外食産業2020年9月売上、全体で売上高は86.0%〜7ヶ月連続で前年を下回る〜
日本フードサービス協会が行う外食産業の市場動向調査の2020年9月の結果が発表されました。
2020年9月は、コロナの新規感染が8月上旬をピークに減少傾向を見せはじめたことで、特に月後半の4連休(シルバーウイーク)には一部で売上が前年並みまで回復、外食全体の売上は前年同月比86.0%と前月より2ポイント増えました。しかし、感染者数は“下げ止まり”で、企業の在宅勤務が続く中、特に繁華街・ビジネス街、ディナー時間帯、飲酒業態の営業は苦戦しています。また、前年より休日数が1日少なく、西日本が台風の影響を受けたことも回復に水を差したといえます。
【外食産業市場動向調査 売上高前年同月比の推移】
(注)日本フードサービス協会公表資料よりミライズまとめ。 以下同様
- 外食産業全体の売上高は前年同月比86.0%となっていて、7ヶ月連続で前年を下回りました。
【外食産業市場動向調査 利用客数前年同月比の推移】
- 2020年9月の利用客数は前年同月比83.0%と7ヶ月連続で前年を下回りました。
【外食産業市場動向調査 客単価前年同月比の推移】
- 2020年9月の客単価は全体が前年同月比103.7%と6ヶ月連続で前年を上回りました。
業態別の概況:
- ファーストフード業態
- FFは、引き続き業種間で回復に差があるものの、テイクアウトとデリバリーの需要が堅調な洋風が牽引し、全体売上は95.5%となりました。
- 「洋風」は、ドライブスルーのテイクアウトやデリバリーの浸透などもあり、前月ほどではないものの好調な売り上げで103.3%となりました。
- 「和風」は、高単価品やセットメニュー等を投入するも繁華街・ビジネス街での客足が戻らず、売上は92.8%となりました。
- 「麺類」は、昨年の好調と比べると、回復が緩やかで、売上84.6%となりました。
- 「持ち帰り米飯・回転寿司」は、回復基調はあるが雨天の外出自粛もあり、売上94.0%となりました。
- 「その他」は、「アイスクリーム」が、昨年好調だったキャンペーンの反動もあり、8月と比べて▲6.7ポイントの83.6%となりました。
- ファミリーレストラン業態
- FRは、月後半にかけて客足が緩やかに回復し、全体売上は80.3%となりました。
- 「洋風」「和風」「焼肉」は、4連休に前年並みまで回復するところもあり、売上はそれぞれ75.7%、77.7%、91.7%と前月より上向いています。
- 「中華」は、引き続きテイクアウト・デリバリー需要の支えもあり、売上91.3%と前月並みとなりました。
- パブ・居酒屋業態
- 飲酒業態は、東京都による飲酒業態の営業時間短縮要請(15日まで)や、夜の時間帯の客足の停滞、ほぼ皆無の法人の大規模宴会などから、業態全体の売上は51.1%、「パブ・ビアホール」は売上44.4%、「居酒屋」は52.8%と、大幅回復への道のりは未だ遠いです。
- ディナーレストラン業態
- ディナーレストランも、Go Toトラベルの旅行客など、立地によって集客の差がみられるものの、宴会需要ではなく小規模の会食を中心に少しづつ回復し、売上は71.3%となりました。
- 喫茶業態
- 依然としてビジネス街立地での客足の戻りが弱く、売上は72.5%となりました。
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