キーエンスとファナックは業種は違えど誰もが知る
日本を代表すると大企業2社ですが、待遇面ではどう違うのか見てみました。
キーエンスとファナック、両社の比較を今回は試みたい。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
2社とも高給で知られていますが、今年はどんな変化があったのでしょうか?
確認してみたいと思います。
何の会社?
【キーエンス】
センサ、測定器、画像処理機器、制御・計測機器、研究・開発用 解析機器、ビジネス情報機器を製造する会社。「付加価値の創造」こそが企業の存在意義として、常に海外での販売比率を高めたいという動きをしている。
財務内容も極めて良好で、その経営モデルが注目されている。
【ファナック】
ファナックの基本技術である NC とサーボから成る FA事業と、その基本技術を応用したロボット事業およびロボマシン事業の三本柱によって、工場の自動化推進に貢献
ファナック学校は有名で、お客にファナック商品を有効に活用してもらい、物作りの立場から、工場の品質や生産性の向上、コスト低減に役立ててもらえるよう、実務に即した実習を主体に各種研修コースを常時開設している。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【26年度の業績】 (単位円)
会社 | 売上高 | 前年 | 成長率 |
キーエンス | 3,340億 | 2,650億 | 26% |
ファナック | 7,298億 | 4,510億 | 61.8% |
営業収益ではファナックがキーエンスの2倍以上ある結果です。
ファナックはこの1年で大幅に業績を上げたことが分かります。
初任給
すでに社員の方は昔と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【キーエンス】
2015年4月入社社員
- 給与
- 修士了 月給22万5000円 (2014年4月実績)
- 学部卒 月給20万5000円 (2014年4月実績)
- 賞与 :年4回(3月・6月・9月・12月)
- 諸手当
- 業績
- 時間外
- 地域住宅補助
- リフレッシュ
- 通勤ほか
- 休日休暇
- 年間休日128日
- GW・夏季・冬季 各9日程度の連休
- 週休2日制 (土・日/年2回出勤土曜有)、
- 祝日
- 有給・慶弔・特別休暇
- 福利厚生
- 各種社会保険
- 借上住宅
- 社員持株
- 財形貯蓄
- 退職金(日本版401kなど)
- キーエンスグループ健康保険組合 ほか
【ファナック】
2015年4月入社社員
- 給与
- 修士了 月給230,500円
- 大学卒 月給207,000円
- 高専卒 月給182,000円
- 昇級 : 年1回
- 賞与 : 年2回(6月、12月)
- 勤務時間:8:40~17:10(休憩12:15-13:00)
- 保険
- 各種社会保険制度完備
- ファナック厚生年金基金
- ファナック健康保険組合
- 年次有給休暇初年度より22日
- 年末年始
- 5月連休
- 夏季休暇
- 年間休日126日(2014年度実績)
- 休日休暇
- 4週につき8日の週休日、祝日、年末年始の休日(12/29~1/3)
※部署によりシフト勤務制あり
- 福利厚生
- 独身寮・社宅
- MRIなどの最新医療機器を備えたファナック診療所
- 屋内温水プールと本格的アスレチックルームを備えた体育館
- クラブ(富士、蓼科等)、ローマ風呂(天然温泉)
- テニスコート、狼屋(社員向け居酒屋)
- 企業年金制度
- 財形貯蓄
- ファナック持株会
- 福 祉基金など。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
キーエンス | 1,988 | 35.6 | 11.8 | 16,485 |
ファナック | 2,764 | 43.7 | 17.7 | 12,765 |
年齢ごとの推定給与は以下の通りです。
【推定年収 単位千円】
年齢 | キーエンス | ファナック | 差額 |
25 | 12,423 | 8,211 | 4,211 |
30 | 14,541 | 9,611 | 4,930 |
35 | 16,228 | 10,766 | 5,462 |
40 | 18,060 | 11,937 | 6,123 |
45 | 19,684 | 13,011 | 6,673 |
50 | 20,382 | 13,472 | 6,910 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全年齢層でキーエンスがかなり優っています。
25歳時でおよそ420万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ690万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
キーエンス | 6億5,998万円 |
ファナック | 4億3,622万円 |
2億2,376万円の差額となりなす。
給与カーブを運輸業、郵便業で作成すると上昇率は比較的緩やかになります。
如何に互いがライバルとして認識し、給与レベルで同水準を保つことで、より優秀な人材を獲得したいと戦っていることを知る指標でもあります。
役員報酬
最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 1人あたり総報酬(百万円) |
キーエンス | 10 | 276 | 0 | 0 | 27.6 |
ファナック | 17 | 910 | 1,686 | 0 | 152.7 |
ファナックがキーエンスよりも1人当たりの報酬額では1億2500万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
キーエンス、ファナックの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
キーエンス | ファナック | 差額 | |
65歳 | 14,816万円 | 6,598万円 | 8,218万円 |
85歳 | 8,807万円 | 3,472万円 | 5,335万円 |
65歳時にキーエンスが8,218万円上回ります。
85歳時ではキーエンスが5,335万円上回ります。
ともに2倍以上キーエンスがお金を持っていることが分かります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がキーエンスの方、右がファナックの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
役員になってからの待遇ではファナックの方が良かったが、各年齢の年収や生涯年収(従業員として)はキーエンスの方が多く、また65歳以降の保有資産もキーエンスの方が2倍以上多かったので、今回はキーエンスの勝ちということとします。
【人生設計】キーエンス社員の生涯給与をファナック社員と比較。-電機機器メーカー2社の生涯給与と人生設計はどう違う?
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