CME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物取引でオープンのポジションの枚数(売りと買い)が毎週報告されます。
時により大きくポジションを傾けて取引を行う投機的な市場参加者の動向は、FX取引を行ったり為替市場の方向性を探る上で、何等かの示唆を与えてくれます。
シミュライズでは、シカゴ投機筋のポジション動向をフォローしています。
米国シカゴの通貨先物市場 (シカゴ・マーカンタイル取引所 CME:Chicago Mercantile Exchange) における通貨先物ポジション(建玉)の残高が、全米先物取引委員会(CFTC:Commodity Futures Trading Commission)により集計され、毎週HPに公表されています。
ポジションは大きく、ヘッジファンドやCTAなどの「投機筋」(Non-Commercial)と、貿易に関連した為替取引などの「実需」(Commercial)に分かれて公表されています。投機筋ポジションデータは、ヘッジファンド等投機筋の動きを類推するヒントになり得ることから、市場の方向性を占う意味で市場参加者に注目されています。大口のヘッジファンドなどは手口がバレることを嫌がり、先物をあえて利用しないケースも多く、必ずしも彼らの動向が常に反映されるとはいえませんが、何等かの示唆を与えてくれる材料にはなります。
【週次の変化をグラフ化したもの 10.6〜10・13】
今週(10/13)はご覧の通りドルの売り、他の通貨の買いが進んだ。(ポンド以外)
1か月の変化でも円、ユーロ、豪ドル、NZドル、カナダドルと買いが優勢となっている。
【今週の動き10・6〜10・13】
通貨 | 2015/10/13 | 1週間変化 | 変化率 | 1ヶ月変化 |
JPY | -13,832 | 3,767 | -27.23% | 12,982 |
EUR | -80,576 | 8,234 | -10.22% | 3,626 |
GBP | -7,527 | -2,994 | 39.78% | -3,908 |
AUD | -33,705 | 7,134 | -21.17% | 7,024 |
NZD | 692 | 1,663 | 240.32% | 2,786 |
CHF | -2,352 | 1,618 | -68.79% | -6,134 |
CAD | -33,949 | 1,061 | -3.13% | 13,134 |
10月13日現在のポジションは今週の他通貨の買いがあってもまだまだショートポジションとなっている。ユーロは圧倒的にショートが多いが、日本円のショートははかなり減少してきている。
ヘッジファンド等は円の一方的な円安志向はほぼなくなってきており、ユーロ圏の経済ははまだまだ低迷が続くものの、米国の利上げはかなり先になり、円安ドル高は是正されていくという理解になってきたようだ。
日経で「利上げ先送り・円高で大手ヘッジファンド閉鎖」で話されているように、大手ヘッジファンドの米フォートレス・インベストメント・グループが、13日ホームページで「フォートレス・マクロ・ファンドを閉鎖して、年末までに全ての運用資金を顧客に返還する」と発表した。
このフォートレスは日本株に対して一貫して強気、円・ユーロは売りと公言してはばからなかった。
スイス国立銀行(中央銀行)が対ユーロで設定していたスイスフランの上限撤廃を決めたことによる、外国為替市場の混乱でフォートレスのマクロ型ファンドも損失を被ったことが最大の要因としているが、思ったほどの円安は実現しなかったことも想定外であったようだ。
【10月13日時点のネットポジション】
現時点(10月13日時点)のポジションは上記グラフのようにショート傾向(先物の枚数が0以下であること)なっています。
小さいながらもニュージーランドドルだけプラスだが、他は大きくショート。
ユーロ、豪ドル、カナダドルはショートのネットポジションとなっている。
米国の12月の利上げのシナリオを捨てきれないため、まだショート傾向が強いが、これが来年になることが確実となると、よりショートが減少してくる可能性大。
特に円は円高傾向が強まり、日本が緩和をせざるを得ない状況が生じる可能性大である。
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【過去からのネットポジションの推移】
ショートは全体的に減少傾向
【ドル円/ユーロドルの為替レート推移】
為替は先週の金曜日時点のもの。ユーロ安も徐々に改善しつつある。円はレンジに入って久しい。
【ユーロの推移】
【円の推移】
【豪ドルの推移】
【英国ポンドの推移】
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