高級外車の購入にはどの程度の年収が必要?購入のタイミングと生活資金の確保

2022/09/05

街中を颯爽と走り抜ける高級外車、車好きの方なら重厚感やブランドに惹かれて購入を検討されたことがあるかもしれません。

車を購入する際には、ご自身の資金繰りの中でどの程度の価格帯なら購入可能か比較検討されると思います。しかし、現状に照らし合わせて生活資金の余裕を維持できる車を購入するだけでなく、特定の車を購入することを見据えて計画的に準備していくこともできます。

本記事では、「この車が絶対欲しい!」という方のために高級外車の購入を想定し、理想的な年収や購入のタイミングについて解説していきます。なお、参考にする車の価格や諸費用、理想的な年収はあくまで目安であり、絶対的な数字でないことにご留意ください。

高級外車の購入を検討するAさんのプロフィール

会社員のAさんは年収約600万円の30歳独身男性で子供はおらず、現在は資金的に余裕があります。趣味は海外旅行で、毎年どこかの国へ旅行しています。昔から高級外車を運転することに憧れがあり、先日友人とドライブでレンタルした外車の乗り心地が抜群で、外車の購入を真剣に考えています。

希望の自動車メーカーはメルセデス・ベンツで、クラスはCクラスとGクラスで迷っています。将来的には両方購入することも検討しています。

Aさんが抱いている懸念事項は主に以下の3点です。

・現在の年収でメルセデス・ベンツを購入しても問題ないか
・2台購入する場合、それぞれどのタイミングで購入すれば良いか
・新車と中古車のどちらがリーズナブルか

現在のAさんの予算や生活水準から購入前後のシミュレーションを行い、不安材料を一つずつ確認していきましょう。

Aさんがメルセデス・ベンツを2台購入するシミュレーション

昔からメルセデス・ベンツが大好きで、希望車種を絞りきれないAさんはC220 d Avantgarde(価格:682万円)とG350d(価格:1,251万円)の両方を購入するとします。1台目は2022年の4月、2台目は10年後の2032年の4月に購入すると仮定しました。頭金に10万円以下の端数を支払い、残額は返済期間10年、金利2%の元利均等ローンを組みます。

毎月の車にかかる維持費として、駐車場代に2万円、ガソリン代に1万円、2年に1回の車検料に10万円、年間の保険料に48万円かかるとします。

車に関する情報以外のAさんの基礎情報は以下の通りです。

【現在の支出項目】(単位:円)

(食費)5万

(雑貨費)日用品:2万

     衣服:1万

(光熱費)水道:3.5千

     電気:4千

     ガス:3.5千

(通信費)携帯電話:4.3千

(家具・家電費):5千

(趣味娯楽):1万

(交際費):1万

(医療費):3千

(交通費):5千

(その他雑費):5千

(住居)家賃:9万

            (2年更新/1ヶ月分)

   火災/地震保険:3万

(特別支出)海外旅行:40万

【現在の資産残高】(単位:円)

(預貯金)普通預金:200万

(運用口座)NISA:80万(利回り2%)

(年金)DC:月5万/30年間(60歳支給)

上記の生活水準の場合、月に貯蓄できる金額は約2万円程度です。
現在の状況でシミュレーションを行うと以下の通りになりました。

milize pro(ライフプランシミュレーション)

図からも明らかな通り、ベンツを購入する30代〜40代前後の資金繰りに問題点がありそうです。詳しく見ていきましょう。

年収は最低でも700万円必要

年収600万円でメルセデス・ベンツを2台購入する場合、30代から40代にかけて貯蓄額が低くなります。

生活資金を確保するためには、(1)収入をあげる方法と、(2)支出を減らす方法があります。
毎年の貯蓄を最低360万円(毎月の支出約30万円×12ヶ月)に保つためには、最低でも年収は700万円必要になってきます。年収を700万円とした時のシミュレーションは以下の通りです。

支出を減らす方法に関しては、現在でも一般的な水準であるので、無理に支出を減らすよりも収入を増やすアプローチの方がこの場合は最適かもしれません。

ローン完済から2台目の購入まで5年以上待つ

1台目の車を購入してから2台目の車を購入するまで10年ありますが、ローンを完済してからすぐの購入は避けた方が良いかもしれません。

ローンの毎月の返済額は返済期間が10年の場合、Cクラスが約5.5万円、Gクラスが約12万円となります。毎月5万円の支払いを終えて直ぐに毎月10万円の支出が続くと、家計はかなり厳しくなることが予想されるでしょう。

1台目の購入から2台目の購入までを5年間待った場合のシミュレーションは以下の通りです。

若いうちに、グレードアップした2台目を運転したい気持ちも理解できますが、購入のタイミングを調整するだけで40代の生活資金に余裕が出てきます。また、2台目の購入を見据えて毎月の貯金額を投資に回すという手段も考えられます。

車種によって新車と中古車の価値は変動する

車を購入する際には、中古車の購入も検討するかと思います。
一般的な考えでは中古車の方が価格がリーズナブルですから、新車の価値よりも購入金額を抑えたい方にとっては魅力的な選択肢です。しかし、注意しなければならないのは車種によって中古車の値段が新車よりも高くなってしまう場合があることです。品薄となっている車の価値は自ずと上がります。

今回のケースでは、Gクラスの中古車は新車よりも高くなっています(2022年3月現在)。ですので、Cクラスの車を中古車に変えた時のシミュレーションを見てみましょう。

milize pro(ライフプランシミュレーション)

30代の出費が抑えられることで、40代も良い水準で貯蓄が保たれています。

Cクラスの中古車であれば250万円前後で購入できますので、車種によっては購入価格を大幅に抑えることが可能です。

車の購入には計画に基づいた準備を

本記事では年収600万円の人が高級外車を2台買う場合の問題点をピックアップし、生活資金を確保しながら夢を実現するための方法をご紹介しました。

高級外車だけでなく、一般の自動車を購入する場合でも同様のことが言えますが、大きな買い物をするときは事前の計画と準備が欠かせません。この車を買うと現在、未来の生活はどうなるのか、どの程度の出費までなら許容できるのか、その計画を行う一つの手段がシミュレーションです。

購入のタイミングや中古車の利用、そして年収をアップさせることを提案しましたが、もちろん、車種の変更やローンの調整でも結果は変わってきます。まずはご自身が買いたいと思う車に出会ったら、初めから諦めるのではなく現状を把握し、購入できるシナリオを描いてみましょう。

 

 

<執筆者>

三上  諒子(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
大阪市立大学商学部学士課程修了。
学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。
主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。
地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。

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