ともに原発も扱う総合電機メーカー日立製作所と東芝。就職するならどちらがお得?(2018年入社版)

2021/08/19

株式会社日立製作所(以下日立)と株式会社東芝(以下東芝)、は共に原発も扱う総合電機メーカーです。

日立と東芝の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て電機業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

 

それぞれの特徴


【株式会社日立製作所】
株式会社日立製作所は日本最大の総合電機メーカーです。
また大手電機8社、重電8社、大手重電3社の一角です。
事業範囲は広範囲ですが総合路線を見直しインフラ系重視の戦略に切り替えています。
そのため一般家庭では見かける機会が減ってきています。
また海外事業を拡大しています。
電機メーカーとして以外ですと「世界ふしぎ発見!」のスポンサーとしても有名です。
鉄道のシステムや車両、建設機械、発電所なども取り扱っています。
原子力事業では2007年には米国のゼネラル・エレクトリック社と経営資源を融合し、日立GEニュークリア・エナジー株式会社を設立してます。

【株式会社東芝】
株式会社東芝は日本の大手総合電機メーカーです。
また大手電機8社、重電8社、大手重電3社の一角です。
また半導体メーカー国内最大手です。
2015年の粉飾決算を機に白物家電事業はブランドのみ、医療機器事業は売却されました。
原子力発電を含めた発電、送配電・蓄電事業や鉄道システムやエレベーター、水処理システムなども取り扱っています。
PC関連のSSDやHDDなどのストレージでも有名です。

現在アメリカの原発事業における巨額損失で分社化が検討しているとされています。

業績は?


業績も比べておきましょう。

【連結決算:平成28年3月の業績】 (単位円)

日立
会社
東芝
10兆343億
売上高
5兆6,687億
9兆7,749億
前年
6兆1,147億
2.7%
対前年度比
-7.3%
5,170億
経常利益
-6,331億
1,721億
当期純利益
-4,600億
-1,276億
包括利益
-7,525億
21.8%
自己資本比率
6.1%

売上高は日立が東芝を大きく上回り、その差は4兆3,600億円ほどです
経常利益でも日立が東芝を上回り、その差は1兆1,500億円ほどです。
成長率は日立の2.7%に対し、東芝は-7.3%とこちらも日立が上回っています。

売上、利益、成長率全てで日立が東芝を上回りました。

 

初任給


これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。

【2016年4月実績 初任給(単位:円)】

日立
学歴
東芝
記載なし
博士了
280,500
234,000
修士了
234,000
210,000
学部卒
210,000

日立は博士了の記載がありません。
比較が出来る修士了、学部卒ですと同額です。

 

年齢ごとの給与


有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

【平成28年3月決算の比較】

従業員数(単体) 従業員数(連結) 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
日立 37,353 335,244 41.2 18.4 8,686
東芝 36,601 187,809 43.4 18 8,275

 

従業員数は単体でも連結でも日立が上回ります。連結だと日立は東芝の1.8倍近い人数がいます。
平均年齢は大きな差がなく東芝が2.2歳高く、勤続年数では日立が0.4年長いです。
平均年間給与は日立が41.1万円多いです。

 

【年代別推定年収:単位千円】

年齢 日立
東芝 差額(日立
ベース)
25 5,826 5,346 479
30 6,819 6,258 561
35 7,638 7,010 628
40 8,469 7,772 697
45 9,231 8,471 759
50 9,558 8,772 786

(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

 

全ての年齢層で日立が東芝を上回ります。

25歳時が一番差が小さく47.9万円、50歳時が一番差が大きく78.6万円の差があります。

これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。

生涯給与


この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

 

会社名 生涯給与
日立 3億950万円
東芝 2億8,403万円

企業シムラ―検索

 

日立が東芝を2,500万円ほど上回っています。

 

 

役員報酬


取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

会社名 役員数 役員報酬
(百万円)
役員賞与
(百万円)
オプション
(百万円)
退職金

(百万円)

1人あたり総報酬
(百万円)
日立
3 105 12 0 0 39.0
東芝
15 142 0 0 0 9.5

東芝は役員が日立の5倍います。
日立
東芝よりも1人当たりの報酬額(年額)では3,000万円ほど多いです。

 

生涯で形成する資産


生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

日立、東芝の現在31歳の方を例に計算を行います。

結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

 

日立 東芝 差額(東芝ベース)
65歳 6,107万円 7,748万円 1,641万円
85歳 2,725万円 5,991万円 3,266万円

65歳時東芝1,641万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時3,266万円に広がります
給与では日立が上回っていますが、支出でも日立が上回っているため、収入が減った老後の資産で逆転した形です。
つまり日立の方のほうがより良い生活を送っているということです。

 

しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。

(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

 

日立製作所五郎(31歳)

東芝 五郎(31歳)

日立VS東芝

 

しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。

左が日立の方、右が東芝の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)

システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索

結論


初任給は学部卒、修士了ともに同額です。

平均年間給与は日立が41.1万円多いです。
全ての年齢層で日立が東芝を上回ります。
25歳時が一番差が小さく47.9万円、50歳時が一番差が大きく78.6万円の差があります。

日立の生涯年収(従業員として)は東芝のそれに比べ2,500万円ほど多くなっています。
役員報酬では日立東芝よりも1人当たりの報酬額(年額)では3,000万円ほど多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時に東芝が日立を3,266万円上回りました。

年齢層別平均給与、平均年間給与、役員報酬、生涯年収、で日立が東芝を上回りました。
しかし老後の資産では東芝が上回りました。
収入で日立が上回るも、老後の資産が東芝の方があるというのは日立の支出が多い、つまりより良い生活を送っているということです。

そのため今回は日立の勝ちとします。

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