筋ネットポジションの動き】
(注1)CFTC公表データをもとにシミュライズまとめ
このたびNY時間に公表されているポジションは、先週火曜日時点(5/12)のものであることをご注意の上、ご覧ください。
関連記事 →【運用】FX取引の際にはチェックしておこう、シカゴ投機筋のポジション動向
ドル・ユーロ為替レートの動き
ドル円の為替レートは先週金曜の終値ベースでは、円(赤線)は120円近辺まで売られて膠着状態が続いています。
一方で、ユーロ(オレンジ線)が大きく買われてきていますがまだ継続性はみれません。
ユーロ円は行き過ぎたユーロ売り、米国債買いの緩和トレードの巻き戻し(ポジション解消の動き)はしばらく継続するのか。
しばらくは見極めが必要です。
[SetAd category ="I"]
2012年からの動き をチャートで見る
【円、ユーロ、豪ドル、英ポンドの対米ドルネットポジションと為替レート推移(2012年1月~)】
(注)CFTC公表データをもとにシミュライズまとめ
シミュライズのFX分析ツールも是非あわせてご活用ください。
活用方法については、以下記事等をご参考にしてくだくさい。
【運用】FX取引のアイデア実験室 トレンドと取引タイミング シミュライズFX
外貨預金、FXのタイミングを図る活用例です。
【運用】120円台に行きそうなドル円。外貨預金は作るタイミングが重要です。いつが良いのか教えて?
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへ どうぞ。
(ご注意) 本情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、実際のお取引に当たっては自己責任のもとご自身で判断をお願いします。本サービスの運営会社は、本サービスの掲載情報の利用により利用者に発生したいかなる損害について、一切の責任を負わないものとします。また掲載情報については細心の注意を払って作成しておりますが、本サービスで提供する情報の正確性、真実性、最新性、完全性等について運営会社は保証しないことをご理解ください。