国民的アイドルがピンチです!
SMAPの事務所はジャニーズ事務事務所、レコード会社はビクターエンタテインメントですが、どちらも上場会社ではないので、今日は音楽レコード会社のうち上場している2社の比較をしてみましょう。
日本コロムビアとエイベックス、待遇面でどう違うのか比較してみました。
日本コロムビアとエイベックス、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て音楽業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【日本コロムビア株式会社】
- 会社設立 1910年(明治43年)10月1日
- 代表者
- 取締役会長 平澤 創
- 取締役副会長 原 康晴
- 代表取締役社長 吉田 眞市
- 資本金 1,000百万円
- 本社 東京都港区虎ノ門
- 従業員数 177人
- 売上高
- 単独 11,020百万円 (2015年3月決算)
- 連結 12,629百万円 (2015年3月決算)
- 事業概要
- オーディオ、ビデオ、ゲームソフト等の制作、宣伝、販売、音楽アーティストのマネジメント
- グループビジョン
- 私たちは、人々の心に残る音楽等を創り届けることによって、すべての株主、顧客、そして我々自信のために、不断の価値を創造し続けます。
日本コロムビアは明治時代からレコードを販売していた日本最古のレコード会社です。創業105年、アニソンだけでも50年と歴史のある会社です。
かつては美空ひばりも所属していました。
今ですと氷川きよしや松山千春が所属しています。
アニメ、特撮関係ですと2001年までの仮面ライダーシリーズ、ラブライブの声優でもある内田彩やアイドルマスターシリーズの楽曲も取り扱っています。
2015年度はこのアイドルマスターシリーズの売上が予想を大きく上回り、第1四半期、第2四半期で業績予想を上方修正しています。
昔はDENONブランドでハードの販売もしていましたが、今は分社化しています。
【エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社】
- 設立 1988年4月11日
- 資本金 42億2,960万円
- 本社 東京都港区六本木
- 代表取締役社長CEO 松浦 勝人
- 従業員数 連結1,415名/単体273名(2015年3月31日現在)
- 売上高 連結 1,692億円(2015年3月期)
- 事業内容
- 音楽事業(音楽コンテンツの企画・制作・販売、音楽配信及び音楽出版)
- 映像事業(映像配信、映像コンテンツの企画・制 作・販売、映画配給)
- マネジメント、ライブ事業(アーティスト・タレントのマネジメン ト、マーチャンダイジング、ファンクラブ運営、コンサート・イベントの企画・ 制作・運営)
- その他(アーティストの発掘・育成、スクールの 運営、飲食店の運営)
- エイベックス・グループの企業理念
- 私たちは、すべての人の夢と思いを原点に常識にとらわれない発想で世界に感動を届けます。〜感動体験創造企業へ〜
設立当初は輸入レコードやCDを卸売する会社でした。ディスコブームに便乗してコンピレーションアルバムをリリース、その後小室哲哉プロデュース作品で基礎を固めダンスミュージックを中心に急成長していきました。
現在はパッケージ商品以外での販売にも積極的で聴き放題サービスのAWAをサイバーエージェントと設立しています。
また音楽以外にもアニメや特撮にも積極的でイニシャルDや2002年以降の仮面ライダーシリーズにも携わっています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)
日本コロムビア | 会社 | エイベックス |
126億2,900万 | 売上高 | 1,692億5,600万 |
139億7,500万 | 前年 | 1,569億3,500万 |
-10% | 対前年度比 | 7.8% |
-8億6,200万 | 経常利益 | 86億 |
-16億4,600万 | 当期純利益 | 59億 |
-14億6,300万 | 包括利益 | 16億 |
17.5% | 自己資本比率 | 41.9% |
売上高はエイベックスが日本コロムビアの13.4倍で、1,566億円ほど上回っていてます。
経常利益で96億円、当期純利益で75億円、包括利益は30億円エイベックスが日本コロムビアを上回っています。
売上の成長率では日本コロムビアが-10%とマイナス成長なのに対してエイベックスが7.8%と伸びています。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【日本コロムビア】
2016年4月入社社員
- 給与 202,000円
- 昇給 年1回(7月)
- 賞与 年2回(6月・12月)
- 休日
- 完全週休2日制(土・日)
- 祝日
- 5月連休
- 夏季・年末年始休暇
- 創立記念日
- 有給休暇
- 初年度 16日
- 2年目以降 20日
- 各種制度
- 社会保険完備
- 確定拠出年金制度
- 財形貯蓄
- 社員持株会
- 各種福利厚生制度あり
【エイベックス】
- 年俸 390万〜(保障)
- 賞与 業績により期末賞与、業績報酬あり
- 休日休暇
- 完全週休2日制
- 祝日
- 夏期・年末年始休暇
- リフレッシュ休暇
- 忌引休暇
- 結婚休暇等
- 有給休暇 初年度10日
- 年間最大付与日数20日
- 福利厚生
- 社会保険完備
- 社員持株会
- 法人契約国内保養所
- 直営保養所(ハワイ、長野県) 他
エイベックスは一般的な新卒一括採用を行っていません。新卒・既卒関係なく採用を行っています。
そのため対等な比較とは言えませんが年俸390万円保障なのでこれを初任給として捉えます。
年俸で390万円以上なので月給ですと32万円以上です。
日本コロムビアに比べるとかなり高めといえます。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2014年度3月エイベックス、 2月末日本コロムビア、決算の比較(単体)】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
日本コロムビア | 177 | 42.6 | 13.3 | 6,511 |
エイベックス | 273 | 39.1 | 9.1 | 6,989 |
従業員数はエイベックスが日本コロムビアより96人多いです。
平均年齢は日本コロムビアが3.5歳高く、平均勤続年数も日本コロムビアが3.2年長いです。
平均年間給与はエイベックスが日本コロムビアより47.8万円ほど高いようです。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | 日本コロムビア | エイベックス | 差額(エイベックス基準) |
25 | 3,673 | 4,327 | 654 |
30 | 4,459 | 5,253 | 794 |
35 | 5,239 | 6,173 | 933 |
40 | 6,083 | 7,166 | 1,083 |
45 | 6,838 | 8,055 | 1,218 |
50 | 7,226 | 8,513 | 1,287 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全年齢層でエイベックスが日本コロムビアを上回っています。
25歳時でおよそ65.4万円の差があり、ピーク時の50歳時では128.7万円の差があります。
これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
日本コロムビア | 2億2,348万円 |
エイベックス | 2億6,328万円 |
エイベックスが日本コロムビアを3,980万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百 万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
日本コロムビア | 4 | 74 | 0 | 0 | 0 | 18.5 |
エイベックス | 5 | 547 | 507 | 127 | 0 | 236.2 |
エイベックスが日本コロムビアを2億1,770万円ほど上回ります。
エイベックスは役員報酬だけで日本コロムビアの生涯年収を超えています。
都内である程度の広さの一戸建てを狙える金額です。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
日本コロムビア、エイベックスの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
日本コロムビア | エイベックス | 差額(エイベックス基準) | |
65歳 | 1,881万円 | 3,592万円 | 1,711万円 |
85歳 | 514万円 | 1,987万円 | 1,473万円 |
65歳時にエイベックスが1,711万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では1,473万円と縮まります。
エイベックスの方が老後の資産が多いですが、日本コロムビアとの差は65歳時に比べると85歳時は小さくなります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しか使かっていません。)で大きく異なることになります。
左が日本コロムビアの方、右がエイベックスの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
初任給、全年齢層、平均給与全てでエイベックスが日本コロムビアより高いです。
生涯年収(従業員として)はエイベックスが日本コロムビアのそれに比べ3,980万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇は日本コロムビアがエイベックスより2億1,770万円多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較するとエイベックスが65歳時に1,711万円、85歳時に1,473万円多いです。
そのため今回はエイベックスの勝ちとします。
売上高や利益が多い会社の方が老後の資産が多いという結果となりました。
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