株式会社ブリヂストン(以下ブリヂストン)と横浜ゴム株式会社(以下横浜ゴム)は共に国内を代表するタイヤメーカーですが、2社は待遇面でどう違うのか比較してみました。
ブリヂストンと横浜ゴム、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て共にタイヤ業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社ブリヂストン】
ブリヂストンは1931年設立の世界最大のタイヤメーカーです。
1932年から輸出を開始し150カ国以上の国で事業を展開しています。
売上の80%はタイヤ事業で、一時期はF1でもブリヂストンのタイヤが使われていました。
ゴムを使った製品では建築用の免震ゴムなども手掛けています。
グループ全体ではスポーツ事業や自転車事業も行っています。
創業者の石橋正二郎氏は財団を作っており美術館事業や、芸術・文化教育活動の支援を行っています。
また石橋正二郎氏の孫には民主党の創設者の一人であり、首相も務めた鳩山由紀夫氏がいます。
【横浜ゴム株式会社】
横浜ゴムは1917年創業の日本最古のタイヤメーカーです。国内3位で韓国のクムホタイヤと技術提携しています。
売上高の約80%をタイヤ事業が占めますが、その他にマルチプル事業、スポーツ事業を展開。
消費財タイヤがメインでしたが、農機向けタイヤ大手のアライアンス・タイヤ・グループを買収したことにより生産財タイヤの強化を狙っています。
2015年からイングランド・プレミアムリーグのチェルシーのスポンサーとなっています。
チェルシーのユニフォームの胸のロゴは"SAMSUNG"から”YOKOHAMA”に変わりました。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成27年の業績】 (単位円)
ブリヂストン
|
会社
|
横浜ゴム
|
3兆7,903億 |
経常収益
|
6,299億
|
3兆6,740億 |
前年
|
6,252億
|
3.1% |
対前年度比
|
0.7%
|
5,073億 |
経常利益
|
493億
|
2,843億 |
当期純利益
|
363億
|
2,509億 |
包括利益
|
272億
|
58.2% |
自己資本比率
|
47.7%
|
売上高はブリヂストンが横浜ゴムの6倍以上ありその差は3兆円を超えます。
経常利益はブリヂストンが横浜ゴムの10倍以上あり、その差は4,500億円を超えます。
売上の成長率もブリヂストンが横浜ゴムを上回ります。
売上、利益、成長率全てでブリヂストンが横浜ゴムを上回っています。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【2017年4月入社社員 初任給(単位:円)】
ブリヂストン
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学歴
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横浜ゴム
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記載なし
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博士了
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250,100
|
246,200
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修士了
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233,100 |
225,000
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大卒
|
213,100 |
記載なし
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専攻科卒
|
213,100 |
ブリヂストンは博士了と専攻科卒の記載がありません。
比較が出来る修士了と大卒ではともにブリヂストンが横浜ゴムを上回ります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
ブリヂストン | 13,843 | 39 | 13.4 | 6,804 |
横浜ゴム | 5,263 | 38.7 | 15.2 | 6,176 |
従業員数はブリヂストンが横浜ゴムを大きく上回ります。
連結で比較するとブリヂストンの144,303人に対して横浜ゴムの22,187人と差は更に大きくなります。
平均年齢はブリヂストンが0.3歳高く、勤続年数は横浜ゴムが1.8年長いです。
平均年間給与はブリヂストンが62.8万円多いです。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | ブリヂストン | 横浜ゴム | 差額(ブリヂストンベース) |
25 | 4,780 | 4,366 | 414 |
30 | 5,595 | 5,110 | 484 |
35 | 6,267 | 5,725 | 542 |
40 | 6,949 | 6,347 | 601 |
45 | 7,574 | 6,918 | 655 |
50 | 7,842 | 7,164 | 679 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全年齢層でブリヂストンが横浜ゴムを上回ります。
25歳時は41.4万円、ピーク時の50歳時は67.9万円ブリヂストンが横浜ゴムを上回ります、
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率等は同じ数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
ブリヂストン | 2億5,394万円 |
横浜ゴム | 2億3,196万円 |
ブリヂストンが横浜ゴムを2,200万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
ブリヂストン
|
9 | 261 | 106 | 87 | 0 | 50.4 |
横浜ゴム
|
10 | 386 | 133 | 0 | 4 | 52.3 |
横浜ゴムがブリヂストンよりも1人当たりの報酬額(年額)では190万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
ブリヂストン、横浜ゴムの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
ブリヂストン | 横浜ゴム | 差額(ブリヂストンベース) | |
65歳 | 6,349万円 | 5,592万円 | 757万円 |
85歳 | 5,960万円 | 5,394万円 | 566万円 |
65歳時にブリヂストンが757万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では566万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がブリヂストンの方、右が横浜ゴムの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
初任給は大卒、修士了でブリヂストンが上回ります。
平均年収もブリヂストンが62.8万円多いです。
年齢層別平均給与も全年齢層でブリヂストンが高く、25歳時で41.4万円、ピーク時の50歳時で67.9万円の差があります。
ブリヂストンの生涯年収(従業員として)は横浜ゴムのそれに比べ2,200万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇では、年平均で190万円ほど横浜ゴムが上回りました。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、やはりブリヂストンが上回っていて85歳時の差額は566万円です。
そのため今回はブリヂストンの勝ちとします。
業績から予想できるような形となりました。
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