日本フードサービス協会が行う外食産業の市場動向調査の2021年3月の結果が発表されました。
2021年3月は緊急事態宣言が首都圏4都県で21日に解除され、市中への人出の回復がみられたものの、営業時間短縮要請は継続されたことから、全体売上は対前年比97.1%、コロナ禍の影響がなかった前々年比では80.4%と、依然として厳しい状況となりました。とりわけ酒類提供の時間を制限されたパブ・居酒屋業態への打撃は大きく、売上は前年比60.3%、前々年比32.1%となりました。(以下カッコ内%は前々年比を表す。)
【外食産業市場動向調査 売上高前年同月比の推移】
(注)日本フードサービス協会公表資料よりミライズまとめ。 以下同様
- 外食産業全体の売上高は前年同月比97.1%となっていて、13ヶ月連続で前年を下回りました。
【外食産業市場動向調査 利用客数前年同月比の推移】
- 2021年3月の利用客数は前年同月比94.3%と12ヶ月連続で前年を下回りました。
【外食産業市場動向調査 客単価前年同月比の推移】
- 2021年3月の客単価は全体が前年同月比103.0%と13ヶ月連続で前年を上回りました。
業態別の概況:
- ファーストフード業態
- FFは、持ち帰り需要で堅調を維持する洋風が牽引し、全体売上103.9%(96.5%)となりました。
- 「洋風」は引き続きテイクアウトなど巣ごもり需要が堅調、売上109.1%(107.9%)となり、一昨年の売上をも上回りました。
- 「和風」は、持ち帰りとともに新メニュー展開が寄与したものの、店内飲食は影響を受け売上は97.4%(90.3%)となりました。
- 「麺類」は、ランチのテイクアウトが堅調なところもあったが、ラーメンなどでは夜の営業短縮の影響が大きく、92.7%(75.2%)となりました。
- 「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」が雛祭りや卒業等の、家庭の慶事需要を取り込みテイクアウト好調、また店内飲食需要に回復が見られ、売上は109.4%(97.5%)となりました。
- 「その他」は、「アイスクリーム」などで電子決済還元キャンペーン等が奏功したものの、営業時間の短縮により、売上は前年比94.1%(85.1%)となりました。
- ファミリーレストラン業態
- FRは、宣言解除後も営業時間の制限が続いた影響で、コロナ禍で大きく減少した前年にも及ばず、売上は前年比90.3%(70.4%)となりました。
- 「洋風」、「和風」ともに、宣言解除後のランチや週末にやや回復が見られたものの、ディナーの戻りが悪く、売上は「洋風」87.9%(65.5%)、「和風」92.4%(67.1%)となりました。
- 「中華」はテイクアウトが引き続き貢献し95.6%(85.0%)となりました。
- 「焼肉」は夜間営業時間の短縮が続き、売上90.3%(81.3%)となりました。
- パブ・居酒屋業態
- 飲酒業態は、夜の酒類提供時間の短縮が続き、対前年比マイナスの売上が続いています。休業している店舗もあり、「パブ・ビアホール」は売上68.2%(30.3%)、「居酒屋」は売上57.9%(32.8%)となりました。時短要請の継続で業態全体の落ち込みは厳しいでした。
- ディナーレストラン業態
- 前年は、宴会需要が大きく減少したことに加え、立地する百貨店の休業等で売上は大きく減少しました。今月は、営業時間短縮の中でも営業できたこと、宣言解除後に短縮時間が緩和されたことで集客が回復し、売上は前年比101.1%となりましたが、前々年比(61.8%)と比べると依然厳しい状況となっています。
- 喫茶業態
- 地方を中心に徐々に客足回復の傾向がみられるようになりましたが、都市部ビジネス街などの戻りが遅く、売上は93.4%(70.9%)となりました。
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