高島屋と三越伊勢丹ホールディングス、ともに老舗百貨店を抱える2社ですが待遇面でどう違うのか比較してみました。
高島屋と三越伊勢丹ホールディングス、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て百貨店業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社高島屋】
- 創業 1831年(天保2年)1月10日
- 会社設立 1919年(大正8年)8月20日
- 資本金 660億2,512万5,471円(2015年2月28日現在)
- 本社 大阪府大阪市中央
- 従業員数 14,662名(連結) 9,729名(単体)(2015年2月28日現在)
- 営業収益 2015年2月期 912,523百万円(連結)699,656百万円(単体)
- 経常利益 2015年2月期 35,904百万円(連結)14,503百万円(単体)
- 事業概要
- 百貨店事業
- 法人事業
- 通信販売事業
- グループ事業
- 企業理念
- 高島屋グループ経営理念
- 「いつも、人から。」
- タカシマヤグループは、「人を信じ、人を愛し、人につくす」こころを大切にし、社会に貢献します。
- 指針
- こころに残るおもてなし
- 未来を切り拓く新たな生活・文化の創造
- いきいきとした地域社会づくりへの貢献
- 地球環境を守るためのたゆまぬ努力
- 社会から信頼される行動
- 企業メッセージ
- 『’変わらない’のに、あたらしい』
- 伝統があるから、新しくなれる。時代に息づく心地よい価値をこれからも。
- 『’変わらない’のに、あたらしい』
- 「いつも、人から。」
- 創業の精神
- 店是
- 確実なる品を廉価(れんか)にて販売し、自他の利益を図るべし
- 正札掛値(しょうふだかけね)なし
- 商品の良否は、明らかにこれを顧客に告げ、一点の虚偽あるべからず
- 顧客の待遇を平等にし、いやしくも貧富貴賎(ひんぷきせん)に依りて差等を附すべからず
- 店是
- 高島屋グループ経営理念
株式会社高島屋は、皇室御用達の老舗百貨店を運営しています。
国の重要文化財と指定された日本橋店、日本初の郊外型ショッピングセンターである玉川高島屋ショッピングセンター店など国内19店舗、海外3店舗を有しています。
Jフロントリテイリングや三越伊勢丹ホールディングスのように百貨店業界が再編される中独立を維持しています。
【株式会社三越伊勢丹ホールディングス】
- 創業
- 三越 1673年(延宝元年)
- 伊勢丹 1886年(明治19年)11月5日
- 設立 2008年(平成20年)4月1日
- 資本金 501億円
- 本社 東京都新宿区
- 従業員数 26,000人(2014年4月1日 グループ連結)
- 売上高 1兆2,000億円(2014年度)
- 事業内容
- 百貨店業等の事業を行う子会社およびグループ会社の経営計画・管理ならびにそれに附帯または関連する事業
- 百貨店業等の事業
- 企業理念
- グループスローガン
- 向き合ってその先へ
- グループの姿勢
- 真摯に、しなやかに、力強く、向き合います。
- お客様一人ひとりと向かい合います。
- 仲間たちと向き合います。
- 株主の皆さまと向き合います。
- パートーナーの皆さまと向き合います。
- 地域、社会、地球と向き合います。
- 将来にわたり、かけがえのない信頼関係を築いていきます。
- 真摯に、しなやかに、力強く、向き合います。
- グループビジョン
- 「常に上質で新しいライフスタイルを創造し、お客さまの生活の中のさまざまなシーンでお役に立つことを通じて、お客さま一人ひとりにとっての生涯に渡るマイデパートメントストアとなり、高収益で成長し続ける世界随一の小売サービス業グループ」となる
- グループスローガン
老舗百貨店である三越と伊勢丹、岩田屋、丸井今井が経営統合してできた企業です。
27の百貨店と6の専門館及び中小型店舗で構成されています。
国内の百貨店来店客数は年間約2億人
業績は?
業績も比べておきましょう。
【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)
高島屋 | 会社 | 三越伊勢丹ホールディングス |
9,125億 | 売上高 | 1兆2,721億 |
9,041億 | 前年 | 1兆3,215億 |
0.9% | 対前年度比 | -3.7% |
359億 | 経常利益 | 345億 |
226億 | 当期純利益 | 299億 |
447億 | 包括利益 | 447億 |
41.0% | 自己資本比率 | 43.4% |
売上高は三越伊勢丹ホールディングスが高島屋の1.39倍で、3,596億円ほど上回っていてます。
経常利益では高島屋が14億円上回っていますが、当期純利益では三越伊勢丹ホールディングスが73億円上回っています。包括利益はほぼ同じです。
売上の成長率では高島屋が0.9%に対して三越伊勢丹ホールディングスが−3.7%とマイナス成長になっています。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【高島屋】
2016年4月入社社員
- 給与
- 207,000円(2015年度実績)
- 諸手当
- 通勤手当
- 超過勤務手当
- 地域手当など
- 昇給 年1回(4月)
- 賞与 年2回(6月・12月)
- 休日・休暇
- 年間休日122日
- 有給休暇年間11日~20日(年2回の10日連休、5年ごとの14日連休制度有)
- 保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 福利厚生制度
- 社内預金制度
- 社員持株会
- 社員買物制度
- 育児休職制度
- 育児勤務制度
- 短期育児休暇制度
- 社員再雇用制度
- 妊婦勤務制度
- 出産休暇
- 配偶者分娩休暇
- 介護休暇制度
- 介護勤務制度
- ボランティア休職制度
- ボランティア休暇制度
- スクールイベント休暇 など
【三越伊勢丹ホールディングス】
- 初任給 207,000円(2015年4月初任給予定)
- 賞与 年2回(6月、12月)
- 昇給 年1回(7月)
- 休日 週休2日制(シフト制)、年間114日
- 休暇
- 有給休暇
- 慶弔休暇
- 育児/介護休職制度
- 各種保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険加入
- 福利厚生
- 社員買物制度
- 三越伊勢丹グループ共済会加入
- 育児/介護制度:休職制度の他、短時間勤務制度あり
- その他:交通費支給、退職金、従業員持株会制度あり
- 教育制度
- 基礎教育
- 職務別研修
- 領域・資格別研修
- キャリア形成
- 自己申告制度
- チャレンジキャリア制度
- 社内資格制度
- シューカウンセラー
- 手話
- ラッピングアテンダント
- マタニティ・ベビーコンシェルジュ
- カラーアナリスト
初任給はどちらも学歴に関係なく同額です。
比較すると高島屋の方が福利厚生や休暇の制度などで充実してるように見えます。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2014年度3月三越伊勢丹ホールディングス、 2月末高島屋、決算の比較(単体)】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
高島屋 | 7,514 | 44.7 | 22.4 | 6,552 |
三越伊勢丹ホールディングス | 12,286 | 45.8 | 22.3 | 8,153 |
従業員数は三越伊勢丹ホールディングスが高島屋より4,772人多いです。
平均年齢は殆ど変わりませんが、三越伊勢丹ホールディングスが1.1歳高いです。
平均勤続年数はほぼ同じです。
平均年間給与は三越伊勢丹ホールディングスが高島屋より160万円ほど高いです。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | 高島屋 | 三越伊勢丹ホールディングス | 差額(三越伊勢丹ホールディングス基準) |
25 | 4,082 | 5,056 | 976 |
30 | 5,300 | 6,565 | 1,265 |
35 | 6,001 | 7,433 | 1,432 |
40 | 6,397 | 7,924 | 1,537 |
45 | 6,560 | 8,126 | 1,566 |
50 | 6,697 | 8,295 | 1,598 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全年齢層で三越伊勢丹ホールディングスが高島屋を上回っています。
25歳時でおよそ97.6万円の差があり、ピーク時の50歳時では159.8万円の差があります。
これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
高島屋 | 2億2,644万円 |
三越伊勢丹ホールディングス | 2億8,048万円 |
三越伊勢丹ホールディングスが高島屋を5,404万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百 万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
高島屋 | 8 | 239 | 25 | 0 | 0 | 33 |
三越伊勢丹ホールディングス | 7 | 153 | 68 | 75 | 0 | 42.3 |
三越伊勢丹ホールディングスが高島屋を930万円ほど上回ります。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
高島屋、三越伊勢丹ホールディングスの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
高島屋 | 三越伊勢丹ホールディングス | 差額(三越伊勢丹ホールディングス基準) | |
65歳 | 3,746万円 | 5,149万円 | 1,403万円 |
85歳 | 2,432万円 | 3,033万円 | 601万円 |
65歳時に三越伊勢丹ホールディングスが1,403万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では601万円と縮まります。
三越伊勢丹ホールディングスのほうが老後の資産が多いですが、高島屋との差は65歳時に比べると85歳時は小さくなります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左が高島屋の方、右が三越伊勢丹ホールディングスの方です。30歳には五郎と名前
がついています。(全企業共通ルール)
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結論
初任給が同じ2社ですが三越伊勢丹ホールディングスが生涯年収(従業員として)は高島屋のそれに比べ5,404万円ほど多くなっていま す。
役員になってからの待遇は三越伊勢丹ホールディングスが高島屋より930万円多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると三越伊勢丹ホールディングスが65歳時に1,403万円、85歳時に601万円多いです。
そのため今回は三越伊勢丹ホールディングスの勝ちとします。
売上高が高い会社の方が老後の資産が多いという結果となりました。
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