1年で最もお金がかかる時期はいつ?出費を抑えるコツを紹介!

2024/12/19

家計の中には、冷暖房費や年中行事の準備費用など、時期によって出費が増減する費用があります。その変化の幅が小さい場合や、他の費用の増減と相殺できるのであれば、年間を通して生活費の変化はあまりありません。しかし、特定の項目が極端に増える場合、1年間の中で生活費が多くなる時期ができることになります。

この記事では1年間で出費が多い時期はいつか、また、その時期に出費が増える項目は何かを調べ、その対策を考えてみたいと思います。

 1年間でお金がかかる時期はいつ?

総務省の家計調査をもとに1年間の家計の支出の変化を見てみましょう。次の図は、総務省の家計調査の結果をもとに2020年1月から2024年9月までの支出額の推移をグラフ化したものです。

図1 2020年1月から2024年9月の出費の変化
総務省 家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)をもとにFPサテライト作成

物価変動の影響によりグラフの位置が上下する年はありますが、1年間でみると毎年、3月・4月の2ヶ月間と、12月に支出が増えていることが読み取れます。

では、3月・4月と12月でどの項目の出費が増えているのか調べてみましょう。

12月に出費が増える項目は?

項目ごとに出費を比較してみると、12月に増加する費用は食費でした。食費の1年間の変化は次のグラフの通りです。

図2 2020年1月から2024年9月の食費の変化
総務省 家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)をもとにFPサテライト作成

12月はクリスマスや年末年始などイベントが続きます。普段より高価な食材や料理を準備することもあるでしょう。また、学校や企業が休みになる時期でもあります。自宅で食事をとる人数や回数が多くなったり、実家に帰省する人がいたりします。普段より準備する食事の量が増えれば、その分食費も増加することになります。

3月・4月に出費が増える項目は?

3月・4月の支出に影響を与えているのは、教育費と光熱・水道費だと考えられます。教育費は進級・進学のタイミングに合わせて3月に少し増え、4月が最も高くなります。4月に生活費が増えるのは、教育費の影響だと考えられます。

図3 2020年1月から2024年9月の教育費の変化
総務省 家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)をもとにFPサテライト作成

光熱・水道費は1~3月に出費が増えています。3月の光熱・水道費は1月・2月に比べて少なくなっているものの、教育費も増える時期です。そのため、光熱・水道費と教育費の両方の影響を受け、3月の出費が多くなっていると考えられます。

図4 2020年1月から2024年9月の光熱・水道費の変化
総務省 家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)をもとにFPサテライト作成

節約のポイントは?

出費が多い時期で節約できるポイントを検討してみましょう。前章で紹介した通り、3月・4月は教育費、1~3月は光熱・水道費、12月は食費が増えます。

この中で教育費は子育て中の世帯のみ影響のある項目です。家計調査は全世帯の平均額ですので、子育て世帯が全体の平均を押し上げるほどの教育費を支払っていると考えられます。教育方針によって必要な教育費は異なりますので、節約よりも教育方針に合わせて計画的に準備する方が適切だと考えられます。

節約をするためには、12月の食費と、1~3月の光熱・水道費をターゲットにしてみましょう。なお、12月の食費は生活のメリハリとしてイベントを楽しむくらいであれば問題ありません。ただし、周囲に流されてイベントに参加した結果、食費が増えているのであれば、取捨選択をするのも一案です。

 12月の食費削減のポイント

前述の通り、1年間の楽しいイベントとしてとらえる程度であれば、問題ありません。ただ、少し工夫すると節約できる場合があります。例えば、料理が好きな人であれば、節約メニューを考えるのも1つの方法でしょう。また、クリスマスや年末年始の料理は次のような方法もあります。早めの申し込みが必要ですので、計画的に準備していきましょう。

早割やふるさと納税を利用する

おせちやクリスマスケーキなど、早めに予約すれば割引が適用されるメーカーやお店があります。好きなメーカーやお店の情報は早めに入手しておくと良いかもしれません。

また、おせちやクリスマスケーキ、クリスマスの装飾品などが返礼品として受け取れる地域があります。ふるさと納税サイトで確認できますので、検討してみるのも一案です。

冬の光熱・水道費削減のポイント

冬に光熱・水道費が増えるのは、暖房に使う電気代やガス代が増えるためだと考えられます。電気やガスは日常的に使うものですので、日々の積み重ねが節約に繋がります。次のようなことを心掛けて、電気代やガス代の節約を意識してみましょう。

暖房効果の高い環境を整える

部屋の暖房効果を高めたり、防寒用品を使ったりして、暖房を抑えても暖かく過ごす工夫をしましょう。暖かく過ごすには、部屋の気温が下がらないようにすることが大切です。

例えば、冷たい外気で室温が下がらないよう、窓に断熱シートを貼る・厚手で長めのカーテンを描けるなどです。床が冷たい場合は、床下の冷気で部屋が冷えていることが考えられますので、ラグなどを使うのも効果的です。

また、防寒用品を身につけて、体温を下げないようにするのも対策の1つです。例えば、レッグウォーマーやひざ掛け、着る毛布などを使って体を暖める方法です。ルームシューズのように断熱効果のあるものであれば、体を暖める効果と、冷気からの冷え防止効果が得られます。

電気代節約のコツ

エアコンを使って部屋全体を暖めている場合は、部屋を効率良く暖める工夫をします。例えば、サーキュレーターなどを使って暖かい空気を部屋全体に広げる、風向きを下にして冷たい空気がたまりやすい床付近を中心に暖めるなどです。また、エアコンの機能性を上げるには、定期的なフィルター掃除も効果的です。

なお、部屋全体を暖める必要がない場合は、こたつやホットカーペットなどを利用するという方法もあります。こたつやホットカーペットはエアコンと比べて消費電力が少ないため、電気代を節約できる可能性があります。

ガス代節約のコツ

冬は、給湯器で使うガスが増える傾向にあります。これは、お風呂などのお湯が冷めやすいことと、温める水の水温が低く、他の季節より熱量が必要になるためです。お風呂の追い炊き回数を減らすため、近い時間で入浴する、温める水の量を減らすため、シャワーヘッドを節水タイプにかえるなどの対策を行ってみてはいかがでしょう。

メリハリを大切に、無理のない方法で出費対策を

支出の変化を1年間でみると、冷暖房費など季節によって変化する項目や、年中行事など特定の時期にお金が必要になる項目があります。

教育費など、項目によっては節約という方法が合わないものもありますが、日々の積み重ねで出費を抑えたり、工夫で出費を抑えられたりする場合があります。また、年中行事は1年間の楽しみなイベントでもあります。出費を減らすことだけを目指すのではなく、出費を抑えても楽しめる方法を探してみてはいかがでしょう。

執筆者情報

黒川 一美(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)

大学院修了後、IT業界でセールスエンジニア・営業企画として働き、出産を機に退職。
家計を守る立場になり、お金との向き合い方を見つけるためFP資格を取得。
現在は独立系FP法人であるFPサテライト株式会社所属FPとして活動中。
3人の子育て中の母でもある。

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