日本フードサービス協会が行う外食産業の市場動向調査の2021年6月の結果が発表されました。
2021年6月は10都府県に発令されていた緊急事態宣言は、沖縄を除き6月20日に解除されましたが、首都圏や近畿圏などは引き続きまん延防止措置の対象地域となり、酒類提供や営業時間の制限が続きました。とくに夜の営業を柱としていたパブ・居酒屋業態は、コロナ以降、壊滅的打撃が延々と続いています。6月の全体売上は対前年比100.1%ですが、コロナ前の2019年比では77.4%に留まっています。
【外食産業市場動向調査 売上高前年同月比の推移】
(注)日本フードサービス協会公表資料よりミライズまとめ。 以下同様
- 外食産業全体の売上高は前年同月比100.1%となっていて、3ヶ月連続で前年を上回りました。
【外食産業市場動向調査 利用客数前年同月比の推移】
- 2021年6月の利用客数は前年同月比103.1%と3ヶ月連続で前年を上回りました。
【外食産業市場動向調査 客単価前年同月比の推移】
- 2021年6月の客単価は全体が前年同月比97.1%と2ヶ月連続で前年を下回りました。
業態別の概況:
- ファーストフード業態
- FFは、依然として好調な「洋風」が寄与し、業態全体では売上109.1%(一昨年比では96.8%)となりました。
- 「洋風」は堅調な巣籠もり需要により売上113.6%となりました。
- 「和風」は、新メニューの開発、テイクアウトの予約販売などにより、売上は104.1%となりました。
- 「麺類」は好調な弁当メニューが全体売上116.5%に寄与しましたが、酒類提供の自粛要請がラーメン業態などに影響し、一昨年比では73.2%にとどまりました。
- 「持ち帰り米飯・回転寿司」は、デリバリーの利用拡大などの効果から、売上は102.9%(一昨年比94.9%)となりました。
- 「その他」は、「カレー」の営業時間短縮が響き、売上99.3%(一昨年比86.1%)となりました。
- ファミリーレストラン業態
- FRは、全体的に酒類提供の自粛や時短営業が影響し、売上は88.4%(コロナ禍前の一昨年の64.2%)にとどまっています。
- 「洋風」「和風」ともに、営業時間短縮と酒類販売禁止、さらにはテレワークの影響が加わり、夜遅くのビジネス街需要を取り込めず、売上はそれぞれ93.9%と87.3%に留まりました。
- 「中華」は、持ち帰り需要はあったものの、やはり営業時間短縮や酒類提供自粛のあおりで売上は92.0%となりました。
- 「焼き肉」は、酒類の提供が制限され休業した店舗もあったことから、前年比72.5%(一昨年比61.7%)の売上に留まっています。
- パブ・居酒屋業態
- 先月に引き続き酒類提供制限が直撃し、依然として非常に厳しい状況が続いています。
- 「パブ・ビアホール」は、緊急事態宣言の対象外地域で営業を再開できたところもあったが、売上は41.3%(一昨年比15.9%)にすぎません。
- 「居酒屋」も、酒類が提供できる日数が増えたとはいえ、売上は42.4%。コロナ禍前の一昨年と比べて「パブ・ビアホール」「居酒屋」双方あわせて15%程度の売り上げとなりました。
- ディナーレストラン業態
- 料理の提供は回復傾向にあるものの、酒類を提供できないことが決定的な打撃となり、売上は85.1%(コロナ禍前の一昨年比で40.6%)に留まっています。
- 喫茶業態
- 一昨年の水準には到達できなかったものの、国産食材を使用した季節メニューの提供や、商店街や住宅地の店舗で集客に回復傾向が見られたことなどから、売上は111.2%となりました 。
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