ミズノ株式会社(以下MIZUNO)とゼット株式会社(以下ZETT)は、共に日本の野球用品メーカーとして有名です。
MIZUNOとZETTの給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てスポーツ用品業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【ミズノ株式会社】
1906年(明治39年)「水野兄弟商店」として洋品雑貨及び運動服の製造販売業で創業。現在は大阪府大阪市に本社を置く、日本の総合スポーツ用品メーカーです。あらゆる種目のスポーツ用品・ウェアを手掛けており、中でも野球に関してはプロ・アドバイザリースタッフが多数存在。国内におけるグラブ、スパイク、バット、バッティンググラブなど多くの野球用品において圧倒的なシェアを保つ他、陸上、水泳競技にも力を注いでいます。
【ゼット株式会社】
1920年(大正9年)「渡辺梁三商店」として袋物、鞄の製造卸業で創業。現在は大阪府大阪市に本社を置く、スポーツ用品卸売業を営む会社です。野球用品&ソフトボール用品に定評がある他、バスケ用品「コンバース」や、登山・アウトドア用品も取り扱っています。
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:平成29年3月の業績】 (単位:円)
MIZUNO
|
会社
|
ZETT
|
1,887億 |
売上高
|
403億
|
1,961億 |
前年
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386億
|
-3.8% |
対前年度比
|
4.4%
|
15億 |
経常利益
|
4億
|
7億 |
当期純利益
|
3億
|
7億 |
包括利益
|
2億 |
56.6% |
自己資本比率
|
39.5%
|
売上高はMIZUNOが上回り、その差は1,484億円程です。
経常利益もMIZUNOが上回り、その差は11億円です。
成長率はMIZUNOの-3.8%に対しZETTは4.4%と、ZETTが上回りました。
会社規模ではMIZUNOが優勢、成長率ではZETTが優勢という結果になりました。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【MIZUNO、ZETTともに募集要項から 初任給(単位:円)】
MIZUNO
|
学歴
|
ZETT
|
230,000
|
大学院卒
|
- |
214,000 | 大学卒 | 220,990 |
差額は
- ZETTが、大学卒で6,990円上回っています。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成29年3月決算の比較】
従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
MIZUNO | 1,887 | 5,273 | 42.4 | 18.3 | 6,112 |
ZETT | 352 | 507 | 47.0 | 22.6 | 5,487 |
従業員数は、MIZUNOが単体で1,535人、連結で4,766人上回っています。
平均年齢は、ZETTが4.6歳高く、平均勤続年数も、ZETTが4.3年長いです。
平均年間給与は、MIZUNOが63万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | MIZUNO | ZETT | 差額(MIZUNOベース) |
25 | 4,147 | 3,454 | 693 |
30 | 4,919 | 4,519 | 400 |
35 | 5,418 | 5,011 | 407 |
40 | 5,870 | 5,305 | 565 |
45 | 6,336 | 5,444 | 892 |
50 | 6,755 | 5,575 | 1,180 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全ての年齢層でMIZUNOがZETTを上回ります。
その差は、30歳時が一番小さく40万円、50歳時が一番大きく118万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社は業種が違うため、上昇率は異なる数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
MIZUNO | 2億1,875万円 |
ZETT | 1億8,961万円 |
MIZUNOがZETTを2,914万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
MIZUNO
|
10 | 64 | 0 | 0 | 0 | 6.4 |
ZETT | 8 | 92 | 0 | 0 | 0 | 11.5 |
ZETTの方が、MIZUNOよりも1人当たりの報酬額(年額)では、5.1百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
MIZUNO | ZETT | 差額(MIZUNOベース) | |
65歳 | 6,170万円 | 5,050万円 | 1,120万円 |
85歳 | 6,061万円 | 5,086万円 | 975万円 |
65歳時にMIZUNOが1,120万円(貯蓄可能額が)上回りますが、この差が85歳時には975万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がMIZUNOの方、右がZETTの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
纏めると以下のような結果です。
- 初任給、成長性ではZETTが上回りますが、会社規模ではMIZUNOが上回ります。
- 平均年間給与はMIZUNOが63万円上回り、推定年収は全ての年齢層でMIZUNOが上回ります。その差は、30歳時が一番小さく40万円、50歳時が一番大きく118万円の差があります。
- 生涯給与(従業員として)は、MIZUNOが2,914万円上回っています。
- 役員報酬は、ZETTが1人当たりの報酬額(年額)で、5.1百万円多いようです。
- 老後の資産額は、65歳時にMIZUNOが1,120万円多く、この差が85歳時には975万円に縮小します。
初任給、成長性、役員報酬ではZETTが上回りましたが、会社規模、平均年間給与、生涯給与、老後の資産額でMIZUNOが上回るため、今回はMIZUNOに軍配があがりました。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
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