一生でメイクにかける費用はどのくらい?家計に影響はあるの?

2022/07/13

みなさんは理想のライフプランを実現するために、一体いくらお金がかかるのか考えたことがありますか?結婚、子育て、住宅購入、そして老後...人生にはさまざまな節目があり、そのときどきで必要となるお金。そんな人生のお金の悩みをFPたまるんがライフプランシミュレーションを使って解決してくれます。

皆さん、メイクにどのくらいのお金をかけていますか?

「えっ?ちょっと家計からも出しているけど、必要経費よね。」という方も「あまりお金はかけてないな。」という方もいらっしゃるかも知れません。

今回は、そんな個人差が大きいメイク代を一生でどのくらいかけているのか、また家計に与える影響はあるのかを検証してみたいと思います。

個人差が大きいメイク代

「メイク代」と一括りにしていますが、美しくなることを目指すと様々な費用がかかりますよね?

メイクに使う化粧品もそうですし、化粧品を使う道具代もかかります。そして、それらのメイクを効果的に使うために、スキンケアに力を入れている方もいらっしゃるでしょう。

まずは、どのようなポイントでメイク用品を選んでいるか考えてみましょう。

どのようなポイントで選ぶ?

メイク用品を購入するときのポイントはどのような点でしょうか?

例えば好みのブランドがある方はそのブランドをメインに購入されるかもしれません。肌が弱い方などは、メイク用品の成分を重要視しているかもしれません。それに、自由になるお金の範囲で購入するのですから、価格も検討されるのではないでしょうか?

値段・ブランドイメージ・機能面など、選択するポイントがたくさんあり、どれを優先させるかは個人によって大きく異なります。

お気に入りのブランドで買いそろえたらいくらになる?

メイク用品は、ブランドも多いですよね?

そして、「プチプラ」と呼ばれる手に入りやすい価格でかわいいメイク用品や、「デパートコスメ」と呼ばれる高品質の物もあり、価格帯も大きく変わります。

そこでブランドによって購入費にどの位の差が出るのか比較してみたいと思います。ここでは、スキンケア用品とメイク用品として次の商品を比べました。

スキンケア商品:化粧水、乳液
メイク用品:ファンデーション、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウ、口紅

中には、「これでは全く足りない」という方もいらっしゃるかも知れませんが、参考としてご覧ください。また、一部のブランドを元に調査しましたので、全ての商品がこの価格帯に入るわけではありません。この点もご理解ください。

メイク用品 プチプラコスメ価格帯 デパートコスメ価格帯
化粧水 1,200円~2,300円 7,700円~16,000円
乳液 1,700円~2,500円 6,300円~69,000円
ファンデーション 880円~2,000円 6,500円~19,000円
アイライナー 700円~1,500円 3,500円~5,300円
アイブロウ 500円~1,500円 3,500円~7,000円
アイシャドウ 550円~2,000円 4,300円~8,600円
口紅 550円~2,000円 4,400円~13,000円

表1 プチプラコスメとデパートコスメの価格帯比較(FPサテライト調べ)

プチプラコスメは、どの商品も2,000円程度で1つの商品が購入できるようです。スキンケア用品では1,000円程度から、メイク用品では500円程度から購入できるのはさすがのコストパフォーマンスですね。

一方のデパートコスメのスキンケア商品は6,000円以上でした。中には7万円近い乳液もありました。アンチエイジングなど、機能面に力を入れている商品もあり、品質にこだわる分、価格に反映されているのかもしれません。

もし、これらをまとめて買った場合、プチプラコスメでは、最安値であれば約6,000円で全て揃います。一方、デパートコスメでは、最大約13万8,000円が必要です。

とはいえ、中には、プチプラとデパートコスメを使い分けている人もいらっしゃいますよね?普段はプチプラコスメでも、必要に応じてデパートコスメを使う人、基本的にデパートコスメを使うけれども、スキンケアはプチプラを使う人など様々ではないでしょうか。

では、メイク費用の平均はどの位なのでしょう?また、家計に及ぼす影響はあるのでしょうか?

メイクにかける支出はどのくらい?

今回は、総務省が調査している家計調査の結果をもとに平均額や、家計への影響を調査していきたいと思います。

メイク用支出は年齢によって変わる?

2021年度の家計調査結果をもとに、年齢による1年間のメイク費用とスキンケア費用の推移をグラフにしました。家計調査の支出額は世帯単位で算出しているため、メイク費用なども世帯単位で算出しています。

図の縦軸は1年間の支出額、横軸は世帯主の年齢を表しています。
グラフの推移を見ると、概ね以下のような傾向が見られました。

・スキンケア費用は40代を越えるころから少しずつ費用が上がり60代がピークとなりました。70歳以上では、一転して費用が少なくなっています。もしかすると、スキンケアは、年齢が上がると機能性が高いものを選ぶようになるため、比較的高価になるのかもしれません。

・メイクアップ費用は30代で一度落ち込むものの、40代からは費用が上がっていき、50代がピークでした。60代からは一転して徐々に費用が少なくなりました。

・年齢から推察すると、子育て中心になる30代頃にはメイクを少し控えめにするのかもしれません。子育てがひと段落すると、仕事などで外に行く機会が増えるとまたメイクするようになるのかもしれません。

家計に影響はある?

では、メイク用の支出がどの位家計に影響があるか見てみましょう。

今回は、メイクにかける支出が家計調査をもとに算出した年収の何%を占めているか計算してみました。この計算では、スキンケア費用とメイクアップ用費用を足した合計を「メイク費用」として考えています。

その結果がこちらです。

 年齢 39歳以下 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上

メイク費用の割合(%)

0.44  0.42  0.41  0.55  0.55 

表2 メイク費用が年収に占める割合
2021年度家計調査(総務省)をもとにFPサテライトにて算出

この表からどの年齢層も年収の1%にも満たない金額であることが分かります。平均額で比較すると、メイク費用は家計に大きな影響を与えているとは言えないのではないでしょうか。

メイク費用、一生涯ではトータルいくら?

メイク費用は、図1を参照すると1年間でトータル3万円程度、年収に占める割合は表2から0.5%程度でした。

では、一生涯ではどの位かかるのでしょう?

家計調査のメイク用支出をもとにメイクにかけるお金の総額を計算し、グラフ化しました。世帯主は20歳の時から75歳まで年代毎の平均額分のメイクを購入するものとして計算しています。

縦の軸がスキンケアとメイクにかける費用の総額、横軸が世帯主の年齢です。総額のグラフでは、年齢と総額はほぼ直線になり、75歳時の総額は約170万円となりました。

図1ではスキンケア費用とメイクアップ費用に年齢による特徴が見られましたが、生涯全体で見ると、どの年代もそれほど大きな差はないことが読み取れます。

メイク代の家計への影響は小さい

今回は個人差が大きいメイク代について考えてみました。

メイクを趣味にしている方や、自己投資だと考えている方にとっては、ある程度の支出は仕方がないと考えるかもしれません。

一方、仕事上で失礼がない程度に、という方であれば、最低限の支出で抑えようとする場合もあるでしょう。

今回の調査では、平均額では家計への影響はあまりない程度のようです。皆さん、自由になるお金の中でメイクを楽しんでいらっしゃるのではないでしょうか。

<執筆者>

黒川 一美(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
大学院修了後、IT業界でセールスエンジニア・営業企画として働き、出産を機に退職。
家計を守る立場になり、お金との向き合い方を見つけるためFP資格を取得。
現在は独立系FP法人であるFPサテライト株式会社所属FPとして活動中。
3人の子育て中の母でもある。

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