東宝株式会社(以下、東宝)と東映株式会社(以下、東映)は、共に日本を代表する映画の制作、配給、興行会社です。
東宝と東映の給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
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- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て映画業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【東宝株式会社】
1932年(昭和7年)8月 演劇、映画の興行を主たる目的として株式会社東京宝塚劇場として設立。千代田区有楽町に本社を置く、映画・演劇の製作配給・興行や、不動産賃貸等を行っている会社で、邦画配給、興行収入では、国内首位です。映画館は「TOHOシネマズ」、主な作品は「ゴジラ」「コナン」「君の名は」等
【東映株式会社】
1949年(昭和24年)10月 劇場用映画を配給する目的で東京映画配給株式会社として設立。中央区銀座に本社を置く、劇場用映画の制作、配給、興行を行うほか、洋画の買い付けと配給等を行っている会社です。映画館は「T・ジョイ」、主な作品は「ONE PIECE」「ドラゴンボール」「相棒」等
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:平成30年3月の業績】 (単位:円)
東宝
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会社
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東映
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2,427億 |
売上高
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1,243億
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2,335億 |
前年
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1,284億
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3.9% |
対前年度比
|
-3.2%
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486億 |
経常利益
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214億
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336億 |
当期純利益
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107億
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412億 |
包括利益
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173億 |
76.1% |
自己資本比率
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57.5%
|
会社規模、業績では、東宝が上回りました。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【東宝、東映ともに募集要項から 初任給(単位:円)】
東宝
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学歴
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東映
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221,600 | 大学院・大学卒 | 229,300 |
東映が上回りました。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
会社名 | 従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) |
東宝 | 353 | 3,074 | 39.2 | 16.0 | 9,001 |
東映 | 338 | 1,010 | 42.3 | 16.2 | 8,435 |
従業員数は、単体、連結共に東宝が上回っています。
平均年齢は、東映が3.1歳高く、平均勤続年数も、東映が若干長いです。
平均年間給与は、東宝が57万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | 東宝 | 東映 | 差額(東宝ベース) |
25 | 5,632 | 4,966 | 666 |
30 | 6,839 | 6,030 | 809 |
35 | 8,044 | 7,092 | 952 |
40 | 9,145 | 8,063 | 1,082 |
45 | 10,039 | 8,851 | 1,188 |
50 | 10,988 | 9,688 | 1,300 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層で東宝が上回ります。
その差は、25歳時が一番小さく67万円、50歳時が一番大きく130万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社は業種が同じため、上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
東宝 | 3億4,198万円 |
東映 | 3億151万円 |
東宝が4,046万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
東宝 | 14 | 368 | 0 | 0 | 0 | 26.3 |
東映 | 16 | 244 | 0 | 0 | 64 | 19.3 |
東宝の方が、1人当たりの報酬額(年額)で、7百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
東宝 | 東映 | 差額(東宝ベース) | |
65歳 | 11,412万円 | 10,091万円 | 1,321万円 |
85歳 | 9,954万円 | 9,294万円 | 660万円 |
65歳時に東宝が1,321万円(貯蓄可能額が)上回りますが、この差は85歳時には660万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が東宝の方、右が東映の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です。
- 会社規模、業績では東宝が優位です。
- 初任給は、東映が上回ります。、推定年収は全ての年齢層で東宝が多く、その差は、25歳時が一番小さく67万円、50歳時が一番大きく130万円です。
- 生涯給与(従業員として)は、東宝が4,046万円上回っています。
- 役員報酬は、東宝が1人当たりの報酬額(年額)で、7百万円多いようです。
- 老後の資産額は、東宝が65歳時に1,321万円、85歳時に660万円多いようです。
ほぼ全ての項目で、東宝が優位となったため、今回は東宝に軍配があがりました。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
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