資生堂とコーセーは両社とも女性に特に人気の企業です。
日本を代表する化粧品メーカー2社ですが、待遇面ではどう違うのか見てみました。
両者の比較を今回は試みたい。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
【資生堂】
資生堂 クレ・ド・ポー ボーテ シナクティフ クレーム 本体
超高級な逸品
【コーセー】
コスメデコルテ AQ ミリオリティ インテンシブクリーム 45g【箱凹み等】
超高級な逸品
参考までに業績比較
【26年度の業績】 (単位円)
会社 | 営業収益 | 前年 | 成長率 |
資生堂 | 7,777億 | 7,620億 | 2.1% |
コーセー | 2,078億 | 1,900億 | 9.3% |
コーセーの伸び率が高いことが確認できます。
「主要ブランドを中心に国内販売が順調に推移したほか、インバウンド需要の追い風やタルト社の買収効果」がこの成長率を可能にしています。
インバウンド効果は今後も期待でき両社の成長ドライバーとなることは間違いなさそうです。
成長率といった点ではコーセーがリード、規模としては資生堂がリードといったことろでしょうか?
初任給
すでに社員の方は昔と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【資生堂】
2014年4月
入社社員:東京都区部居住の場合
博士了 月給247,610円
修士了 月給219,800円
大学卒 月給205,740円
高専卒 月給186,330円
※いずれも地域手当9000円(地域により異なる。0~9,000円)を含む。
福利厚生
- 寮・社宅制度や住宅関連手当の支給
- 健康診断、成人病検診
- 慶弔見舞金制度
- 財形制度や自社株投資会制度
- 健保組合
- 企業年金制度や積立型総合福祉共済制度、他
【コーセー】
2015年度実績
学部卒:月給206,400円
修士卒:月給233,300円
営業職には別途外勤手当支給
福利厚生
- 各種社会保険制度
- 独身寮
- 転勤者住宅支援
- 共済会
- 財形貯蓄制度
- 社員持株会 他
定年60歳:年金・退職一時金(企業年金基金)制度あり
大学卒の初任給を見ると、全体的にコーセーが高くなっています。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報では以下のようになっています。
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
資生堂 | 3,587 | 42.1 | 17.5 | 7,673 |
コーセー | 923 | 43.9 | 20.4 | 8,146 |
年齢ごとの推定給与は以下の通りです。
【推定年収 単位千円】
年齢 | 資生堂 | コーセー |
25 | 5,053 | 5,225 |
30 | 5,914 | 6,115 |
35 | 6,625 | 6,850 |
40 | 7,346 | 7,595 |
45 | 8,006 | 8,278 |
50 | 8,290 | 8,572 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全年齢層でコーセーがやや高くなっています。
25歳時でおよそ18万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ28万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
資生堂 | 2億6,843万円 |
コーセー | 2億7,756万円 |
大きな差が付き913万円の差額となりなす。
給与カーブを運輸業、郵便業で作成すると上昇率は比較的緩やかになります。
如何に互いがライバルとして認識し、給与レベルで同水準を保つことで、より優秀な人材を獲得したいと戦っていることを知る指標でもあります。
役員報酬
最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
退職金 (百万円) |
オプション (百万円) |
1人あたり 総報酬 (百万円) |
資生堂 | 8 | 233 | 51 | 0 | 130 | 51.8 |
コーセー | 10 | 215 | 31 | 79 | 0 | 32.5 |
資生堂がコーセーよりも1人当たりの報酬額では1,930万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
資生堂、コーセーの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
資生堂 | コーセー | 差額 | |
65歳 | 5,890万円 | 6,483万円 | 593万円 |
85歳 | 4,593万円 | 5,275万円 | 682万円 |
65歳時にコーセーが593万円上回ります。
85歳時ではその差が682万円に広がります。
かなり大きな差がつきましたが、両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が資生堂の方、右がコーセーの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
コーセーは生涯年収(従業員として)が資生堂より900万円以上多く、また退職後の資産額がコーセーの方が600万円ほど多いため、今回はコーセーの勝ちです。