株式会社ピーシーデポコーポレーション(以下PCデポ)、株式会社MCJ(以下MCJ)はともにPC小売販売店です。この2社は待遇面でどう違うのか比較してみました。
PCデポとMCJ両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てPC小売業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社ピーシーデポコーポレーション】
1994年設立のPC関連の小売業者です。神奈川及び東京を中心にショップを展開しています。
ネット通販などとの競合を避けるため女性や高齢者をターゲットにした店作りや保守サービスを用意しています。
また独自ブランドの「O'zzio」のパソコンをよび関連商品を販売しています。
またインターネット・プロバイダ事業も行っています。
あるTwitterユーザーの告発から本人に不要なサービスの契約をしたことや、そのサービスを解約する時の高額な解約料が問題になりました。
また元消費者庁長官がアドバイザーになったことも問題視されています。
【株式会社MCJ】
2000年設立のパソコン及び関連商品の製造、販売などを行っている企業です。
社名の「MCJ」は「マウスコンピュータージャパン」の略称です。
関連会社に以下のものがあります。
- マウスコンピューター
- ユニットコム
- テックウィンド
- iiyama Benelux B.V.
- 株式会社aprecio
パソコンの製造、販売、パーツ販売、液晶ディスプレイ製造販売などPC関連の事業をしている会社が多いです。
マウスコンピューターは乃木坂46のメンバーによるマウスダンスのCMでご存知の方も多いと思われます。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成28年3月の業績】 (単位円)
PCデポ
|
会社
|
MCJ
|
518億 |
売上高
|
1,033億
|
513億 |
前年
|
1,029億
|
1.0% |
対前年度比
|
0.4%
|
44億 |
経常利益
|
50億
|
29億 |
当期純利益
|
31億
|
29億 |
包括利益
|
20億
|
61.3% |
自己資本比率
|
48.3%
|
売上高はMCJがPCデポの2倍近くありその差は515億円ほどあります。
経常利益もMCJがPCデポを上回り、その差は6億円ほどです。
成長率はPCデポがMCJを上回っています。
売上、利益でMCJが成長率ではPCデポが上回っています。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【2018年4月入社社員 初任給(単位:円)】
PCデポ
|
学歴
|
マウスコンピューター
|
237,000
|
大卒
|
210,000 |
231,000
|
高専卒・専門・短大卒
|
記載なし |
MCJはグループ企業であるマウスコンピューターの場合です。
マウスコンピューターは大卒の金額しか明示していません。
比較できる大卒ではPCデポがMCJを上回っていて差額は27,000円です。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成28年度3月決算の比較】
従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
PCデポ | 637(788) | 32 | 6.5 | 4,429 |
MCJ | 37(1,095) | 35.6 | 4.4 | 5,570 |
従業員数は単体ではPCデポがMCJを大きく上回ります。しかし連結では逆転します。その差は単体で600人、連結で307人ほどです。
平均年齢はMCJが3.6歳高く、勤続年数はPCデポが2.1年長いです。
平均年間給与はMCJが114万円ほど多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | PCデポ | MCJ | 差額(MCJベース) |
25 | 3,224 | 4,197 | 973 |
30 | 4,186 | 4,913 | 727 |
35 | 4,740 | 5,503 | 763 |
40 | 5,053 | 6,102 | 1,049 |
45 | 5,182 | 6,651 | 1,469 |
50 | 5,290 | 6,887 | 1,597 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層でMCJがPCデポを上回ります。
30歳時が一番差が小さく72.7万円,50歳時が一番差が大きく159.7万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で違う業種のためカーブの上昇率等違う数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
PCデポ | 1億7,885万円 |
MCJ | 2億2,300万円 |
MCJがPCデポを4,400万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
PCデポ
|
9 | 109 | 0 | 0 | 0 | 12.1 |
MCJ
|
4 | 62 | 50 | 0 | 0 | 28.0 |
MCJがPCデポよりも1人当たりの報酬額(年額)では1,600万円ほど多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
PCデポ、MCJの現在31歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
PCデポ | MCJ | 差額(MCJベース) | |
65歳 | 2,997万円 | 3,978万円 | 981万円 |
85歳 | 2,885万円 | 3,348万円 | 463万円 |
65歳時にMCJが981万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では463万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がPCデポの方、右がMCJの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
初任給はPCデポがMCJを上回っています。
平均年間給与はMCJが114万円ほど多いです。
年齢層別平均給与は全ての年齢層でMCJがPCデポを上回ります。
30歳時が一番差が小さく72.7万円,50歳時が一番差が大きく159.7万円の差があります。
MCJの生涯年収(従業員として)はPCデポのそれに比べ4,400万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇でも、年平均で1,600万円ほどMCJが上回りました。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時にMCJが463万円上回りました。
初任給ではPCデポが上回りましたが平均年収、各年齢層、老後の資産ではMCJがPCデポを上回りました。
そのため今回はMCJの勝ちとします。
業績を反映した形となりました。
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