東京ガスと大阪ガスは日本を代表するとガス会社の2社ですが、待遇面ではどう違うのか見てみました。
東京ガスと大阪ガス、両社の比較を今回は試みたい。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
何の会社?
【東京ガス】
東京ガスは1都6県を主要都市を営業区域とする一般ガス事業社です。
連結で顧客数1,111万戸以上、導管総延長61,063km(2014年3月31日現在)を持ち、世界最大規模、日本国内最大手です。
天然ガスの調達・輸送、都市ガスの製造・供給、エネルギーソリューションへと続く「LNGバリューチェーン」に取り組んでいます。
また現在は天然ガス火力発電所を作り電力事業を積極的に推進しています。
【大阪ガス】
大阪ガスは近畿圏を営業区域とする一般ガス事業社です。
連結で顧客数716万戸、導管総延長61,300km(2014年3月31日現在)を持ち、都市ガスの販売量では全国2位です。
天然ガスの調達・輸送、都市ガスの製造・供給、ソリューションの提供などを行っています。
現在中期計画として「近畿圏エネルギー事業の強化」、「エネルギー事業のエリア拡大」、「次なる『事業の柱』の確立」の3つを重点テーマとして取り組んでいます。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【26年度の業績】 (単位円)
会社 | 売上高 | 前年 | 成長率 |
東京ガス | 2兆2,925億 | 2兆1,121億 | 8.5% |
大阪ガス | 1兆5,281億 | 1兆5,125億 | 1.0% |
売上高では東京ガスが大阪ガスを7,600億円以上上回っています。
成長率はあまり高くなく、原発の問題もあるため油断ならない状況です。
初任給
すでに社員の方は昔と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【東京ガス】
2016年4月入社社員
- 給与(2014年4月実績)
- 文系職
- 学部卒・修士了 月給202,250円
- 理系職
- 修士了 月給227,670円
- 学部卒 月給204,000円
- 特定技能職
- 学部卒・修士了 202,250円
- 高専本科卒 184,420円
- 文系職
- 勤務時間
- 8:45〜17:30(フレックスタイム制有。一部職場では夜勤、交代勤務有。)
- 休日など
- 完全週休2日
- 祝日
- 年末年始
- 有給休暇
- 特別休暇
- リフレッシュ休暇
- ボランティア休暇
- 産前産後休暇など
- 病気休暇など
- 昇級 : 年1回
- 賞与 : 年2回(6月,12月)
- 交通費:原則全額支給
- 福利厚生
- 各種社会保険
- 各種貯蓄制度
- 融資制度
- 共済会
- 社員持株会
- 独身寮
- 家族寮
- 総合グラウンドなど
- 教育研修
- 新入社員研修
- 国内外留学研修
- 自己選択型チャレンジプログラムなど
【大阪ガス】
2016年4月入社社員
- 給与(2014年4月実績)
- 修士了 月給22万9,000円
- 大学卒 月給20万3,000円
- 諸手当:通勤交通費全額など
- 昇級 : 年1回(4月)
- 賞与 : 年2回(6月、12月)
- 勤務時間: 9:00~17:40(一部フレックスタイム制、交替勤務、当直あり)
- 休日休暇
- 年間休日122日
- 有給休暇15日~20日
- 夏季休暇
- 育児休暇
- 裁判員制度休暇など
- 福利厚生
- 社会保険
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険など
- 諸制度
- 確定拠出年金制度
- 従業員持株制度
- カフェテリアプラン
- 育児休業制度
- 介護休業制度
- ボランティア休業制度など
- 施設
- 独身寮
- 健康開発センター
- 研修施設
- 体育館
- グラウンドなど
- 社会保険
理系職
- 修士了 東京ガス 月給227,670円
- 修士了 大阪ガス 月給229,000円
修士で見た場合は大阪ガスが1330円だけ上をいっています。非常に小さな差になります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
東京ガス | 7,979 | 44.6 | 18.1 | 6,636 |
大阪ガス | 5,866 | 43.2 | 20.0 | 6,541 |
年齢ごとの推定給与は以下の通りです。
【推定年収 単位千円】
年齢 | 東京ガス’(A) | 大阪ガス(B) | 差額(A)-(B) |
25 | 3,597 | 3,643 | -46 |
30 | 4,540 | 4,597 | -57 |
35 | 5,416 | 5,485 | -69 |
40 | 6,060 | 6,137 | -77 |
45 | 6,687 | 6,772 | -85 |
50 | 7,400 | 7,493 | -93 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全年齢層で大阪ガスが僅かに上回っています。
25歳時でおよそ4.6万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ9.3万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。
競い合っている両者だけあって給与もほぼ同じような水準となっています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
東京ガス | 2億2,650万円 |
大阪ガス | 2億2,937万円 |
差額は287万円で、大阪ガスが東京ガスを上回ります。
これは極めて小さな差になっています。
給与カーブを運輸業、郵便業で作成すると上昇率は比較的緩やかになります。
如何に互いがライバルとして認識し、給与レベルで同水準を保つことで、より優秀な人材を獲得したいと戦っていることを知る指標でもあります。
役員報酬
最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 1人あたり総報酬(百万円) |
東京ガス | 9 | 408 | 52 | 0 | 51.1 |
大阪ガス | 13 | 499 | 0 | 0 | 38.4 |
東京ガスが大阪ガスよりも1人当たりの報酬額では1,270万円多いです。
福島原発の問題もありあまり大きくはもらえない東京電力ですが、ガス2社はまったく関係ありません。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
東京ガス、大阪ガスの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
東京ガス | 大阪ガス | 差額 | |
65歳 | 6,664万円 | 6,793万円 | 129万円 |
85歳 | 6,712万円 | 6,757万円 | 45万円 |
65歳時に大阪ガスが129万円上回ります。
これが85歳時では45万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が東京ガスの方、右が大阪ガスの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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記事
結論
大阪ガスが生涯年収(従業員として)は280万円ほど多いです。
また役員になってからの待遇が平均で1,270万円ほど東京ガスの方がよいです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると大阪ガスの方が65歳時も85歳時も東京ガスを上回っていますが差額は130万円ほどですので、
役員報酬を覆すほどではありません。そのため今回は役員にならなければ大阪ガス、役員になったら東京ガスの勝ちとします!
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