東京テアトル株式会社(以下、東京テアトル)とオーエス株式会社(以下、オーエス)は、共に日本の映画興行会社です。
東京テアトルとオーエスの給与を比較するうえで、以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
-
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て映画業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴は何でしょう?
【東京テアトル株式会社】
1946年(昭和21年)設立。新宿区に本社を置き、映画の興行、配給、飲食店の運営、不動産賃貸を行っています。映画館はテアトルシネマグループ展開、テアトル新宿が有名です。主な配給作品に「アンパンマン」「きかんしゃトーマス」等があります。
【オーエス株式会社】
1946年(昭和21年)設立。大阪市北区に本社を置く阪急阪神東宝グループの会社で、映画興行・不動産賃貸、販売などの事業を展開しています。映画館はOSシネマズを運営しています。
業績はどうでしょう?
業績を比べてみましょう。
【連結決算:東京テアトルは平成30年3月、オーエスは平成30年1月の業績】 (単位:円)
東京テアトル
|
会社
|
オーエス
|
182億 |
売上高
|
87億
|
192億 |
前年
|
74億
|
-5.2% |
対前年度比
|
17.6%
|
1.2億 |
経常利益
|
5.9億
|
0.5億 |
当期純利益
|
4.8億
|
1.3億 |
包括利益
|
4.6億 |
55.3% |
自己資本比率
|
32.2%
|
会社規模では東京テアトル、業績ではオーエスが上回りました。
初任給を比べてみましょう!
これから就職する方のために、初任給制度を掲載しておきます。
【東京テアトル、オーエスともに募集要項から 初任給(単位:円)】
東京テアトル
|
学歴
|
オーエス
|
209,000円 | 大学院・大学卒 | 196,500円 |
東京テアトルが上回りました。
年齢ごとの給与を比べてみましょう!
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
会社名 | 従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) |
東京テアトル | 158 | 525 | 42.1 | 11.0 | 6,720 |
オーエス | 48 | 126 | 38.3 | 16.9 | 6,443 |
従業員数は、単体、連結共に東京テアトルが上回っています。
平均年齢は、東京テアトルが3.8歳高く、平均勤続年数は、オーエスが5.9年長いです。
平均年間給与は、東京テアトルが28万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | オーエス | 東京テアトル | 差額(オーエスベース) |
25 | 4,703 | 4,388 | 315 |
30 | 5,818 | 5,429 | 390 |
35 | 6,570 | 6,130 | 440 |
40 | 6,929 | 6,465 | 464 |
45 | 6,992 | 6,524 | 468 |
50 | 7,055 | 6,583 | 472 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
僅差ながら、全ての年齢層でオーエスが上回ります。
その差は僅少ですが、25歳時が一番小さく32万円、50歳時が一番大きく47万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社は業種が同じため、上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与はどれくらい?
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与とは、サラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なく、この会社からの収入のみです。
会社名 | 生涯給与 |
オーエス | 2億2,906万円 |
東京テアトル | 2億2,555万円 |
オーエスが351万円上回っています。
役員報酬はどれくらい?
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
東京テアトル | 4 | 76 | 0 | 0 | 0 | 19.0 |
オーエス | 3 | 74 | 0 | 0 | 0 | 24.5 |
オーエスの方が、1人当たりの報酬額(年額)で、5.5百万円多いです。
生涯で形成する資産はどれくらい?
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
両社共に31歳の方を例に計算を行います。
結果はミライズ(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
オーエス | 東京テアトル | 差額(オーエスベース) | |
65歳 | 5,839万円 | 5,561万円 | 278万円 |
85歳 | 5,242万円 | 5,220万円 | 22万円 |
65歳時にオーエスが278万円(貯蓄可能額が)上回り、この差は85歳時には22万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がオーエスの方、右が東京テアトルの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
纏めると以下のような結果です。
- 会社規模では東京テアトル、業績ではオーエスが優位です。
- 初任給は、東京テアトルが上回ります。
- 推定年収は全ての年齢層でオーエスが多く、その差は、25歳時が一番小さく32万円、50歳時が一番大きく47万円です。
- 生涯給与(従業員として)は、オーエスが351万円上回っています。
- 役員報酬は、オーエスが1人当たりの報酬額(年額)で、5.5百万円多いようです。
- 老後の資産額は、オーエスが65歳時に278万円、85歳時に22万円多いようです。
ほぼ全ての項目で、僅差ながらオーエスが優位となったため、今回はオーエスに軍配があがりました。
ミライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへどうぞ。