車購入資金をNISAで準備する人っているの?あなたにとってベストな購入方法を見つけよう!

2023/12/27

この記事では、少しでも費用を抑えて自動車を購入するために、NISAや投資信託を活用する方法を、投資が未経験な方にも分かりやすく紹介しています。
自動車は高い買い物なので、全額を貯めてから購入するのはなかなかハードルが高いです。一方、ローンを組むと多くの利息を払うこととなり、損をしてしまいます。
少しでも趣味など自分の好きなことにお金を回せるように、自動車購入にかかる費用から購入代金の支払い方法、購入代金を抑えるためのNISA活用方法などを解説しています。

この記事はどんな人に向いている?
・数年後に自動車購入をするためにお金を貯めている人
・自動車の購入代金を少しでも抑えたい人

この記事でどんなことがわかる?
・自動車購入にかかる費用
・自動車購入資金をNISAで積み立てるメリット
・NISA活用で何年後に車が購入できるようになるか

 

自動車購入時にかかる費用ってどんなの?

自動車の購入時は車両代金だけを用意すれば良いと思っていませんか?車両代金以外にも必ず発生する出費があります。どのような出費が発生するのかを紹介していきます。

購入時にかかる費用は主に以下の通りです。

 

車両代金

車両代金は、車種やグレード、新車か中古車か等によって価格は様々です。
また、カーナビなどのオプションをつけた場合は、その分の費用も必要です。

 

自動車税、軽自動車税、その他税金

<自動車税、軽自動車税>

自動車を所持している場合、普通自動車は自動車税、軽自動車は軽自動車税を課されます。自動車税は、車の排気量に応じて税額が変わりますが、軽自動車税は税額が毎年一律です(新車登録の時期によって税額が異なる)。

<環境性能割>

自動車取得時(購入・譲渡)に課される税金です。車両購入価格に税率をかけたものが税額となり、税率は燃費がいい車ほど低くなります。

<自動車重量税>

自動車の重量に応じて課される税金で、車検の際に車検証の有効期間分を支払います。

<消費税>

車両価格やオプション代金などに課される税金です。

 

保険料

<自賠責保険>

すべての自動車に加入が義務付けられている保険です。対人事故の場合にのみ保険金が支払われるため、運転者自身や車両等の補償はありません。保険料は車種によって異なります。

<自動車保険>

任意加入の保険です。自賠責保険では補償されない運転手自身や車両等も補償されます。保険料は車種や補償金額によって異なります。

 

その他費用

  • リサイクル料金
  • 車庫証明申請手数料、標章交付手数料
  • 検査登録代行費用(車両登録を販売店で代行してもらう場合)
  • ナンバープレート代(希望の番号にする場合)

税金、保険料等諸費用は車種によって異なりますが、購入時の諸費用(自動車税、自動車重量税、自賠責保険)を合計すると約3〜15万円かかります。
具体的に知りたい方は、各ウェブサイトで確認しましょう。

 

自動車購入資金、支払いってみんなどうしてるの?

購入代金の支払い方法をどうするか考えていますか?支払い方法の選び方は人それぞれで、必ずこうすべき、というものはありません。
自分に合った支払い方法を選択できるように、まずはどんな支払い方法があるのかを確認しましょう。

自動車購入の主な支払い方法には以下のような方法があります。

  • マイカーローン
  • ディーラーローン
  • クレジットカード
  • 現金一括購入

世間の自動車購入の際の支払い方法は、下記のような利用割合のようです。

 

出典:北陸銀行 車の購入は現金一括が1番お得?現金とマイカーローンのメリット・注意点を比較https://www.hokugin.co.jp/cs/loan/mycar/contents/001.html

 

現金一括購入が6割弱、自動車ローンが3割強と、現金一括購入が多くを占めています。

各支払い方法のメリット・デメリットは以下の通りです。

 

自動車購入資金をNISAで積み立てるメリットは?

自動車の購入は多くの人にとって経済的に大きな負担となります。
一般的には、自動車ローンを利用する場合が多いですが、毎月利息が発生し総支払額が増えます。

そこで紹介したいのが、新NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠です。新NISAには一括で比較的大きな金額を投資する「成長投資枠」と毎月積み立てていく「つみたて投資枠」があります。
(従来のNISAにも同じような考え方のつみたてNISAというものがありますので、今回の記事では現在のNISAも新NISAも含めて「NISA」として呼ぶことにします)

今回は預貯金が少なく収支の余剰資金を積み立てていくという想定で、NISAの「つみたて投資枠」で準備していきます。以下にその理由を詳しく解説します。

 

自動車ローンだと毎月利息を支払うため、総支払額が増える

自動車ローンを利用すると、元金の返済だけでなく利息も支払わなくてはなりません。ディーラーローンの金利の相場が4〜8%、マイカーローンの金利の相場が1〜3%と、毎月利息が発生し総支払額が増えます。

これに対し、NISA(つみたて投資枠)を利用すれば毎月の積立額で資産運用することができ、購入資金を効率的に増やすことができます。

結果として、積み立てた資金で現金一括購入する、もしくは自動車ローンの借入金額の割合を減らすことで、総支払額を削減することができます。

 

NISAは非課税なので利益がそのままもらえる

NISAのメリットは、金融商品を運用した利益に対して課税されないという点です。一般口座では、利息に20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用するとその制約がありません。つまり、得た利益が100%自分のものとなります。

 

普通預金口座と比較して高い利回りで運用できる可能性がある

普通預金口座と比較すると、NISAの運用商品は高い平均利回りで運用できる可能性があります。
金融庁のデータによると、分散投資で商品の保有年数が20年の場合、平均利回りは年率2〜8%とされています。
どの商品を選ぶかで平均利回りは変わるので一概には言えませんが、より高いリターンを期待できます。

 

実際に趣味のためにNISAを利用している人はいるの?

一般的に、資産形成や老後資金を蓄える目的でNISAを利用するイメージではありますが、実際には旅行や趣味のお金を増やす目的で利用する人もいます。
楽天証券の調査※1によれば、趣味のためにNISAを利用している人は1割弱とされています。
※1現在NISAを使っている人へ。NISAで投資をする目的は?|トウシル 楽天証券の投資情報メディア

数年以上かけて増やしていくため、「今すぐ車が欲しい!」という方には向いていませんが、子供が生まれたのを機に購入を検討している方や買い替えを見据えている方など、「ゆくゆくは車が欲しい!」という方にはNISAが有効な方法だと思います。

 

NISA vs 自動車ローン!あなたにとってベストな購入方法は?

車両価格285万円、諸費用15万円の自動車を購入するのに、NISA(つみたて投資枠)で資金を準備するには何年かかるか、貯めた現金で一括購入と全額マイカーローンでいくら差額が発生するかを検証してみましょう。
※あくまでシミュレーションであり、実際の運用結果とは異なります。

積立投資の平均利回りが2〜8%、マイカーローンの金利相場が1〜3%のため、平均利回り2%、5%、8%、適用金利2%で設定しています。また、調査によれば、つみたてNISAの積立額3万円程度積み立てている人が多い(オカネコマガジン調べ※2)ようなので、毎月の積立額は3万円で設定しています。
※2新NISAで積立額は2倍! みんなのつみたてNISAの積立額を調査 | オカネコマガジン

 

参考元:金融庁 資産運用シミュレーション
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html
※表の赤字は貯金からの支出額

 

上表は、全額ローンで購入するケースとNISAで購入資金を準備して現金一括購入するケースでどのくらい差があるのかを示した表です。この表を元にシミュレーションしてみましょう。

1)300万円の自動車を、全額ローンで購入する場合

返済期間8年で金利2%の場合、総支払額は約325万円となり、利息を約25万円支払うことになります。実質、車両価格が約10%上乗せされたとも言えます。

全額ローンが向いている人

  • 手元に資金はないけど、いますぐ車が欲しい人
  • 資金がないわけではないが、現金一括購入すると予期せぬ出費に備えられないという不安がある人

全額ローンが向いていない人

  • 安く買うことを重要視する人
  • 借金することに抵抗がある人

2)NISAで300万円を貯めてから現金一括で購入する場合

2%、5%、8%の利回りでシミュレーションすると、以下のようになります。

2%の場合:元金279万円、7年9ヶ月で300万円貯まる

5%の場合:元金252万円、7年で300万円貯まる

8%の場合:元金231万円、6年5ヶ月で300万円貯まる

 

平均利回り8%のNISAと金利2%のマイカーローンで比較すると約94万円もお得になります。
しかし、この方法だと実際に自動車が手に入るのは早くて6年半後です。
「そんな先のことはわからない」「待ちきれないよ」という方もいるかもしれません。

 

出典:milize Pro
https://milize.net/milizepro

そんな方には、NISAで頭金を貯めた上でローンで購入するなどの方法もあります。

 

参考元:金融庁 資産運用シミュレーション
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

 

3)4年間NISAで貯めた後、残金をローンで支払う場合

2%、5%、8%の利回りでシミュレーションすると、以下のようになります。

2%の場合:元金147万円、4年1ヶ月で150万円貯まる

5%の場合:元金138万円、3年10ヶ月で150万円貯まる

8%の場合:元金132万円、3年8ヶ月で150万円貯まる

 

残金150万円を金利2%のマイカーローンで返済すると、以下のようになります。

返済元金150万円、返済期間4年で支払利息6.2万円、総返済額156.2万円

 

全額ローンで買う場合と比べて総返済額に18.7万円もの差が出ます。
もし、アウトレットに出かけたなら、18万円分のブランド品が購入できますね。

 

NISAで貯めて現金一括で購入するのが最もお得ですが、300万円の自動車を購入するには早くても6年半かかってしまうため、NISAとマイカーローンを併用し、支払利息をできる限り減らして購入する手段も有効と言えるでしょう。

 

「いやいや、200万円の車を購入する予定なんだけど」「毎月の積立額を5万円にしたら何年で貯まるの?」など、自分でシミュレーションしたいという方は、milize Proでシミュレーションすることができます。
個人の方であれば、無料の会員登録で積立投資のシミュレーションが利用できます。自動車ローンの金利一覧表もありますので、金融機関選びにも活用できます。

 

出典:milize Pro
https://milize.net/milizepro

以下、NISAで積立投資をする際の注意点です。

積立投資は長期間続けることで運用益の増加幅が増え、元本割れする可能性が低くなる傾向があります。あまりに短い期間だと元本割れの可能性があるのでその点は注意しましょう。

これはあくまでシミュレーションであり、実際の運用結果とは異なります。

 

まとめ

自動車購入資金を増やす方法として、NISAを活用することは有効ということがお分かりいただけたでしょうか。
普通預金口座と比較すると、NISAの運用商品は高い平均利回りで運用できる可能性があり、税金もかからず、より多くの利益を得られる可能性があります。
ただし、運用にはリスクも伴うため、しっかりとしたリスク管理と、目的に応じた運用プランの選定が必要です。
自分自身のライフスタイルや購入計画に合わせて、賢くNISAを活用してみてはいかがでしょうか。

 

執筆者プロフィール

小美野 美咲子(株式会社MILIZE 金融マーケティング部所属)

神奈川県出身。FP2級を取得。
前職にて、窓口テラー、個人リテール、融資業務を経験。個人の人生を豊かにするべく、FP知識や個人リテール経験等を活かした金融の記事を執筆していく。



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