シミュライズでは上場企業の開示資料から、報告企業の従業員の平均勤続年数データを用い、従業員の立場からより魅力のある(と思われれる) 企業をランキングし、公表しています。 ここでは、全体ランキング6位の昭和シェル石油(株)の属する石油石炭製品業界ついて、特徴等をみてみたいと思います。
ランキングにおいては、今年既に決算資料を公表している 2013年12月~2014年3月決算期末の上場企業3000社強 (全上場企業の85%程度)の決算データにおける各企業の平均勤続年数と、シミュライズ推計の生涯給与 を用いています。 細かくは議論の余地があるとは思いますが、ここでは以下を想定し、それぞれの水準から点数付けを行い、その合計点からランキングを決定しています。
- 勤続年数が長い企業は従業員にとって魅力が高いと想定
- 推計された生涯給与が高い企業は従業員に魅力が高い
全企業のランキングについてはこちらをご覧ください
【収入】「ホワイト企業」、「ブラック企業」?ランキング 勤続年数と生涯給与で見る従業員に魅力のある企業
勤続年数、生涯給与による従業員に魅力のある企業ランキング-石油石炭製品
順位 | 銘柄 コード |
会社名 | 勤続 年数(年) |
生涯 給与(億円) |
前年 変化 |
1 | 5002 | 昭和シェル石油 | 20.5 | 3.16 | -1.9% |
2 | 5012 | 東燃ゼネラル石油 | 18.8 | 3.28 | -0.2% |
3 | 5019 | 出光興産 | 20.7 | 2.98 | -8.0% |
4 | 5007 | コスモ石油 | 20.9 | 2.40 | -8.0% |
5 | 5011 | ニチレキ | 16.1 | 2.52 | 11.5% |
6 | 5015 | ビーピー・カストロール | 11.3 | 2.94 | -4.6% |
7 | 5018 | MORESCO | 14.1 | 2.60 | 3.4% |
8 | 3315 | 日本コークス工業 | 20.5 | 2.03 | 0.3% |
9 | 5008 | 東亜石油 | 15.1 | 2.37 | -5.7% |
10 | 5013 | ユシロ化学工業 | 14.4 | 2.32 | -1.9% |
11 | 5010 | 日本精蝋 | 17.4 | 2.02 | -3.0% |
(注1)有価証券報告書などを基にシミュライズまとめ。
(注2)勤続年数は、報告企業公表による従業員平均値、生涯給与は、シミュライズモデルによる推計値。
(注3)前年変化は、推計生涯給与の前年値からの変化率
(注4)従業員数が100人以下の企業、設立5年以内の企業(かつ平均勤続年数5年以下企業)、および、企業名にホールディングを含む持ち株会社等の一定の企業を除く
石油石炭製品業界のランキングを見てみると、石油精製元売り大手の4社、昭和シェル石油(株)、東燃ゼネラル石油(株)、出光興産(株)、コスモ石油(株) が上位を占めています。 この4社は、生涯給与の水準が突出して高いわけではなく、平均勤続年数が20%程度と長いことから上位となっています。
これらの企業の業績は、連結ベースで売上高数兆円、経常利益が数百億円規模となっています。ランキング下位陣とは大きな開きがあり、企業業績自体のブレはあったとしても、企業としての安定度が感じられるのかもしれません。
ランキング企業の売上高および経常利益(連結ベース)
銘柄 コード |
会社名 | 売上高(兆円) | 売上高 変化 |
経常利益(億円) | 経常利益 変化 |
5002 | 昭和シェル石油 | 2.95 | 12.3% | 762 | 501.3% |
5012 | 東燃ゼネラル石油 | 3.24 | 15.6% | 498 | 121.1% |
5019 | 出光興産 | 5.03 | 15.1% | 819 | -24.9% |
5007 | コスモ石油 | 3.54 | 11.7% | 418 | -13.6% |
5011 | ニチレキ | 0.07 | 24.0% | 78 | 131.2% |
5015 | ビーピー・カストロール | 0.01 | 3.0% | 25 | -8.6% |
5018 | MORESCO | 0.02 | 18.7% | 20 | 72.1% |
3315 | 日本コークス工業 | 0.11 | -3.2% | 61 | 18.0% |
5008 | 東亜石油 | 0.03 | -8.3% | 5 | -35.6% |
5013 | ユシロ化学工業 | 0.03 | 10.8% | 22 | 41.5% |
5010 | 日本精蝋 | 0.04 | -1.3% | 2 | 29.7% |
(注)連結ベース、但し、ビーピー・カストロール(株)と日本精蝋(株) については単独ベース。
ランキング下位で特徴的なのが、生涯給与が高めであるものの、平均勤続年数が短い ビーピー・カストロール(株)。 同社は、グローバルに活躍するイギリスの石油メジャーBP社が実質筆頭株主の会社で、自動車用オイルなどが主力製品です。 外資系ということで、給与水準が高いものの、転職などの影響から勤続年数が短めとなっているのかもしれません。
また、新日鐵住金(株)と住友商事(株)の関連会社である 日本コークス工業(株) は 平均勤続年数が20.5年と長いのが特徴。同社は、 生産したコークスや副産物の国内外鉄鋼会社等への販売を主事業とする企業です。
同業種で似たような業務を営む企業間で 勤続年数が大きく異なってくるのは、中途採用が多いなど様々な要因ありえ、それのみで必ずしも従業員の魅力度が測れる訳ではありません。 しかしながら、就職、転職などの際には、可能な範囲でその理由について探ってみるのは重要なことかもしれません。
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