【収入】生涯給与ランキング2014 サービス業-日本M&Aセンター、GCAサヴィアンを逆転しトップに

2021/08/19

上場企業の2014年3月末の決算情報を用いた、主要業種の生涯給与ランキング・アップデート。今回は、さまざまな業務を行う企業が含まれ、ここでの業種分類上最多の企業数からなるサービス業界です。全業種を通して比較的給与水準の高い企業がランキング上位を占めているのが特徴です。経済情勢を受けて好業績企業が多いものの業績は企業毎にバラつきがあります。

 

ここでは、全企業の生涯給与ランキング、各社業績情報のアップデート、更に、財務データからみえる将来の給与動向を展望してみたいと思います。

 

2014生涯給与ランキング — サービス業

順位 銘柄
コード
  会社名  生涯給与
 (億円)
前年変化  40歳給与
 (万円)
平均
年齢 
平均給与
 (万円)
1 2127 日本M&Aセンター 6.03 19.0% 1,604 34.5 1,412
2 2174 GCAサヴィアン 5.39 -15.9% 1,435 36.6 1,332
3 6080 M&Aキャピタルパートナーズ 4.92 0.0% 1,310 30.1 1,023
4 4310 ドリームインキュベータ 4.90 1.3% 1,303 33.5 1,119
5 4324 電通 4.56 3.8% 1,215 39.1 1,192
6 6088 シグマクシス 4.26 -3.3% 1,133 36.2 1,041
7 2433 博報堂DYホールディングス 3.71 1.9% 988 44.2 1,053
8 2193 クックパッド 3.45 0.0% 940 31.3 718
9 9783 ベネッセホールディングス 3.42 -1.4% 911 41.7 945
10 2432 ディー・エヌ・エー 3.37 -5.4% 918 32.1 719
11 4544 みらかホールディングス 3.31 -10.7% 852 45.4 901
12 2413 エムスリー 3.31 2.4% 880 34.3 771
13 2183 リニカル 3.07 0.8% 817 32.2 678
14 2337 いちごグループホールディングス 3.05 11.3% 883 39.5 874
15 4321 ケネディクス 3.05 4.1% 882 40.4 889

(注1) 生涯給与、40歳給与は、各社の有価証券届出書データを用い、シミュライズ給与カーブモデルによる推計値
(注2) 平均年齢、平均年収は企業による公表値
(注3) 前年変化は、生涯給与の前年度推計値からの変化
(注4) 業種の分類は東証分類によるものの一部弊社独自の分類を加味。なお、平均給与を公表していない企業、従業員数が少ない企業等を除く

 

 

ランキング上位6社は前年と全く同じ企業群です。(3位のM&Aキャピタルパートナーズ(株)は9月末決算のため、今回給与水準のアップデートはされていません)  前年同様に、上位3社はいずれも企業のM&A (合併および買収)アドバイザリー業務という専門サービスを中心に提供する会社です。 ランキングトップに立ったのは、 生涯給与を何と前年比9000万円伸ばした昨年2位の(株)日本M&Aセンター、一方、昨年1位で2位となった GCAサヴィアン(株)は、生涯給与を1億円減らしています。

 

(株)日本M&Aセンターは、全国の公認会計士・税理士の共同出資により設立された独立系のM&A仲介会社で、地方銀行等と提携し、全国の中堅中小企業に対象を絞った案件に力を注いでいます。 年間を通じて好調を維持し、大幅な増収増益を記録しています。 GCAサヴィアン(株)は、M&Aアドバイザリー業務とともにファンドビジネスも展開している企業。  ファンドビジネスで大幅な増収増益を達成したものの、同社の得意とする日米間のクロスボーダーM&A案件の市場が縮小したことから、アドバイザリー業務では減収となっており、その影響からの給与ダウンと推察されます。

 

ランキング3位は前年同じ、事業継承案件を得意とする独立系M&A仲介企業のM&Aキャピタルパートナーズ(株)です。 これらいずれの企業も従業員の平均年齢は30代、平均勤続年数が3~4年程度となっています。 従業員数も多くて100人くらいまでと少ないことから、社員の入れ替わりなどで今後も給与の変動は大きくなるものと考えられます。

 

4位には前年と変わらず、生涯給与を600万円伸ばしたベンチャー投資や企業コンサルティングの(株)ドリームインキュベータが、5位には前年から生涯給与を1,600万円伸ばし1ランクアップの広告会社首位(株)電通が、ランキングされています。 また、モバイルゲームの(株)ディー・エヌ・エーが生涯給与を前年比1900万円落とし、また、臨床検査薬大手の富士レビオ(株)と受託臨床検査首位の(株)エスアールエルの持株会社である、みからホールディングス(株)が3900万円落としているのが目立ちます。

 

ランキング各社の業績まとめ (連結ベース)

銘柄
コード
会社名 売上高
(億円)
前年
変化
経常利益
(億円)
前年
変化
ROE
2127 日本M&Aセンター 105 46.2% 55 59.9% 30.7%
2174 GCAサヴィアン 224 107.0% 43 54.1% 17.6%
6080 M&Aキャピタルパートナーズ 12 7.8% 6 4.0% 30.5%
4310 ドリームインキュベータ 91 18.2% 11 45.1% 6.5%
4324 電通 23,094 19.0% 825 39.8% 4.6%
6088 シグマクシス 97 -5.5% 8 16.5% 19.0%
2433 博報堂DYホールディングス 10,959 4.8% 354 26.5% 7.8%
2193 クックパッド 65 30.3% 33 21.3% 25.2%
9783 ベネッセホールディングス 4,664 3.6% 352 -9.7% 9.5%
2432 ディー・エヌ・エー 1,813 -10.4% 532 -30.8% 22.4%
4544 みらかホールディングス 2,034 5.8% 271 5.4% 9.8%
2413 エムスリー 369 41.8% 129 33.7% 23.1%
2183 リニカル 37 3.4% 7 -29.5% 24.3%
2337 いちごグループホールディングス 351 114.1% 36 107.4% 10.1%
4321 ケネディクス 225 7.2% 49 109.5% 3.1%

 (注1) 連結ベース。有価証券報告書等を基にシミュライズ作成

 

続いて、企業の直近年度の財務情報を用いて今後の給与動向を探れるよう、いくつかの財務データを見ていきたいと思います。ここで取り上げる指標は以下になります。

 

① 配当性向 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合。 利益をどれだけ株主に配当しているかを示す
② ROE 当期純利益を純資産合計で割った指数。投下資本に対して企業の稼ぐ力を示す総合的な指数といえる
③ 経常利益(従業員一人当たり) 経常利益を従業員数で割った数値
④ 純資産額(従業員一人当たり) 純資産額を従業員数で割った数値
⑤ 現金等(従業員一人当たり) 現預金(同等物も含む)を従業員数で割った数値

 

ランキング各社の配当性向・ROE・従業員一人当り財務データまとめ (平均給与公表企業単独決算ベース)

銘柄
コード
会社名 配当性向 ROE 経常利益
(一人当たり)
純資産額
(一人当たり)
現金等
(一人当たり)
2127 日本M&Aセンター 35.5% 35.4% 36.7 72.6 59.6
2174 GCAサヴィアン 51.4% 14.3% 8.1 42.6 16.4
6080 M&Aキャピタルパートナーズ 0.0% 36.0% 28.6 51.7 73.8
4310 ドリームインキュベータ 42.8% 5.7% 7.0 141.9 22.2
4324 電通 19.4% 8.2% 9.4 87.8 10.4
6088 シグマクシス 0.0% 23.2% 2.2 11.2 7.4
2433 博報堂DYホールディングス 51.3% 5.0% 53.9 1,071.6 6.6
2193 クックパッド 19.4% 28.5% 18.1 45.1 21.7
9783 ベネッセホールディングス 86.2% 6.1% 222.2 3,679.3 235.1
2432 ディー・エヌ・エー 13.7% 26.9% 47.9 135.9 42.3
4544 みらかホールディングス 32.8% 20.5% 269.9 1,418.3 356.0
2413 エムスリー 34.6% 22.0% 50.5 169.7 81.1
2183 リニカル 35.7% 25.1% 2.5 6.9 5.0
2337 いちごグループホールディングス 12.6% 11.3% 52.2 901.6 85.1
4321 ケネディクス 0.0% -23.0% -5.5 640.8 168.3

  (注)金額は百万円

 

ROEは企業の投下資本に対する総合的な稼ぐ力、 配当性向は企業の株主への利益還元姿勢を示します。 ROEが一定水準以上あり配当性向の高い企業は、今後も資本効率よく収益を稼ぎながら従業員への還元も続けて行く可能性が相対的に高いと考えられます。 上記表より、ROEが一定水準あり、配当性向が相応に高い企業として、みらかホールディングス(株)、エムスリー(株)、(株)リニカル あたりが挙げられます。 (上記で述べたように、従業員数が少ない上に勤続年数が少なく、今後も給与変動が想定されることから、(株)日本M&Aセンターは除いています。)

 

エムスリー(株)はソニーの関連会社で、医師向け情報サイトを通じ製薬会社の情報提供を支援する企業です。 同社とみらかホールディングス(株)従業員一人当たりでみた経常利益や純資産額が業界内の平均水準より高く効率的な経営を続けていると想定され、同時に、従業員一人当たりの現金額も相対的に多いことから、今後の給与伸びの余地が他社対比あるのではないかと考えられます。

 

シミュライズでは引続き、企業の給与動向を見ていきたいと思います。

 

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