2017年に厚生労働省による「働き方改革実行計画」が実施され、安心して副業に取り組むことができるようになったこともあり、副業に対する関心が高まっています。
しかし、副業というと「高い専門知識等のスキルがないとできないのではないか…」と不安な人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな初心者の方に向けて、スキルや知識が少なくても安全に始められる副業を3つご紹介します。
1.そもそも副業とは
副業とは、本業以外で仕事に取り組み収入を得ることです。
似た言葉で、複業や兼業という言葉もあるのでそれぞれの意味を解説していきます。
複業とは、パラレルワークとも呼ばれており、2つ以上の仕事を掛け持ちすることで、本業と同レベルの業務量の仕事を複数掛け持つイメージです。
兼業とは、副業と似ていますが副業は本業にかける時間が大きいのに対し、兼業は本業と同じくらいの時間をかけて別の仕事も行うイメージです。
副業、複業、兼業は細かい違いがそれぞれあるものの、本業以外からも収入を得る働き方だということが分かります。
2.初心者におすすめの副業3選
(1)Webライター
Webライターとは
Webライターは、Web上で公開される記事を執筆する仕事です。ウェブサイト、ブログ、コラム等、さまざまなコンテンツを手がけます。
初心者でも始めやすい理由
Webライターには以下の能力が求められることが多いですが、書籍などを使って独学でも十分に習得可能です。
- 記事を執筆する際に使用する最低限の「パソコンスキル」
- 論理的で表記ゆれがない「文章作成能力」
- 正確で最新の情報を収集する「情報収集力」
- ユーザーが特定のキーワードをインターネット検索したときに、検索結果の上位に表示される記事を作成する「SEO(Search Engine Optimization)の知識」
Webライターで収入を得るメリットデメリット
メリットは自宅や好きな場所で働ける自由さです。依頼主の要望次第な部分もありますが、時間も自由に調整できます。
デメリットは初心者は安い単価から依頼が始まることです。(Webライターの仕事は、文字単価でお給料が決まることが多いです。)
また、慣れないうちは執筆に時間がかかることが多いので、時給換算するとがっかりするかもしれません。しかし、初期の収入は低めかもしれませんが、スキルを積んで単価を上げていくことができます。
Webライターの始め方のポイント
- 執筆スキルやSEOの知識の向上。
- クラウドソーシングサイトで案件を探し、応募してみる。
- 自分のブログやポートフォリオサイトを作って、実績を積んでいく。
(2)SNS(Social Networking Services)運用代行
SNS運用代行とは
総務省の調査によると、世界のSNS利用者数は、2022年の45億9,000万人から2028年には60億3,000万人に増加すると予測されています。
その影響で、SNSで商品を購入する消費者も多く、2022年7月に株式会社ネオマーケティングが実施した「SNSでの商品購入に関する調査」によると、SNSで商品を「よく購入する」「ときどき購入する」と回答した人の割合は、Instagramで48.3%、TikTokで44.8%、X (旧Twitter)で41.8%となりました。
このような流れの中で近年SNSを活用し、商品、サービスのプロモーションを行ったり、顧客とのコミュニケーションを図ったりする「SNSマーケティング」を活用する企業が増えてきており、企業の代わりに個人がSNSの運用を代行する「SNS運用代行」の仕事の関心も高まってきています。
初心者でも始めやすい理由
主なSNS運用代行の業務内容は以下の通りです。
- 企画、打合せ、SNSアカウントの作成
- 投稿内容の作成、投稿
- 顧客の反応の分析、顧客とのコミュニケーション
マーケティングの最低限の知識やSNSの運用に慣れている必要がありますが、日ごろから自分のSNSアカウントを使って発信している方などは比較的ハードルが低いかもしれません。
SNS運用代行で収入を得るメリットデメリット
メリットは、Webライターと同様に自由な働き方ができることや、SNS運用の需要が高まっているので求人が見つけやすいことが挙げられます。
一方、デメリットは日々の顧客とのコメントやダイレクトメッセージを通したコミュニケーションやアカウントのアクセスデータ分析等の地道で継続的なコミットが求められる可能性があることや、最低限SNSの適切な活用に慣れていない場合、不適切な投稿での炎上リスクがあることがあげられます。
SNS運用で収入を得るためにまずはじめること
- SNSの基本的なマーケティング知識を身につける。
- クラウドソーシングサイトで案件を探し、応募してみる。
(3)フリーマーケット(フリマ)アプリを利用
どのようにフリマアプリを使って収入を得ることができるか
フリマアプリとは、個人の不用品を売買するためのアプリで、メルカリ等が有名です。経済産業省によると、フリマアプリの2021年の推計市場規模は1兆2,433億円(前年比22.5%増)となっており、市場規模は拡大傾向です。
初心者でも始めやすい理由
収入を得るまでの流れは以下の通りです。
基本的には商品の写真撮影や説明文作成ができれば問題ないです。
1. トレンドや需要がありそうな商品をリサーチの上、出品する商品の選定
家にある不要品の出品でも収益になる可能性が高いですが、商品の需要を把握したうえで出品したほうが好条件で取引が成立します。
2. 商品の出品
買い手に商品の詳細が伝わりやすいように、写真や説明文を工夫し出品しましょう。
類似商品の出品価格等を参考にし、適切な価格設定をすることも重要です。
3.発送
商品を丁寧に梱包して発送します。
4. 収入の引き出し
アプリにより方法は異なるので、引き出し方を確認しましょう。
フリマアプリで収入を得るメリットデメリット
メリットは、赤字のリスクなしで比較的すぐに現金化できることでしょう。仕入れなどを行う場合は在庫が残ってしまう可能性がありますが、家にある不要なものを出品した場合低リスクで現金化できます。
一方、デメリットとしては商品の梱包作業などの細かい作業が発生することや一部悪質なユーザーがいることがあげられます。
フリマアプリで収入を得るためにまずはじめること
- 利用するフリマアプリの選定、登録
自分が出品したいもののジャンルや、アプリの利用者数を考慮して利用するアプリを決めて登録しましょう。 - アプリの利用ルールの確認
アプリによって利用ルール等が異なるので、利用するアプリのルールを把握することも第一段階としてとても重要です。 - 自分も一度フリマアプリから購入してみる
自分も購入体験をすると、購入者側の気持ちがわかり出品の際に役立つ経験となります。
フリマアプリで副業をする際の注意点
転売は、以下の違法となる転売を除きルールを遵守すれば基本的に合法ですが、違法取引はもちろん、商品の占有(コロナ禍のマスクや消毒液などの買占め)は買い手側を中心に世の中に良い印象は与えませんので注意しましょう。
【違法となる転売】
- 不正転売禁止法(チケット不正転売禁止法)の違反
- 古物営業法の違反
中古品を生業として(営利目的で繰り返し販売を行う)販売する際は古物商許可が必要です - その他販売許可が必要な製品の無免許での販売および転売が禁止されているものの販売(酒類、医薬品、コピー品、偽ブランド品等、販売主が転売を禁止しているもの)
- 迷惑防止条例
ほとんどの都道府県の多くではチケット等の高額転売(ダフ屋行為)を禁止
3.おわりに
自由で多様な働き方が認められている今、副業を検討する方は多いのではないでしょうか。今回は、副業を始めるうえで、コスト的にもスキル的にも比較的ハードルが低い副業をご紹介させていただきました。
是非、自分の副業を通じて成し遂げたいことや目的にあった副業を選び、小さいことから始めてはいかがでしょうか。
執筆者情報
永久保 広菜(MILIZE提携FPサテライト株式会社所属FP)
東京都出身。
早稲田大学国際教養学部卒業後、大手電気通信グループの金融中核会社に入社。
海外グループ子会社向けの融資のフロント業務に従事。
家族の相続問題やアパート経営を助けられるような知識を身に着けたいという思いでFP資格を取得。
身の回りの人だけではなく、海外留学・勤務経験で培った異なる文化や環境で育った人を理解し共に問題解決していく力を生かし、当然バックグラウンドや悩みが個人で大きく異なるみなさまの「お金にまつわる悩み」を減らすことで、より幸せな人生を歩んでほしいという強い思いで情報発信をする。