ロート製薬株式会社(以下、ロート製薬)と小林製薬株式会社(以下、小林製薬)は、共に製薬会社です。
ロート製薬と小林製薬の給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
-
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て医薬品業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【ロート製薬株式会社】
1899年2月創業の大阪府大阪市に本社を置く、製薬会社です。一般用医薬品(OTC)、化粧品、サプリメントなどを提供しています。アイケアでは、OTC目薬市場でシェア30%以上あります。メンソレータムはお馴染みです。
【小林製薬株式会社】
1886年創業の大阪府大阪市に本社を置く、製薬会社です。医薬品、芳香剤、栄養補助食品(サプリメント)、日用雑貨品などの分野で、さまざまな製品を提供しています。サワデーはお馴染みです。
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:ロート製薬は2018年3月末、小林製薬は2017年12月末の業績】 (単位:円)
ロート製薬
|
会社
|
小林製薬
|
1,717億 |
経常収益
|
1,567億
|
1,546億 |
前年
|
1,200億
|
11.1% |
対前年度比
|
30.6%
|
188億 |
経常利益
|
242億
|
93億 |
当期純利益
|
158億
|
122億 |
包括利益
|
195億 |
63.3% |
自己資本比率
|
70.3%
|
業績,成長性ともに小林製薬が上回っています。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【小林製薬、ロート製薬ともに募集要項から 初任給(単位:円)】
ロート製薬
|
学歴
|
小林製薬
|
266,000円 | 博士 | 249,330円 |
220,000円 | 大学卒 | 216,150円 |
ロート製薬が上回りました。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
会社名 | 従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) |
ロート製薬 | 1,400 | 6,448 | 40.3 | 12.6 | 7,473 |
小林製薬 | 1,267 | 3,033 | 40.3 | 13.1 | 6,540 |
従業員数は、単体、連結共にロート製薬が上回っています。
平均年齢は、ロート製薬、小林製薬ともに同じです。
平均年間給与は、ロート製薬が93万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | ロート製薬 | 小林製薬 | 差額(ロート製薬ベース) |
25 | 6,327 | 4,596 | 1,731 |
30 | 6,852 | 5,452 | 1,400 |
35 | 7,263 | 6,005 | 1,258 |
40 | 7,473 | 6,506 | 967 |
45 | 7,876 | 7,023 | 853 |
50 | 8,462 | 7,487 | 976 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層でロート製薬が上回ります。その差は45歳時が85万円で一番小さく、25歳時に最大で173万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で業種が同じため、上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
ロート製薬 | 2億9,162万円 |
小林製薬 | 2億4,243万円 |
ロート製薬が4,919万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
ロート製薬 | 9 | 366 | 30 | 0 | 0 | 44.0 |
小林製薬 | 6 | 680 | 0 | 0 | 0 | 113.3 |
小林製薬の方が、1人当たりの報酬額(年額)で、69.3百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
年齢 | ロート製薬 | 小林製薬 | 差額(ロート製薬ベース) |
65歳 | 6,860万円 | 6,048万円 | 812万円 |
85歳 | 6,057万円 | 5,694万円 | 363万円 |
65歳時にロート製薬が812万円(貯蓄可能額が)上回り、この差が85歳時には363万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がロート製薬の方、右が小林製薬の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です。
- 業績,成長性ともに小林製薬が上回っています。。
- 初任給は、ロート製薬が上回ります。
- 推定年収は全ての年齢層でロート製薬が上回ります。その差は45歳時が85万円で一番小さく、25歳時に最大で173万円の差があります。
- 生涯給与(従業員として)は、ロート製薬が4,919万円上回っています。
- 役員報酬は、ロート製薬が1人当たりの報酬額(年額)で、69.3百万円多いようです。
- 老後の資産額は、65歳時にロート製薬が812万円(貯蓄可能額が)上回り、この差が85歳時には363万円に縮まります。
ほぼ全ての項目でロート製薬が上回るため、今回はロート製薬に軍配があがりました。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへどうぞ。