資生堂とワコールは両社とも女性に特に人気の企業です。
日本を代表する化粧品メーカーと女性用下着メーカーですが、待遇面ではどう違うのか見てみました。
両者の比較を今回は試みたい。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
【資生堂】
こんな高級な化粧品もあったんですね。
資生堂 クレ・ド・ポー ボーテ シナクティフ クレーム 本体
超高級な逸品
【ワコール】
下着も2極化時代か
ワコール(トレフル)Trefle スリップ
両者は化粧品と女性用下着メーカーなので単純に比較はできませんが業績も比べておきましょう。
ワコールはホールディングスのデータなので必ずしも会社全般を表しているものではありませんが、
比較的経営に近い、優秀な人が集まっていると想定すると使える数字になります。
参考までに業績比較
【2015年3月期の業績】 (単位百万円)
会社 | 売上高 | 前年 | 成長率 |
資生堂 | 777,687 | 762,047 | 2.05% |
ワコール | 191,765 | 193,781 | ―1.04% |
資生堂は今年度はプラスの成長率を記録しましたが、ワコールは残念ながらマイナスになっています。
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初任給
すでに社員の方は昔と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【資生堂】
2014年4月入社社員:東京都区部居住の場合
博士了 月給247,610円
修士了 月給219,800円
大学卒 月給205,740円
高専卒 月給186,330円
※いずれも地域手当9000円(地域により異なる。0~9,000円)を含む。
福利厚生
- 寮・社宅制度や住宅関連手当の支給
- 健康診断、成人病検診
- 慶弔見舞金制度
- 財形制度や自社株投資会制度
- 健保組合
- 企業年金制度や積立型総合福祉共済制度、他
【ワコール】
2014年4月実績
修士了 月給218,200円
大学卒 月給208,000円
福利厚生
- 社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)
- 社宅、独身寮
- 従業員持株制度
- 財形貯蓄制度
- 慶弔見舞金
- 自己啓発援助制度
- 自社製品の社員割引購入制度
- 定期健康診断
- 再雇用制度
- 永年勤続表彰制度
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報では
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(円) | |
資生堂 | 3,587 | 42.1 | 17.5 | 7,673,265 |
ワコール | 80 | 45.4 | 20.3 | 6,533,344 |
ワコールのワコール事業(国内) 7,599人(就業人員)で、資生堂の国内化粧品事業11,932人(就業人員)となっています。
年齢ごとの推定給与は以下の通りです。
【推定年収 単位千円】
年齢 | 資生堂 | ワコール |
25 | 5,053 | 4,099 |
30 | 5,914 | 4,798 |
35 | 6,625 | 5,374 |
40 | 8,006 | 5,959 |
45 | 8,290 | 6,495 |
50 | 8,215 | 6,725 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全年齢層で資生堂がかなり優っています。
25歳時でおよそ100万円の差があり、ピーク時の45歳時ではおよそ180万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
資生堂 | 2億6843万円 |
ワコール | 2億1763万円 |
大きな差がつき5080万円の差額となりなす。当然企業内での出世、手当等の差異があり、好成績を示せば当然ワコール内でも資生堂よりも上になる人もいることは大いにあります。
役員報酬
最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 1人あたり総報酬(百万円) |
資生堂 | 8 | 233 | 51 | 130 | 51.8 |
ワコール | 6 | 210 | 35 | 44 | 48.2 |
資生堂がワコールよりも1人当たりの報酬額では360万円多いです。
昨年よりも両者とも大きく減少しており、他産業にくらべると低く抑えられています。今後の業績次第で大きく増加する可能性はありますが、予断は許しません。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
資生堂、ワコールの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
これは統計に基づいた平均的な支出をしていって、65歳のときにどれだけの資産ができているかを示しています。
資生堂 | ワコール | 差額 | |
65歳 | 5,890万円 | 3,768万円 | 2,122万円 |
85歳 | 4,593万円 | 2,860万円 | 1,733万円 |
65歳時に資生堂が2,122万円上回ります。
85歳時ではその差が1,733万円に縮まります。
かなり大きな差がつきましたが、両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が資生堂の方、右がワコールの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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女性の人物像も当然用意されています。
資生堂さつき(28歳)
ワコール さつき(28歳)
結論
資生堂は生涯年収(従業員として)がワコールより5000万円以上多く、また役員になってからの待遇が平均で360万円ほどよかったので、今回は資生堂の勝ちということとします。
【人生設計】女性に人気の企業 資生堂とワコール(2014年度) 2社の生涯給与、年収はどう違うかを見てみた。