第一三共株式会社(以下、第一三共)とアステラス製薬株式会社(以下、アステラス)は、共に製薬会社です。
第一三共とアステラスの給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
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- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て医薬品業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【第一三共株式会社】
2005年9月発足の東京都中央区に本社を置く、国内大手製薬会社です。三共と第一製薬とが経営統合して発足しました。がん事業を中心とする病院・専門医で主に処方される医薬品領域を中核事業とすることを2025年のビジョンに掲げています。
【アステラス製薬株式会社】
2005年5月発足の東京都中央区に本社を置く、医薬品国内大手2位の製薬会社です。山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して発足しました。研究開発型のグローバル製薬企業として、未だ治療満足度が低い疾患領域において革新的な新薬を開発することを経営理念に掲げています。
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:第一三共は2017年12月末、アステラスは2018年3月末の業績】 (単位:円)
第一三共
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会社
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アステラス
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9,602億 |
売上
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13,003億
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9,551億 |
前年
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13,116億
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0.5% |
対前年度比
|
-0.8%
|
810億 |
税前利益
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2,181億
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602億 |
当期純利益
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1,646億
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623億 |
包括利益
|
1,985億 |
59.7% |
親会社所有者帰属持分比率
|
68.3%
|
規模・業績はアステラス、成長性は第一三共が上回っています。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【第一三共、アステラスともに募集要項から 初任給(単位:円)】
第一三共
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学歴
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アステラス
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294,500円 | 博士了 | 278,000円 |
254,000円 | 修士了 | 244,000円 |
230,000円 | 大学卒 | 220,000円 |
第一三共が上回りました。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
会社名 | 従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) |
第一三共 | 5,357 | 14,446 | 42.5 | 18.5 | 11,039 |
アステラス | 5,123 | 16,617 | 43.2 | 17.8 | 10,794 |
従業員数は、単体は第一三共、連結はアステラスが上回っています。
平均年齢はアステラス、平均勤続年数は第一三共が上回ります。
平均年間給与は、第一三共が24万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | 第一三共 | アステラス | 差額(第一三共ベース) |
25 | 9,263 | 8,948 | 315 |
30 | 10,032 | 9,691 | 341 |
35 | 10,633 | 10,271 | 362 |
40 | 10,940 | 10,568 | 372 |
45 | 11,530 | 11,138 | 392 |
50 | 12,389 | 11,968 | 421 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層で若干第一三共が上回ります。その差は25歳時が31万円で一番小さく、50歳時に最大で42万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で業種が同じため、上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
第一三共 | 4億2,694万円 |
アステラス | 4億1,242万円 |
第一三共が1,452万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
第一三共 | 6 | 351 | 150 | 91 | 0 | 91.2 |
アステラス | 3 | 159 | 124 | 74 | 0 | 119.0 |
アステラスの方が、1人当たりの報酬額(年額)で、27.8百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
年齢 | 第一三共 | アステラス | 差額(第一三共ベース) |
65歳 | 12,513万円 | 12,124万円 | 389万円 |
85歳 | 10,850万円 | 10,736万円 | 114万円 |
65歳時に第一三共が389万円(貯蓄可能額が)上回り、この差が85歳時には114万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が第一三共の方、右がアステラスの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
纏めると以下のような結果です。
- 規模・業績はアステラス、成長性は第一三共が上回っています。
- 初任給は第一三共が上回りました。
- 推定年収は全ての年齢層で若干第一三共が上回ります。その差は25歳時が31万円で一番小さく、50歳時に最大で42万円の差があります。
- 生涯給与(従業員として)は、第一三共が1,452万円上回っています。
- 役員報酬は、アステラスの方が、1人当たりの報酬額(年額)で、27.8百万円多いようです。
- 老後の資産額は、65歳時に第一三共が389万円(貯蓄可能額が)上回り、この差が85歳時には114万円に縮まります。
拮抗していますが、僅差で第一三共が上回るため、今回は第一三共に軍配があがりました。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
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