時により大きくポジションを傾けて取引を行う投機的な市場参加者の動向は、FX取引を行ったり為替市場の方向性を探る上で、何等かの示唆を与えてくれます。シミュライズでは、シカゴ投機筋のポジション動向をフォローしています。
米国シカゴの通貨先物市場 (シカゴ・マーカンタイル取引所 CME:Chicago Mercantile Exchange) における通貨先物ポジション(建玉)の残高が、全米先物取引委員会(CFTC:Commodity Futures Trading Commission)により集計され、毎週HPに公表されています。
ポジションは大きく、ヘッジファンドやCTAなどの「投機筋」(Non-Commercial)と、貿易に関連した為替取引などの「実需」(Commercial)に分かれて公表されています。投機筋ポジションデータは、ヘッジファンド等投機筋の動きを類推するヒントになり得ることから、市場の方向性を占う意味で市場参加者に注目されています。大口のヘッジファンドなどは手口がバレることを嫌がり、先物をあえて利用しないケースも多く、必ずしも彼らの動向が常に反映されるとはいえませんが、何等かの示唆を与えてくれる材料にはなります。
下記は、USD/JPYにおける投機筋のネットポジションと為替レートの動向を、2011年秋以降みたものです。ネットポジションのマイナスは円ショート(ドルロング)を指します。ポジションの積み上がりにより、大きな流れに繋がっていることが感じられます。
(注1)CFTC公表データによる
下記は、USD/JPYについて投機筋のネットポジションの前週比変化と、為替レートの変化率(5週平均)を比べたものです。比較を容易にするために変化率は5週平均化して表示しています。今年に入ってからの揉み合い相場ではあまり傾向はつかめませんが、昨年後半における両者の関連性が見てとれます。
(注1)CFTC公表データを基にシミュライズ集計
シミュライズでは、大きな変動があった際にレポートしていきたいと思います。
週末の相場確認事項に加えていきましょう。
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