参天製薬株式会社（以下参天製薬）とロート製薬株式会社（以下ロート製薬）、は共に大阪に本拠を構え、創業100年を超える製薬会社です。

参天製薬とロート製薬の給与比較をするうえで以下の4つポイントに絞って行いたいと思います。

1. 初任給
2. 年齢ごとの給与水準
3. 生涯給与
4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て製薬業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

それぞれの特徴

【参天製薬株式会社】
参天製薬株式会社は1890年創業、1925年設立の大阪に本社を置く日本の製薬会社です。
眼科薬に特化した製薬会社で、医療用目薬で国内トップ、大衆薬の目薬では2位です。
売上の8割は医療用で、年間3億本以上の目薬を生産していて、世界50カ国以上で販売しています。
1899年に発売した「大学目薬」が
現役で100年以上販売され続けています。
大衆薬としては「サンテFX」などのサンテシリーズを展開しています。
医療用としては「クラビット」や「フルメトロン」などがあります。

【ロート製薬株式会社】
ロート製薬株式会社は1899年創業、1949年設立の大阪に本社を置く日本の製薬会社です。
胃腸薬や目薬、スキンケア商品が主軸で、医療用医薬品には参入していません。またメンソレータムを傘下に置いています。
大衆薬の目薬は国内シェア30％以上で1位です。また世界110カ国以上にネットワークを展開しています。
胃薬パンシロンシリーズ、目薬「ロートシリーズ」、スキンケアの極潤シリーズ、皮膚薬のメンソレータムシリーズを展開しています。
また医薬品だけではなく、百貨店専門店ににスキンケアブランド「エピステーム」を展開しています。

業績は？

業績も比べておきましょう。

【連結決算：平成28年3月の業績】　（単位円）

売上高は参天製薬がロート製薬を上回り、その差は300億円弱です。
経常利益でも参天製薬がロート製薬を上回り、その差は売上ほどはなく600億円以上と差が広がります。
成長率は参天製薬の20.7%に対し、ロート製薬は10.0%とこちらも参天製薬が上回っています。

売上、利益、成長率で参天製薬が上回りました。

初任給

これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。

【2016年実績　初任給(単位：円)】

修士了、大学卒共にロート製薬が上回ります。差額は大学卒で3,800円、修士了で2,000円です。

年齢ごとの給与

有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

【平成28年3月決算の比較】

従業員数は単体では参天製薬、連結ではロート製薬が多いです。
平均年齢は参天製薬が2.8歳高く、平均勤続年数も4.8年ほど参天製薬が長いです。
平均年間給与も参天製薬が157.1万円程多いです。

【年代別推定年収：単位千円】

（両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。）
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

全ての年齢層で参天製薬がロート製薬を上回ります。

25歳時が一番差が小さく78万円、50歳時が一番差が大きく128万円です。

これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。

生涯給与

この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

企業シムラ―検索

参天製薬がロート製薬を4,000万円以上上回っています。

役員報酬

取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

参天製薬がロート製薬よりも1人当たりの報酬額（年額）では5,150万円ほど多いです。

生涯で形成する資産

生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

参天製薬、ロート製薬の現在30歳の方を例に計算を行います。

結果はシミュライザー（人生計画システム）で計算すると以下のようになりました。

65歳時に参天製薬が1,258万円（貯蓄可能額が）上回ります。

これが85歳時は751万円に縮まります。

しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。

（当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。）

参天製薬五郎（31歳）

ロート製薬 五郎（31歳）

しかし使いすぎや、病気、運用の失敗（シミュレーションでは預金しかつかっていません。）で大きく異なることになります。

左が参天製薬
の方、右がロート製薬の方です。31歳には五郎と名前がついています。（全企業共通ルール）

システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒　企業シムラ―検索

結論

初任給は修士了、大学卒共にロート製薬が上回ります。差額は大学卒で3,800円、修士了で2,000円です。

平均年間給与は参天製薬が157.1万円程多いです。
全ての年齢層で参天製薬がロート製薬を上回ります。
25歳時が一番差が小さく78万円、50歳時が一番差が大きく128万円です。

参天製薬の生涯年収（従業員として）はロート製薬のそれに比べ4,000万円ほど上回っています。
参天製薬がロート製薬よりも1人当たりの報酬額（年額）では5,150万円ほど多いです。

最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時に参天製薬がロート製薬を662万円上回りました。

初任給ではロート製薬が上回りましたが、平均年間給与、年齢層別平均給与、生涯年収、老後の資産で参天製薬がロート製薬を上回りました。

そのため今回は参天製薬の勝ちとします。

最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへどうぞ。