初任給はあまり大きく変わっていない現状があります。企業によっては当然上昇していますが、人材不足はアルバイトの世界で騒がれているほど、企業の採用はまだ需給は逼迫していないのかもしれません。
使用したデータは厚生労働省の賃金構造基本統計調査(初任給)である。
金額は所定内労働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれているが、超過労働給与額は含まれていない。通勤手当は除いたものである。
大卒・高卒初任給
平成25年度の厚生労働省の統計によると、
- 大卒の男女共通の平均給与は198.0 千円
- 高卒の男女共通の平均給与は156.0 千円
となっている。(4万2千ほどの差、年間で50.4万円の差)
大学卒で一番返答数の多い階級は200.0 ~ 209.9千円
高校卒では160.0 ~ 169.9千円となっている。
【大卒の分布状況】
【高卒の分布状況】
大卒・高卒初任給の変化
大卒・高卒等についてはほぼ同じレベルでこの9年間推移している様子がわかる。後で見るように業種ごとにばらつきはあるが、
大きく変動しているところは少ない。
デフレが継続してきただけに初任給も横ばいで抑えられてきた。しかし人手不足が予測される業種はそろそろ上昇が見られてもおかしくない。
業種別ランキング
大卒の業種別のランキングを見てみた。鉱業・採石業等が一番となっている。
原油・天然ガス鉱業、採石業,砂・砂利・玉石採取業、金属鉱業、窯業原料用鉱物鉱業、石炭・亜炭鉱業 等が含まれる。
国際石油開発帝石
関東天然瓦斯開発
などが大手企業では含まれる。
2位の情報通信業はこのところのITビジネスの拡大からも分かりやすい。
3位の専門職、研究員は時代の要請も高く、初任給が高くなるのは理解しやすい。
【初任給金額ランキング】
順位 | 産業 | 初任給(千円) | 5年変化 |
1 | C.鉱業,採石業,砂利採取業 | 215.4 | 0.80% |
2 | G.情報通信業 | 211.7 | -0.09% |
3 | L.学術研究,専門・技術サービス業 | 206.9 | 0.24% |
4 | K.不動産業,物品賃貸業 | 206.5 | -0.29% |
5 | N.生活関連サービス業,娯楽業 | 200.2 | -7.44% |
6 | I.卸売業,小売業 | 199.1 | 0.71% |
7 | E.製造業 | 198.7 | -1.19% |
8 | O.教育,学習支援業 | 198.2 | -0.55% |
9 | T.産業計 | 198.0 | 0.30% |
10 | D.建設業 | 198.0 | -0.15% |
11 | F.電気・ガス・熱供給・水道業 | 196.7 | 0.72% |
12 | R.サービス業(その他) | 195.7 | 2.95% |
13 | J.金融業,保険業 | 193.3 | 2.49% |
14 | P.医療,福祉 | 192.7 | 0.00% |
15 | M.宿泊業,飲食サービス業 | 190.1 | -0.94% |
16 | H.運輸業,郵便業 | 188.6 | -0.37% |
17 | Q.複合サービス事業 | 175.2 | 2.22% |
業種別の初任給の変化ランキング(21年から25年)
変化率(どれだけ増えたか)の順位ではどのようになっているかを見てみた。
サービス業(その他)が一番だが、ここには様々な新種のビジネスが存在するために、初任給が高くないと採用できないという事情があるのか。
金融危機から復帰しつつある金融が2位となっている。
サービス業(その他)の分類に入る人気企業としては
ニトリ、JAL、リクルートライフスタイル、HISとかである。
【変化率ランキング21年度⇒24年度】
順位 | 産業 | 初任給(千円) | 5年変化 |
1 | R.サービス業(その他) | 195.7 | 2.95% |
2 | J.金融業,保険業 | 193.3 | 2.49% |
3 | Q.複合サービス事業 | 175.2 | 2.22% |
4 | C.鉱業,採石業,砂利採取業 | 215.4 | 0.80% |
5 | F.電気・ガス・熱供給・水道業 | 196.7 | 0.72% |
6 | I.卸売業,小売業 | 199.1 | 0.71% |
7 | T.産業計 | 198.0 | 0.30% |
8 | L.学術研究,専門・技術サービス業 | 206.9 | 0.24% |
9 | P.医療,福祉 | 192.7 | 0.00% |
10 | G.情報通信業 | 211.7 | -0.09% |
11 | D.建設業 | 198.0 | -0.15% |
12 | K.不動産業,物品賃貸業 | 206.5 | -0.29% |
13 | H.運輸業,郵便業 | 188.6 | -0.37% |
14 | O.教育,学習支援業 | 198.2 | -0.55% |
15 | M.宿泊業,飲食サービス業 | 190.1 | -0.94% |
16 | E.製造業 | 198.7 | -1.19% |
17 | N.生活関連サービス業,娯楽業 | 200.2 | -7.44% |
人気企業の新卒待遇内容
実際に人気企業の初任給はウェブで掲載されているところも多いので確認しておこう。人気企業はネット系はかなり初任給も高い傾向があり、伝統的な産業ではあまり大きく平均から乖離しない傾向が強いようだ。
ここでは4社をご紹介する。
サイバーエージェント
インターネット・広告会社のサイバーエージェントでは
【 テクノロジー・デザインコース 】
34万円〜/月(*年俸制408万円〜/2012年4月大卒初任給実績)
【 ビジネスコース】
34万円/月(*年俸制408万円/2012年4月大卒初任給実績)
DENA
【通常コース】
初年度 ¥5,000,000 (基本給+賞与)
※修士了以上は¥5,200,000となります
【クリエイターコース】
初年度 ¥4,200,000~ (基本給+賞与)
スキルに合わせ、オファーさせていただきます。
経験・業績・貢献に応じて当社規定により優遇
2年目より毎年2回(5月、11月)見直し
JAL
業務企画職(地上職 事務系)
※空港など一部交代制勤務あり
給与 初任給
203,000円~217,000円(G社員)
175,000円~189,000円(A社員)
164,000円~178,000円(S社員)
※地域手当(配属地により異なる)を含む
諸手当 特別勤務手当、休日振替手当、家族手当など
昇給 年1回
賞与 年2回
かなり会社によっては違うが、DENAとかサイバーエージェントとかはかなりうらやましいですね。