阪急阪神ホールディングス株式会社(以下、阪急阪神HD)と近鉄グループホールディングス株式会社(以下、近鉄GHD)は、共に関西私鉄大手です。
阪急阪神HDと近鉄GHDの給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て私鉄業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【阪急阪神ホールディングス株式会社】
2006年(平成18年)に誕生。大阪府大阪市に本社を置き、阪急電鉄・阪神電鉄・阪急阪神不動産・阪急交通社・阪急阪神エクスプレス・阪急阪神ホテルズ・H2Oリテイリングを傘下に置く、大手関西私鉄グループです。甲子園球場は、阪神電鉄が所有しています。
【近鉄グループホールディングス株式会社】
2015年(平成27年)に誕生。大阪府大阪市に本社を置き、奈良と大阪を地盤とする営業キロ数で国内最大の私鉄である近鉄、近畿日本ツーリスト、近鉄百貨店を傘下に置く私鉄グループです。
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:平成29年3月の業績】 (単位:円)
阪急阪神HD
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会社
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近鉄GHD
|
7,368億 |
売上高
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12,049億
|
7,468億 |
前年
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12,180億
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-1.3% |
対前年度比
|
-1.1%
|
1,006億 |
経常利益
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567億
|
713億 |
当期純利益
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262億
|
793億 |
包括利益
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211億 |
33.5% |
自己資本比率
|
17.7%
|
売上規模で近鉄GHDが上回るものの、収益面では阪急阪神HDが上回りました。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【阪急阪神HD、近鉄GHDともに募集要項から 初任給(単位:円)】
阪急阪神HD
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学歴
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近鉄GHD
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320,000 | 大学院卒 | 231,000 |
295,000 | 大学卒 | 207,000 |
大学卒で、阪急阪神HDが88,000円上回っています。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成29年3月決算の比較】
会社名 | 従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) |
阪急阪神HD | 62 | 21,860 | 42.2 | 19.1 | 9,314 |
近鉄GHD | 128 | 30,719 | 46.3 | 0.8 | 8,007 |
従業員数は、近鉄GHDが単体で66人、連結で8,859人上回っています。
平均年齢も、近鉄GHDが4.1歳高く、平均勤続年数は、阪急阪神HDが18.3年長いです。
平均年間給与は、阪急阪神HDが131万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | 阪急阪神HD | 近鉄GHD | 差額(阪急阪神HDベース) |
25 | 7,265 | 6,158 | 1,107 |
30 | 8,308 | 7,042 | 1,266 |
35 | 8,918 | 7,560 | 1,359 |
40 | 9,241 | 7,833 | 1,408 |
45 | 9,404 | 7,971 | 1,433 |
50 | 9,626 | 8,160 | 1,467 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層で阪急阪神HDが上回ります。
その差は、25歳時が一番小さく111万円、50歳時が一番大きく147万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社は業種が同一のため、上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
阪急阪神HD | 3億3,944万円 |
近鉄GHD | 2億8,772万円 |
阪急阪神HDが5,172万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
阪急阪神HD
|
12 | 108 | 0 | 0 | 0 | 9.0 |
近鉄GHD | 17 | 392 | 0 | 0 | 0 | 23.1 |
近鉄GHDの方が、1人当たりの報酬額(年額)で、14百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
阪急阪神HD | 近鉄GHD | 差額(阪急阪神HDベース) | |
65歳 | 8,335万円 | 6,818万円 | 1,517万円 |
85歳 | 6,748万円 | 6,021万円 | 727万円 |
65歳時に阪急阪神HDが1,517万円(貯蓄可能額が)上回りますが、この差は85歳時には727万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が阪急阪神HDの方、右が近鉄GHDの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です。
- 売上は近鉄GHDが優位ですが、業績では阪急阪神HDが優位です。
- 初任給は、阪急阪神HDが大卒で88千円多く、平均年間給与も阪急阪神HDが131万円多く、推定年収も全ての年齢層で阪急阪神HDが多く、その差は、25歳時が一番小さく111万円、50歳時が一番大きく147万円です。
- 生涯給与(従業員として)も、阪急阪神HDが5,172万円上回っています。
- 役員報酬は、近鉄GHDが1人当たりの報酬額(年額)で、14百万円多いようです。
- 老後の資産額も、阪急阪神HDが65歳時に1,517万円多いですが、この差は85歳時には727万円に縮小します。
売上、役員報酬を除く全ての項目で阪急阪神HDが優位となったため、今回は阪急阪神HDに軍配があがりました。
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