定年後に暮らすなら、都会と田舎どちらがいいの?

2023/11/10

長かったサラリーマン生活も、残すところあと数年。定年後はどんな風に過ごそうか、のんびり田舎暮らしでもしてみようかと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

テレビ番組や雑誌など、移住や田舎暮らしに関する情報は私たちの周りにあふれています。では実際のところ、都会と田舎どちらがお得に暮らせるのでしょうか?この記事では、都会と地方の暮らしについて解説します。

都会で暮らす

まずは都会での暮らしを考えてみましょう。定年後の生活を想像するとき、自分にとって何が一番重要ですか?それを頭に入れながら、都会で暮らすメリット・デメリットを見ていきましょう。

都会で暮らすメリット

都会で暮らすことの大きなメリットは、便利であるということです。電車やバスといった交通網は充実していますし、百貨店やスーパーなど買い物をする場所もたくさんあります。高齢になってからの生活では、体がうまく動かせなくなるなどのリスクに備え、このような周りが便利であるということは重要になります。

次に、忘れてはならないのは医療機関です。都会であれば多くの病院があり、そこへ通うにも交通手段がたくさんあります。高齢者にとって、いざというときに病院が近くにあり、通いやすいことは大きな安心感につながり、精神的な負担も減らせるかもしれません。

また、定年後に時間に余裕ができた場合、都会であればレジャーや娯楽が多く退屈しないでしょう。単調になりがちな毎日に刺激を与えてくれるかもしれません。

定年後も仕事を続けたいと考えている方にとっては、仕事が見つけやすいことも大きな魅力です。年金だけで生活するのは難しい場合もあるので、健康で気力のあるうちは働いてみるのもよいでしょう。パートやアルバイトであっても、年金以外に収入があることは大きなメリットです。働くことで体力を維持し、金銭面でも余裕ができれば、とても合理的でしょう。

都会で暮らすデメリット

反対に利便性が高いことによるデメリットもあります。交通の便が良く、買い物する場所も近くにたくさんあるということは、もちろん住む人も多くなるので、家賃が高くなる傾向にあります。年金生活において、家賃が高いことは便利であってもネックな部分になるかもしれません。持ち家でない限り家賃の支払いは一生涯続くので、生活費における住居費の大きさはポイントになります。

レジャー施設などが多くなると、それを利用する費用も多くかかります。買い物をする機会が多ければそれだけ出費も増えるでしょう。都会での暮らしは、便利であるがゆえに生活費が多くなるのは仕方ないことかもしれませんが、長く続けば家計に影響が出る可能性もあります。

長くサラリーマン生活を続けてきて、定年後はストレスから解放され、自然の中でゆっくりと生活したいなどと考えている方にとっては、都会の中での暮らしは逆にストレスを感じてしまうかもしれません。

田舎で暮らす

定年後は、地方の実家に戻って生活しようとか、自分で野菜や果物などを作って自給自足の生活をしたいなど、田舎での暮らしを考えている方も多いかもしれません。次に田舎暮らしのメリット・デメリットを考えてみましょう。

田舎で暮らすメリット

田舎暮らしのメリットは、やはり自然が多いことでしょう。山や海などの自然に囲まれた生活は、ストレスも少なく時間の流れもゆったりと感じるかもしれません。都会の人の多さや通勤ラッシュなどから解放されたいと考えている方には大きなメリットとなるでしょう。

また、都会に比べて、一般的に家賃が安いこともメリットです。現在、地方での空き家問題は深刻で、自治体も対策に乗り出しています。民間でも空き家をリノベーションして販売しているところや、仲介をしてくれる会社もあり、大きな庭のある戸建てが驚くような破格の値段で手に入る場合もあります。住まいにかかる費用を抑えるための方法として、自分が将来住みたい地域の情報を調べておくのも良いでしょう。
田舎暮らしでは、自分たちの食べるものを自分たちで作る自給自足の生活を送ることもできます。畑にできるような土地付きの家を借りて、野菜や果物などを自分で作ることで食費を抑えることができます。毎日の食費は支出の中でも大きな割合を占めるので、その節約は家計費全体の節約につながります。また、田舎ではご近所づきあいが密な場合が多く、おすそ分けをいただけることもあるでしょう。新しい場所での生活は不安もありますが、そんな時のご近所のおつき合いは大きな支えにもなります。

田舎で暮らすデメリット

こちらは都会のメリットの反対になりますが、交通の便が悪いことが挙げあれます。田舎暮らしでは、車を利用した移動をしなければならないことが多くあることを入れておきましょう。家族が多い場合には、1人1台車が必要になることもあります。車は購入費だけではなく、車を動かすためにガソリン代や車検などの維持費がかかります。一軒家であれば駐車場代はかからないことが多いと思いますが、マンションやアパートなどでは、基本的に毎月駐車場代がかかります。

前述の車が必要な理由にもなりますが、近くに買い物ができる場所が少ない可能性があります。買い物に行くにも車で数十分も走らなければならないこともあります。今は大きなショッピングモールなどができているところも増えていますが、小さな商店では品ぞろえが少ないことも多く、不便と感じることもあるでしょう。

また、近くに医療機関がない場合があります。病院に行くにも交通の便が悪かったり、時間がかかることは高齢者にとって大きな負担になります。遠くに住んでいる家族にも心配や迷惑をかけることにもなりかねません。

先ほどメリットでもふれたご近所づき合いも、最初はありがたいかもしれませんが、負担になってくる可能性もあります。田舎は共同体意識が強く、地域での活動や行事も多いので、それを避けて通ることはできないでしょう。

年金以外の収入を得たいと考えた場合、仕事を探すのは困難です。特に高齢者の場合、農業をする以外には仕事を見つけることは難しいでしょう。

都会と田舎はどちらがいい?

ここまで見てきたように、都会と田舎どちらにもメリット・デメリットがあります。この都会、田舎のメリットとデメリットをそれぞれ見ていただいて分かる通り、それらはほとんど表裏一体です。

例えば、田舎に住むことで住居費が安く住むことや食費が少なくなることはありがたいことですが、車での生活となれば購入費や維持費がかかるなど家計にはプラスとマイナスのどちらの影響もあります。定年後の生活を考えた場合、どちらが金銭的にお得かということよりも、自分にとって何が最優先なのかを考えることが大切かもしれません。

自分に合った場所を選ぼう

人生100年時代と言われる今、定年後の生活は思っているよりも長くなる可能性があります。何よりも大切なのは、自分が将来どんな生活を送りたいかを考えることです。

老後のお金のことで不安になるのは、自分の家計の収入と支出が把握できていないからです。まずは自分が年金をどのくらいもらえるのかを知り、いつまで働くのかを考えてみましょう。そして、今の支出がどのくらいなのかまずは大まかで良いので計算してみましょう。そうすれば、今後自分が生活するのにどのくらい必要なのかが見えてきます。

これを理解した上で、自分はこれからの人生をどこで暮らしたいのかを考えてみてはいかがでしょうか?何が大切なのかは人それぞれです。これまでがんばってきた自分に向き合い、自分に合った場所を選ぶことが大切です。

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