株式会社ハイディ日高(以下日高)と株式会社幸楽苑ホールディングス(以下幸楽苑)、は共に低価格ラーメンチェーンとして有名です。
日高と幸楽苑の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てラーメン業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社ハイディ日高】
株式会社ハイディ日高は昭和53年創業、埼玉県に本拠を置く、日本の外食企業です。
低価格ラーメン・中華料理の日高屋で有名です。
全店舗直営店で、セントラルキッチン方式で食材を全店に送っています。
駅前一等地の店舗が多く、昼前から朝方までの営業中にいわゆるアイドルタイムがあまりありません。
また駐車場を備えている店舗が殆どないのも特徴です。
そのため低価格なメニューでも収益性が高いです。
【株式会社幸楽苑ホールディングス】
株式会社幸楽苑ホールディングスは昭和29年創業、福島県に本拠を置く、日本の外食企業です。
かつては税別290円の中華そばが看板商品でしたが収益性の問題から2015年に販売を終了しています。
現在は税別390円からです。
日本最大のらーめんチェーン店で国内に500店舗以上あり、タイのバンコクにも出店しています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成28年3月の業績】 (単位円)
日高
|
会社
|
幸楽苑
|
368億 |
売上高
|
382億
|
344億 |
前年
|
377億
|
6.4% |
対前年度比
|
1.3%
|
43億 |
経常利益
|
8.6億
|
28億 |
当期純利益
|
1.3億
|
75.2% |
自己資本比率
|
40.17%
|
売上高は幸楽苑が日高を少し上回り、その差は14億円ほどです
経常利益では日高が幸楽苑の5倍あり、その差は34億円ほどです。
成長率は日高の6.4%に対し、幸楽苑は1.3%とこちらも日高が上回っています。
売上では幸楽苑が、利益や成長率で日高が上回りました。
売上の差は僅かでしたが、利益では大きな差が出ました。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。
【2018年募集要項から 初任給(単位:円)】
日高
|
学歴
|
幸楽苑
|
220,000
|
4大卒
|
208,000 |
記載なし
|
短大卒
|
195,000 |
記載なし
|
専門卒
|
195,000 |
両社とも総合職です。
日高は4大卒のみ初任給が掲載されていました。
比較が出来る4大卒だと日高が幸楽苑を12,000円上回っています。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成28年3月決算の比較】
従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
日高 | 699 |
699(3,146)
|
34.2 | 7.4 | 5,031 |
幸楽苑 | 161 |
1190(3,868)
|
41.2 | 12.3 | 4,966 |
従業員数は単体では日高、連結では幸楽苑が多いです。連結のカッコの中は臨時従業員(アルバイトやパート)の数です。
平均年齢は幸楽苑が8歳高く、勤続年数でも幸楽苑が5年近く長いです。
平均年間給与はほぼ同じで日高が6.5万円高いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | 日高 |
幸楽苑 | 差額(日高 ベース) |
25 | 3,485 | 3,145 | 340 |
30 | 4,525 | 4,084 | 441 |
35 | 5,123 | 4,624 | 499 |
40 | 5,461 | 4,929 | 532 |
45 | 5,600 | 5,055 | 546 |
50 | 5,717 | 5,160 | 557 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層で日高が幸楽苑を上回ります。
25歳時が一番差が小さく34万円、50歳時が一番差が大きく55.7万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
日高 | 1億9,331万円 |
幸楽苑 | 1億7,447万円 |
日高が幸楽苑を1,900万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
日高
|
6 | 119 | 40 | 0 | 0 | 26.5 |
幸楽苑
|
9 | 164 | 0 | 0 | 0 | 18.2 |
日高が幸楽苑よりも1人当たりの報酬額(年額)では830万円ほど多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
日高、幸楽苑の現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
日高 | 幸楽苑 | 差額(日高ベース) | |
65歳 | 3,193万円 | 2,302万円 | 891万円 |
85歳 | 3,497万円 | 2,584万円 | 913万円 |
65歳時に日高が891万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時は913万円に広がります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が日高の方、右が幸楽苑の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
初任給は比較が出来る4大卒では日高が幸楽苑を上回ります。
その差は12,000円です。
平均年間給与は日高が6.5万円多いです。
年齢層別の給与比較では全ての年齢層で日高が幸楽苑を上回ります。
25歳時が一番差が小さく34万円、50歳時が一番差が大きく55.7万円の差があります。
日高の生涯年収(従業員として)は幸楽苑のそれに比べ1,900万円ほど多くなっています。
役員報酬では日高が幸楽苑よりも1人当たりの報酬額(年額)では830万円ほど多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時に日高が幸楽苑を913万円上回りました。
初任給、平均年間給与、生涯年収、役員報酬、老後の資産全てで日高が幸楽苑を上回りました。
そのため今回は日高の勝ちとします。
シミュライズでは今後も様々な企業の比較を行っていきます。
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