大正製薬ホールディングス株式会社(以下大正製薬)と株式会社ツムラ(以下ツムラ)、は共に製薬会社でそれぞれ大衆薬と医療用漢方製剤でトップシェアを占めますす。
大正製薬とツムラの給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て製薬業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【大正製薬ホールディングス株式会社】
大正製薬ホールディングス株式会社は東京都豊島区高田に本社を置く、日本の医薬品メーカーです。
1912年創業、1928年設立です。
鷲のマークで有名で大衆薬でトップシェアを占めます。
パブロン、リポビタンD、リアップ、大正漢方胃腸薬で有名です。
パブロンは1927年、リポビタンDは1962年、大正漢方胃腸薬は1978年、リアップは1999年に発売しています。
【株式会社ツムラ】
株式会社ツムラは東京の赤坂に本社置く1893年創業、1936年設立の日本の漢方薬品会社です。
創業時は東京日本橋に拠点を置き、婦人薬「中将湯」を販売していました。
1976年に医療用漢方製剤を販売開始し、1988年に「津村順天堂」から「ツムラ」に社名を変更しています。
医療用漢方製剤のシェアで80%以上を占めています。
また売上の95%以上が医療用漢方製剤です。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成28年3月の業績】 (単位円)
大正製薬
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会社
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ツムラ
|
2,901億 |
売上高
|
1,126億
|
2,905億 |
前年
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1,104億
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-0.1% |
対前年度比
|
1.2%
|
368億 |
経常利益
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195億
|
225億 |
当期純利益
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126億
|
91億 |
包括利益
|
96億
|
82.9% |
自己資本比率
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68.76%
|
売上高は大正製薬がツムラの2倍以上あり、その差は1,700億円を超えます。
経常利益でも大正製薬がツムラを上回り、その差は170億円ほどです。
成長率は大正製薬の-0.1%に対し、ツムラは1.2%とこちらはツムラが上回っています。
売上、利益、で大正製薬が成長率でツムラが上回りました。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。
【大正製薬は2015年4月時点、ツムラは2016年度 初任給(単位:円)】
大正製薬
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学歴
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ツムラ
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276,000
|
博士卒
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229,400 |
244,000
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修士・6年製学部卒
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229,400 |
222,000
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大学卒
|
220,000 |
ツムラは修士、博士の違いはなく大学院卒で表記されています。
大学卒は同額ですが、修士、博士卒では大正製薬がツムラを上回ります。
修士で比較すると14,600円大正製薬がツムラを上回ります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成28年3月決算の比較】
従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 (千円) |
|
大正製薬 | 90 | 6,517 | 45.8 | 14 | 8,566 |
ツムラ | 2,350 | 3,242 | 43.6 | 20.2 | 8,264 |
従業員数は単体ではツムラのほうが多いですが、連結では大正製薬が2倍以上多いです。
平均年齢は大正製薬が2.2歳高く、平均勤続年数は6.2年ツムラが高いです。
平均年間給与は大正製薬が30万円程多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | 大正製薬 |
ツムラ | 差額(大正製薬 ベース) |
25 | 5,343 | 5,324 | 19 |
30 | 6,254 | 6,231 | 23 |
35 | 7,005 | 6,980 | 25 |
40 | 7,768 | 7,739 | 28 |
45 | 8,466 | 8,435 | 31 |
50 | 8,766 | 8,734 | 32 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全ての年齢層で大正製薬がツムラを上回ります。
25歳時が一番差が小さく1.9万円、50歳時が一番差が大きく3.2万円の差と殆ど差がありません。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
大正製薬 | 2億8,386万円 |
ツムラ | 2億8,282万円 |
大正製薬がツムラを100万円ほど上回っています。
生涯給与でこの差ですと実質殆ど差がありません。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
大正製薬
|
10 | 175 | 0 | 36 | 0 | 21.1 |
ツムラ
|
7 | 199 | 0 | 0 | 0 | 28.4 |
ツムラが大正製薬よりも1人当たりの報酬額(年額)では730万円ほど多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
大正製薬、ツムラの現在31歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
大正製薬 | ツムラ | 差額(大正製薬ベース) | |
65歳 | 4,719万円 | 4,705万円 | 14万円 |
85歳 | 3,067万円 | 3,069万円 | -2万円 |
65歳時に大正製薬が14万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時はツムラが2万円上回り逆転します。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が大正製薬の方、右がツムラの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
初任給は大学卒は同額ですが、修士、博士卒では大正製薬がツムラを上回ります。
修士で比較すると14,600円大正製薬がツムラを上回ります。
平均年間給与は大正製薬が30万円程多いです。
全ての年齢層で大正製薬がツムラを上回りますがほぼ同額です。
25歳時が一番差が小さく1.9万円、50歳時が一番差が大きく3.2万円の差があります。
大正製薬の生涯年収(従業員として)はツムラのそれに比べ100万円ほど多くなっています。
役員報酬ではツムラが大正製薬よりも1人当たりの報酬額(年額)では730万円ほど多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時にツムラが大正製薬を2万円上回りました。
年齢層別平均給与、平均年間給与、生涯年収、で大正製薬がツムラを上回りましたが、差は大きくありません。
老後の資産で85歳時にはツムラが大正製薬を上回りましたがほぼ同額です
そのため今回は引き分けとします。
シミュライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。
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