【一時払終身保険】
一時払終身保険について今日は見てみる。
1回の払込みで、終身にわたって死亡に備えながら、資産形成ができる保険です。貯蓄性の高い保険商品だ。
銀行の窓販商品としても人気が高い。しかし、今は低金利時代で運用が難しいことから商品の販売を停止する会社も多い。
特徴
基本的な特徴は以下のようになっている。
1 払込保険金よりやや大きな死亡保険金が終身にわたって続きます。
100万円の払込保険金に対し、120万円の死亡保険金がもらえる。
2 指定した保険金受取人に、保険金を残せます。
※受取人に指定できる方は、ご家族等に限定される場合があります。
子供や孫に死亡保険金を受け取らせることができるのである。
3 死亡保険金の受取りについては相続税法上一定の金額(「500万円×法定相続人の数」)までは税金がかかりません。
死亡保険金の非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」となります。そのため、この非課税枠の分だけ相続財産の評価額を下げることができます。
4 一定期間経過後は、払込保険料を上回る解約払戻金があります。
契約直後に解約すると当初はマイナスになりますが、数年で定期預金よりも高いリターンになります。
契約者様が個人の場合、解約払戻金は一時所得として総合課税になります。
付加できる特約には以下のようなものがあります。
リビング・ニーズ特約 余命6カ月以内と判断されるとき、死亡保険金の全部または一部を受取ることができる特約です。
メリット
一定期間経過後解約返戻金が払込保険料を上回る商品であるほかに、
- 相続時払い出しが預金よりスムーズ ⇒ 保険金の受取人の書類だけで手続きを進められることがほとんどです。保険会社によってはさらに簡易な書類だけで一定金額を当日中に受け取ることも可能です。
- 財産評価引き下げ(非課税枠活用) ⇒ 死亡保険金の非課税の限度額は「500万円×法定相続人の数」
- 遺産分割 ⇒ 遺産分割協議の対象外となります。特定の相続人だけに財産を残したいと言う場合に活用。遺言書と同じ効果だ。
- 生前贈与は個人年金保険で行うよりも一時払い終身保険で行う方がメリットがある。⇒ 年に110万円までは贈与税がかからないため、110万円を贈与して、それで一時払い終身保険に加入させる。子供や孫が0歳から20歳まで20年間に2,200万円を保険料として支払い毎年110万円よりも大きい解約返戻金を受け取ることができる。
相続対策商品だが、長期の運用も利回りがかなり下がっており、予定利率は年々下がってきている。
デメリット
デメリットも必ずあり、チェックをしなければいけない。
- 契約直後に解約すると損失がでてしまう。定期預金ならそんなことはない。
- 利回りは固定で契約すると、インフレや利回りが上昇すると、他の商品とくらべてリターンが結果的に低くなってしまうこともある。
- 一時払終身保険には変動型・外貨建て等もあるが、これも金利や為替によって大きくリターンが変化するので要注意が必要である。
具体的な取引例
明治安田生命
エブリバディ/エブリバディ10 (5年ごと利差配当付一時払特別終身保険)
予定利率0.75
【一時払保険料:1,000 万円のケース】
保険種類 | 加入年齢/ 第 1 保険期間 | 死亡保険金額(第2保険期間) | |
男性 | 女性 | ||
エブリバディ/ エブリバディ10 | 50 歳/ 10 年 | 1,162万円 | 1,195万円 |
60 歳/ 10 年 | 1,116万円 | 1,142万円 | |
70 歳/ 10 年 | 1,081万円 | 1,097万円 |
(2016年3月から)