オリックス株式会社(以下オリックス)と楽天株式会社(以下楽天)、は共に傘下にプロ野球の球団を持つ会社です。
オリックス と楽天の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て球団保有企業の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【オリックス株式会社】
オリックス株式会社は東京の浜松町、世界貿易センタービルと大阪の西本町のオリックス本町ビルに本拠を置く、1964年設立の日本の総合リース企業です。
日綿実業と三和銀行が、日商、岩井産業の2商社と東洋信託銀行、日本勧業銀行、神戸銀行、日本興業銀行の4銀行の傘下を得て、3商社、5銀行によるオリエント・リースを設立したのが始まりです。
1988年に阪急ブレーブスを買収しプロ野球界に参入し、1989年に社名をオリックス株式会社に変更しています。
事業は法人向け金融サービス、環境エネルギーサービス、不動産関連サービス、海外向け金融サービスを行っています。
また関連会社では個人向け金融サービスや自動車関連サービスも行っています。
世界36カ国・地域にネットワークを持ち、拠点数は2000を超えます。
【楽天株式会社】
楽天株式会社は東京都世田谷区の二子玉川に本拠を置く、1997年設立の日本の総合サービス企業です。
かつてはインターネットモールである楽天市場が主体でしたが、今は様々なインターネット上のサービスや、金融事業を手がけています。サービスには以下のようなものがあります。
- EC事業
- トラベル事業
- コンテンツ配信事業
- 金融事業(クレジット、銀行、証券、保険など)
- 通信事業(ブロードバンドやMVNO)
- スポーツ事業
- エネルギー事業
世界29の国と地域でサービスを展開していてグループ利用者数は世界で10億人を超えます。
東北楽天ゴールデンイーグルス(2004年から)やヴィッセル神戸(2004年)を運営しています。
2017−2018シーズンからスペインのFCバルセロナの胸スポンサーになりました。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:オリックス平成28年3月、楽天平成28年12月の業績】 (単位円)
オリックス
|
会社
|
楽天
|
2兆3,692億 |
売上高
|
7,819億
|
2兆1,743億 |
前年
|
7,136億
|
8.9% |
対前年度比
|
9.6%
|
3,913億 |
税引前当期利益
|
739億
|
2,602億 |
当期純利益
|
380億
|
2,236億 |
包括利益
|
220億
|
21.0% |
自己資本比率
|
14.8%
|
売上高はオリックスが楽天を上回り、その差は1兆6,000億円ほどです。
税引前当期利益でもオリックスが楽天を上回り、その差は3,200億円ほどです。
成長率はオリックスが8.9%のに対し楽天は9.6%と楽天が上回ります。
売上、利益、ではオリックス、成長率では楽天という結果になりました。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。
【両社ともに2018年度の募集要項から 初任給(単位:円)】
オリックス
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学歴
|
楽天
|
260,000
|
修士卒
|
227,849 |
230,000
|
学部卒
|
227,849 |
オリックスは総合職のグローバル総合コースの場合です。
楽天は学歴による記載はありません。また月40時間分の残業代込の金額が提示されています。
楽天は残業代を加えると300,000円です。
残業代抜きで比較すると修士卒、学部卒共にオリックスが楽天を上回っています。
修士卒で32,151円、学部卒で2,151円の差があります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成28年3月決算の比較】
従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
オリックス | 3,008 | 33,333 | 41.8 | 12.6 | 7,871 |
楽天 | 5,549 | 14,134 | 33.7 | 4.6 | 6,893 |
従業員数は単体では楽天、連結ではオリックスが上回ります。その差は単体で2,500人ほど、連結で19,199人です。
平均年齢はオリックスが8.1歳高く、勤続年数でもオリックスが8年長いです。
平均年間給与はオリックスが97.8万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | オリックス | 楽天 | 差額(オリックスベース) |
25 | 4,372 | 5,076 | -704 |
30 | 5,643 | 6,282 | -639 |
35 | 6,717 | 7,093 | -375 |
40 | 7,569 | 7,482 | 88 |
45 | 8,445 | 7,548 | 897 |
50 | 8,587 | 7,615 | 972 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
25歳から35歳までは楽天が、40歳から先はオリックスが逆転して上回ります。
40歳時が一番差が小さく8.8万円、50歳時が一番差が大きく97.2万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で違う業種のためカーブの上昇率は違う数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
オリックス | 2億6,922万円 |
楽天 | 2億6,394万円 |
オリックスが楽天を529万円上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
オリックス
|
9 | 106 | 0 | 19 | 0 | 13.9 |
楽天
|
11 | 302 | 0 | 127 | 0 | 39.0 |
楽天がオリックスよりも1人当たりの報酬額(年額)では2,510万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
オリックス、楽天の現在31歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
オリックス | 楽天 | 差額(オリックスベース) | |
65歳 | 6,017万円 | 4,024万円 | 1,993万円 |
85歳 | 5,866万円 | 2,272万円 | 3,594万円 |
65歳時にオリックスが1,993万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時は3,594万円に広がります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がオリックスの方、右が楽天の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です
- 初任給はオリックスが修士卒で32,151円、学部卒で2,151円多いです。
- 平均年間給与はオリックスが97.8万円多いです。
- 年齢層別給与では25歳から35歳までは楽天が多く、40歳から先はオリックスが逆転して上回ります。
40歳時が一番差が小さく8.8万円、50歳時が一番差が大きく97.2万円の差があります。 - 生涯年収(従業員として)はオリックスが529万円多いです。
- 役員報酬は楽天が1人当たりの報酬額(年額)で2,510万円多いです。
- 老後の資産額では85歳時にオリックスが3,594万円多いです。
初任給、平均年間給与、年齢層別給与、生涯年収、老後の資産でオリックスが楽天を上回りました。
そのため今回はオリックスの勝ちとします。
シミュライズでは今後も様々な企業に務める人の人生比較を行っていきます。
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