アベノミクス下で日銀が大胆な金融緩和のために、市中の国債やREITやETFを市場から買いあさっていて、債券の市場は枯れてきている。 一方で財政の健全化が進まないことで格付け機関や海外投資家が日本の国債についての信頼感を下げてきており、いまや韓国の債券よりも日本国債の格付けは低くなっている。
そういう状況下、先月からの国債の入札結果が不調になると、日本国債は神経質に売られ利回りが上昇する局面が見られるようになった。現在は金利は落ち着きつつあるが、海外の投資家の日本国債保有比率も少しづつ上昇を始めており、国内の要因というよりも、海外からのちょっとした圧力で動きやすい市場になる可能性が高まっている。
【5年間の国債の利回りの推移 出典:財務省】
(赤い枠のところでやや急な上昇の気配が見られたが、また再低下をはじめている。)
そこで国債価格が低下し、利回りは逆に高くなることが起こりうると想定する人が増えてきている証拠にある商品への投資残高が増えてきている。
その金融商品とは?
その商品はT&Dアセットマネジメントの
日本債券ベアファンド(5倍型)
追加型投信/国内/債券/特殊型(ブル・ベア型) 日本経済新聞掲載名債券ベア
という商品だ。
日本債券ベアファンドの特長
下記のような特長をもった商品である。(長期金利の動きと国債価格の動きは逆の動きになることを忘れずに!)
- 主として円建ての短期公社債等の短期有価証券を中心に、コールローン等にも投資するとともに、わが国の長期国債標準物※1を対象とする国債証券先物取引※2の売建額が、原則として信託財産の純資産総額の5倍程度になるように調整を行います。
- 通常、公社債の価格は金利が低下した場合上昇し、金利が上昇した場合下落しますが、ファンドの基準価額は長期債金利が上昇すると上昇し、長期債金利が低下すると下落します。
※1長期国債標準物は、額面100円、利率年6%、償還期限10年として設定された架空の債券です。長期国債標準物を取引対象としている国債証券先物取引は、長期国債市場全体の動きを反映している先物取引といえます。
※2国債証券先物取引は長期国債市場全体の動きを反映する先物取引ですので、長期国債以外の長期債(一般事業会社の発行する長期債など)の値動きには、直接的には影響を受けません。
長期金利が上昇する(=日本国債の価格が下落する。)ときにもうかるファンドなのだ。反対に長期金利が低下する場合は損をする。
【日本債券ベアファンドの基準価額と純資産残高の推移】
2015年3月3日現在では
- 基準価額:7,714円
- 前日比:+72円 (前日比率: +0.94%)
- 純資産総額:2,091百万円
となっている。
基準価額は下がり続けているものの、純資産総額は未だに増加傾向にある。
まだまだ小さいファンドではあるが、国債市場に不安を感じる人、金利上昇リスクをヘッジしたい人に人気の商品だ。
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このファンドのリスク
ファンドの基準価額は、投資を行っている有価証券等の値動きによる影響を受けますが、これらの運用による損益は全て投資者に帰属します。
したがいまして、ファンドは投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。なお、ファンドは預貯金とは異なります。
ファンドの基準価額の変動要因となる主なリスク
- 債券価格変動リスク
- ※基準価額の変動要因(リスク)は、上記に限定されるものではありません。
次のような要因により運用目標としている投資成果を得られない場合があります。
- 長期債市場全体の動きと長期国債先物取引の値動きが一致しない場合
- 設定、解約に対応した長期国債先物取引の約定価格と終値の差
- 信託報酬、売買委託手数料等の負担
- 先物市場の流動性が低下した場合の売買対応の影響
- 設定、解約による運用資産の変動。設定、解約はお申込受付日の翌営業日に行いますが、設定金額と解約金額の差額分に対しては、原則として当日中に長期国債先物取引を行うものとします。したがいまして、設定が多い場合には5倍を上回り、解約が多い場合には5倍を下回ることとなります。
このファンド自体は大変特徴的なファンドであり、金利という予測が難しいものの動きにかけるファンドであるため、上級者向きといえます。
通常の株式の投資がかなりあり、ヘッジをする目的であったり、日本債券市場に対して不安に思う人たちが投資をするための商品です。
もうひとつは野村アセットマネジメントの「スーパー ボンド ベア オープン 3」というものもあるので、ぜひ参考にしてほしい。
「スーパー ボンド ベア オープン 3」
【投資信託協会 商品分類】
追加型投信 / 国内 / 債券 / 特殊型(ブル・ベア型)
米国債券のベアファンド等もあるので、時間のある時にぜひチェックしてみよう。
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