日本医療研究開発機構(AMED)は昨年12月、日本発の新薬開発を加速するため、産官学のコンソーシアムを立ち上げ、オールジャパンの新薬開発力アップを図っている医薬品業界。
今日はその中でもリーダー的な役割である2社を比較してみる。
武田薬品工業株式会社と第一三共株式会社、待遇面でどう違うのか比較してみました。
武田薬品工業株式会社と第一三共株式会社、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て製薬業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【武田薬品工業株式会社】
武田薬品工業株式会社は売上高が国内首位の製薬会社です。
生活習慣病に強く、アリナミンやベンザブロックなどでも知られています。
以前掲載したユーグレナと包括提携をしています。
【第一三共株式会社】
第一三共株式会社は売上高が国内第4位の製薬会社です。
循環器と感染症薬に強みが有ります。
ルル、カコナール、ロキソニンなどでも知られています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【26年度の業績:連結決算】 (単位円)
武田薬品工業株式会社
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会社
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第一三共株式会社
|
1兆7,778億 |
売上高
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9,194億
|
1兆6,917億 |
前年
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8,991億
|
5% |
対前年度比
|
2.3%
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-1,454億 |
経常利益
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799億
|
-1,458億 |
当期純利益
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3,211億
|
-1480億 |
包括利益
|
3,662億
|
49.7% |
自己資本比率
|
65.8%
|
売上高では武田薬品工業株式会社が第一三共株式会社を8,584億円ほど上回っています 。
経常利益では武田薬品工業株式会社が赤字のため第一三共株式会社が大きく上回っています。
売上の成長率では武田薬品工業株式会社は前年対比で5%の成長を記録し、第一三共株式会社の2.3%を2倍以上上回っています。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【2017年4月入社社員初任給(単位:円)】
武田薬品工業株式会社
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学歴
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第一三共株式会社
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298,000
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博士
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278,000 |
264,000
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修士
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240,000 |
240,000
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学士(4年制)
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220,000 |
(注1:武田薬品は研究職、開発職、生産技術職、工務技術職、MR職、スタッフ職)
(注2:第一三共株式会社の6年制学士の初任給は修士と同じです)
どの学歴でも武田薬品工業は第一三共株式会社より2万円ほど高いです。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
武田薬品工業株式会社 | 6,780 | 39.4 | 14.3 | 9,455 |
第一三共株式会社 | 5,306 | 42.5 | 18.1 | 11,119 |
従業員数は武田薬品工業株式会社が第一三共株式会社より1,500人程多く、平均年齢は第一三共株式会社が3.1歳高く、勤続年数も3.8年長いです。
平均年間給与は共に高めですが、第一三共株式会社の方が160万円以上高く、1,000万円を超えています。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | 武田薬品工業株式会社 | 第一三共株式会社 | 差額 |
25 | 7,853 | 9,039 | 1,187 |
30 | 8,699 | 10,014 | 1,315 |
35 | 9,182 | 10,569 | 1,387 |
40 | 9,487 | 10,921 | 1,434 |
45 | 9,982 | 11,491 | 1,508 |
50 | 10,653 | 12,263 | 1,610 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
やはり共に高給取りの2社ですが、全年齢層で第一三共株式会社が上回っています。
25歳時でおよそ131.5万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ161万円の差があります。
第一三共株式会社は30歳の平均年収は1,000万円を超えています。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
武田薬品工業株式会社 | 3億6,912万円 |
第一三共株式会社 | 4億2,489万円 |
第一三共株式会社が武田薬品工業株式会社を5,577万円ほど上回っています。
武田薬品工業株式会社も十分高いですが、差額は分譲マンション並みにあります。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金 (百万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
武田薬品工業株式会社 | 8 | 556 | 370 | 483 | 0 | 176.1 |
第一三共株式会社 | 7 | 325 | 68 | 100 | 0 | 70.4 |
武田薬品工業株式会社が第一三共株式会社よりも1人当たりの報酬額(年額)でおよそ1億円多いです。
かなり大きな差がつきました。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
武田薬品工業株式会社、第一三共株式会社の現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
武田薬品工業株式会社 | 第一三共株式会社 | 差額 | |
65歳 | 7,312万円 | 8,988万円 | 1,676万円 |
85歳 | 4,172万円 | 4,974万円 | 802万円 |
65歳時に第一三共株式会社が1,676万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では802 万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が武田薬品工業株式会社の方、右が第一三共株式会社の方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
初任給は武田薬品工業株式会社が第一三共株式会社より2万円ほど多いです。
平均年収は共に高めですが、第一三共株式会社が武田薬品工業株式会社より160万円以上多いです。
また全年齢層にわたって第一三共株式会社が武田薬品工業株式会社より多いです。
生涯年収(従業員として)は第一三共株式会社が武田薬品工業株式会社のそれに比べ5,577万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇では、年平均で1億円ほど武田薬品工業株式会社が上回りました。
これはかなり大きな差です。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、第一三共株式会社が65歳時も85歳時も武田薬品工業株式会社を上回っていて、85歳時の差額は802万円ほどです。
そのため今回は役員まで登ると武田薬品工業株式会社、そうでないのなら第一三共株式会社の勝ちとします。
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