世帯年収600万円、私立理系に進学しても大丈夫?教育費を準備するポイントを解説!

2023/05/11

みなさんは理想のライフプランを実現するために、一体いくらお金がかかるのか考えたことがありますか?結婚、子育て、住宅購入、そして老後...人生にはさまざまな節目があり、そのときどきで必要となるお金。そんな人生のお金の悩みをFPたまるんがライフプランシミュレーションを使って解決してくれます。

今回のテーマは「教育」です。子どもには好きな道を歩ませてあげたいと思う一方、このままの家計で大丈夫かと不安な気持ちを抱えている方も多いことでしょう。そんなとき家計シミュレーションで先を見通すことができたら、その不安を和らげることができるかもしれません。

結婚1年目、千葉県在住の聡太(そうた)友香(ゆか)
現在友香は妊娠5ヶ月。少しずつ膨らんでいくお腹を撫でながら、幸せな気持ちで将来のことをあれこれ考えています。その隣で聡太は趣味のゴルフ道具の手入れに余念がありません。そんなとき、友香がインターネット検索で何かを発見したようで...。

友香
(カタカタ...ポチッ)....えっ!うそっ!!
なに〜どうした?
聡太
友香
これみて!「子ども1人あたりにかかる教育費は少なくとも1,000万円」だって!
そんなにかかるなんて...私と聡太のお給料で大丈夫かなぁ。
(ゴルフクラブを磨きながら)ふ〜〜〜〜ん
聡太
友香
「ふ〜ん」って...全然聞いてないじゃない!いつもゴルフのことしか考えてないんだから〜。
(ギクッ)ち、ちゃんと考えてるよ!他の家庭だって何とかなってるんだから、うちも大丈夫だって〜
聡太
友香
そんなこと言って、もし教育費が足りなかったら聡太のゴルフ代から削ってもらうからね!
えぇっ!ちょっと待ってくれよ〜。じゃあさ、このままの家計で大丈夫かどうか調べてもらおうぜ。おーーーい、たまる〜ん!!
聡太
たまるん
は〜い!お金の悩みはぼくに任せてね!
きゃーっ、びっくりしたぁ!って、だ...だれ?!(よく見るとかわいいかも...)
友香
聡太
FPのたまるんさ!お金のことはすっごく頼りになるんだぜ。
へへっ、それほどでも〜〜。教育費のことで悩んでるみたいだね。そもそも2人は教育費ってどんな支出があるかちゃんと知ってるかい?主な費目を表にまとめてみたよ!
たまるん
コツコツ貯めておきたい教育費 大学進学に関する費用(受験費用、学校納付金、仕送り、一人暮らしを始めるための費用など)、小学受験・中学受験費用
毎月の収入からやりくりする教育費 幼稚園〜高校までの授業料、塾・習い事など
さっき「子ども1人にかかる教育費は少なくとも約1,000万円」って言っていたけれど、それはこれらの教育費をすべて含めた金額のことだよ。一度に1,000万円の支出が必要になるわけじゃないから安心してね。
たまるん
友香
そうだったんだ〜よかった!
一般的にみんなが学資保険などで備えているのは「コツコツ貯めておきたい教育費」の方さ。小学・中学受験や大学進学には一度に100万円以上の大きな金額がかかるから、なるべく子どもが小さい頃から備えておく必要があるんだよ。
たまるん
友香
大きな金額って、具体的にどれくらいなの?

えーとね、国公立大学に4年間通った場合は約250万円。私立文系なら約400万円、私立理系なら約540万円くらいだね。私立の医歯系に6年通った場合は約2,000万円と桁が変わるよ。

※下記資料を参考に試算
文部科学省HP>平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額について
文部科学省HP>国公私立大学の授業料等の推移

この金額は入学金と授業料(私立大学は設備費も含む)だけだから、受験費用や一人暮らしの費用もプラスαで準備できるとなおいいね。

たまるん

友香
そんなに貯められるかなぁ。。やっぱりゴルフ代は削るしかないかも。。
まぁまってよ!子どもが生まれたら中学校を卒業するまでの間にもらえる「児童手当」があるでしょ。この児童手当をぜーんぶ貯めたら約200万円だから、このお金を上手に活用して、足りない分を貯蓄で備えられたらいいよね。 だから児童手当は生活費とまちがえて使ってしまわないよう別の口座に入金してもらうと安心だよ!
たまるん
友香
児童手当ってありがたいなぁ。あと、やっぱり学資保険って入った方がいいのかな?
大学資金を備えるには「学資保険」が有名だけれど、学資保険以外の保険や、財形・積立定期といった「預貯金」、投資信託や国債などの「投資」で備えている人もたくさんいるよ!それぞれにメリットデメリットがあるから、自分にあったものを選ぶことが大切だね。
たまるん
主な教育費の準備手段 メリット デメリット
保険 ・万一の保障がある

・強制的に積立できる

・払込額に対して受け取れるお金があまり増えない

・途中解約すると払込額が解約返戻金を下回る

預貯金 ・すぐに始められる

・引き出しや積立額変更など柔軟な対応が可能

・利率がとても低い

・すぐに引き出せてしまうため、他の用途に使ってしまう懸念がある

投資 ・保険や預貯金に比べ、想定利回りがいい ・元本割れのリスクがある

・不慣れな人にはハードルが高い

聡太
さっすがたまるん!教育費の基本の考え方がよくわかったよ。
ところで俺のゴルフ代は削らなくていいってことだよね?
う〜ん、それは2人の家計をみてみないとなんとも言えないな。 そんなときは家計シミュレーションだね!子どもの進路はどうやって設定する?
たまるん
友香
選択肢は広げてあげたいから、幼稚園は私立、小学校から高校は公立、大学は私立理系でお願いしまーす!

※シミュレーション前提条件

結婚1年目の夫婦 (千葉県在住)
聡太(そうた)年齢28歳/食品メーカー勤務/年収:480万円/退職金1,200万円/ゴルフが趣味(月2.5万円支出)

友香(ゆか)年齢28歳/子どもが幼稚園入学後にパート勤務希望(年収120万円)

■夫婦の家計状況
・現在の生活費:20万円(保険・住居除く)子どもが生まれたら月3万プラス
・預貯蓄:300万円
・保険料(毎月2人分)1万5,000円
・特別費:30万円(旅行など)、15万円(家具家電など)
・住まい:昨年分譲マンション購入を3,500万円で購入(フラット35、借入額3,000万円、金利1.3%、毎月返済額8.9万円、固定資産税年10万円、火災保険と地震保険年2万6,000円)
・車はカーシェアを利用(月1万3,000円程度、生活費に含む)

■将来の予定/来年第一子誕生予定/子どもの希望進路→私立幼稚園4年間、小中高は公立、大学は私立理系

現役期は問題なし、老後71歳でキャッシュアウト

たまるん
おっけー!その条件で家計シミュレーションしてみると...

milize pro ライフプランシミュレーション

たまるん
徐々に資産額が増えているし、現役時代は問題なさそうだね!
ところが定年後、退職金をもらってからガクっと資産額が落ちて、聡太が71歳の時点でキャッシュアウトしてしまうね。これは年金を受け取るまでの無収入期間が大きな要因だよ。老後だからまだ先の話ではあるけれど、早めに対策をとっておいた方がよさそうだね!
やっぱりゴルフ代削減か...
友香
たまるん
実はこっそりゴルフ代なしバージョンもシミュレーションしてみたんだよ。そしたら残念ながら、月2万5,000円のゴルフ代を減らすだけじゃ、老後のキャッシュアウトのタイミングが85歳に遅くなるだけでキャッシュアウト自体に変わりはなかったんだ。

支出の削減と収入の増加、両面から対策を取っておく必要がありそうだね。

い、いつの間に〜!収入を増やすとなると、私の方が調整しやすいわよね。月2万円くらいなら増やせるかな?
友香
たまるん
じゃあ、生活費の支出を月1万円減らして、友香の年収を年24万円増やしたと仮定してみよう。でもそれだけじゃ心許ないから、2人とも定年を65歳に延長してみてもいいかい?
いいよたまるん!65歳なんて若い若い!
聡太
たまるん
オッケー!そのときの聡太のお給料は今の60%くらいの300万円に設定するね。

収支の改善、65歳までの勤務で老後収支は一生涯プラス

たまるん
そのときの家計シミュレーションは...じゃ〜ん、こんな感じ!

milize pro ライフプランシミュレーション

やった!老後もマイナスじゃなくなったぞ!
聡太
友香
ほんと!よかったぁ〜。子どもの進路も大切だけど、自分たちの老後も大切だもんね。
そうだね、子どもが生まれるとつい目の前のことで精一杯になっちゃうんだけど、子どもが独立したらすぐ目前には老後が迫っている。子育てが一段落しても自分たちの人生はまだまだ続くから、先を見越して行動しておくことが大切だよね。
たまるん
友香
そうね!やっぱりまずは、月1万円ゴルフ代を減らしてもらうことから始めましょ!
ちょっとちょっと、何を削減するかはちゃんと夫婦で話し合って決めないとだめだよ〜。 聡太の話もちゃんと聞いてあげてね!
たまるん
聡太
うんうん、そうだよな!たまるん、ありがとう〜
なんかたまるん、さっきから聡太の味方ばっかりしてない??
あっ、もしかして...たまるんも奥さんに内緒の趣味があるとか〜
友香
たまるん
じゃ、じゃあぼくはこのへんで失礼するよ!またお金で困ったことがあったらいつでも呼んでね。ばーいばーい!!!
図星だね...
聡太・友香

<執筆者>

金井 優子(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
兵庫県出身、藤沢市在住。新しい分野への挑戦が好きで、CA、フリーアナウンサーを経てFPに。現在は年子男子の育児をしながら、FPとして活動している。出産後の家計管理に奮闘した経験から、子育て世代に寄り添うFPを目指している

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