株式会社柿安本店(以下、柿安)と株式会社木曽路(以下、木曽路)は、共にしゃぶしゃぶを提供する日本料理店を運営しています。
柿安と木曽路の給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
-
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て外食業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【株式会社柿安本店】
1871年(明治4年)11月 牛鍋店柿安として創業。三重県桑名市に本社を置く食品メーカーで、 「牛肉しぐれ煮」が有名です。精肉・惣菜・レストラン・食品・和菓子の5事業を主要事業とし、炭火焼ステーキ すき焼 しゃぶしゃぶ「柿安」、三尺三寸箸、上海柿安、炭火焼ハンバーグカキヤス等を運営しています。
【株式会社木曽路】
1950年(昭和25年)7月 まつば喫茶により創業。愛知県名古屋市に本社を置き、飲食店を運営しています。木曽路、素材屋、鈴のれん、とりかく、じゃんじゃん亭等を運営し、平成30年3月末現在162店舗を有して居ります。
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:柿安は平成30年2月、木曽路は平成30年3月末の業績】 (単位:円)
柿安
|
会社
|
木曽路
|
440億 |
売上高
|
444億
|
435億 |
前年
|
443億
|
1.1% |
対前年度比
|
0.2%
|
27億 |
経常利益
|
23億
|
17億 |
当期純利益
|
13億
|
17億 |
包括利益
|
- 億 |
74.2% |
自己資本比率
|
75.2%
|
ほぼ同規模、財務体質ながら、若干柿安が上回っています。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【柿安、木曽路ともに募集要項から 初任給(単位:円)】
柿安
|
学歴
|
木曽路
|
211,000円 | 大学・院卒 | 209,000円 |
柿安が上回りました。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
会社名 | 従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) |
柿安 | 1,051 | 1,053 | 39.8 | 8.0 | 5,013 |
木曽路 | 1,233 | 1,233 | 41.4 | 9.9 | 5,128 |
従業員数は、単体、連結共に木曽路が上回っています。
平均年齢は、木曽路が1.6歳高く、平均勤続年数も、木曽路が1.9年長いです。
平均年間給与は、木曽路が12万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | 柿安 | 木曽路 | 差額(柿安ベース) |
25 | 3,553 | 3,306 | 248 |
30 | 4,215 | 4,325 | -110 |
35 | 4,643 | 4,796 | -153 |
40 | 5,030 | 5,077 | -47 |
45 | 5,430 | 5,210 | 219 |
50 | 5,788 | 5,335 | 453 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
年齢層で変わりますが、30~40歳時は木曽路が上回り、
45歳以降は柿安が上回ります。50歳時には45万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で業種が異なるため、上昇率は異なる数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
柿安 | 1億8,744万円 |
木曽路 | 1億8,147万円 |
柿安が597万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
柿安 | 4 | 136 | 39 | 0 | 0 | 43.8 |
木曽路 | 6 | 122 | 0 | 0 | 0 | 20.3 |
柿安の方が、1人当たりの報酬額(年額)で、23.4百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
年齢 | 柿安 | 木曽路 | 差額(柿安ベース) |
65歳 | 5,652万円 | 4,900万円 | 752万円 |
85歳 | 5,939万円 | 5,050万円 | 889万円 |
65歳時に柿安が752万円(貯蓄可能額が)上回り、この差が85歳時には889万円に拡がります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が柿安の方、右が木曽路の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です。
- ほぼ同規模、財務体質ながら、会社業績は若干柿安が上回りました。
- 初任給も、柿安が上回ります。
- 推定年収は、30~40歳時は木曽路が上回り、45歳以降は柿安が上回ります。50歳時には45万円の差があります。
- 生涯給与(従業員として)は、柿安が597万円上回っています。
- 役員報酬も、柿安が1人当たりの報酬額(年額)で、23.4百万円多いようです。
- 老後の資産額は、65歳時に柿安が752万円(貯蓄可能額が)上回り、この差が85歳時には889万円に拡がります。
ほぼ全項目で柿安が上回る為、今回は柿安に軍配があがりました。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへどうぞ。