外食産業2020年8月売上、全体で売上高は84.0%〜6ヶ月連続で前年を下回る〜
日本フードサービス協会が行う外食産業の市場動向調査の2020年8月の結果が発表されました。
2020年8月は、前月から再び拡大し始めたコロナ感染によって、月前半を中心に客足が振るわず、外食全体の売上は7月の結果には及ばず84.0%と、回復傾向は頭打ちとなりました。東京都など自治体が飲酒業態に営業時間短縮を要請したこと、お盆の帰省を自粛する人が多かったこと、小中学校の夏休み期間が短縮されたことなどがマイナス要因とまりました。
【外食産業市場動向調査 売上高前年同月比の推移】
(注)日本フードサービス協会公表資料よりミライズまとめ。 以下同様
- 外食産業全体の売上高は前年同月比84.0%となっていて、6ヶ月連続で前年を下回りました。
【外食産業市場動向調査 利用客数前年同月比の推移】
- 2020年8月の利用客数は前年同月比81.6%と6ヶ月連続で前年を下回りました。
【外食産業市場動向調査 客単価前年同月比の推移】
- 2020年8月の客単価は全体が前年同月比102.9%と5ヶ月連続で前年を上回りました。
業態別の概況:
- ファーストフード業態
- FFは、業種間で回復に差がありましたが、テイクアウト・デリバリー需要が好調な洋風に支えられる形で、全体売上は96.6%と、前月(96.4%)とほぼ変わりません。
- 「洋風」は、キャンペーンなどの好調に加え、コロナ感染の再拡大による巣ごもり需要が続き、ドライブスルー等でのテイクアウト・デリバリーが好調で、売上は108.2%となりました。
- 「和風」は、都心部での需要の回復が遅れ、売上は92.0%となりました。
- 「麺類」は、引き続き商業施設立地店の回復が遅く、売上80.8%となりました。
- 「持ち帰り米飯・回転寿司」は、店内飲食の戻りが停滞し、猛暑でシニア層の客足が鈍るなどで、売上は前月の94.7%から91.8%へになりました。
- 「その他」は、「アイスクリーム」が猛暑で善戦し、売上90.3%と少し回復の傾向がみられました。
- ファミリーレストラン業態
- FRは、月前半を中心に客足が弱く、全体売上は前月(77.4%)に及ばず、75.1%となりました。
- 「洋風」「和風」「焼肉」は、コロナ感染の再拡大で例年のお盆や夏休みの需要が激減したことから、売上はそれぞれ70.9%、70.8%、85.6%と回復にブレーキがかかりました。
- 「中華」は、テイクアウト・デリバリー需要の支えもあり、売上89.7%と前月並みの前年比となりました。
- パブ・居酒屋業態
- 飲酒業態は、月後半にやや回復傾向がみられたものの、前月からのコロナ感染再拡大の中、飲酒業態への営業時間短縮要請などにより、月前半は多くの店で客足が激減、7月には前年同月の5割近くまで回復していた業態全体売上が41.0%に落ち、「パブ・ビアホール」は売上36.4%、「居酒屋」は42.3%と、壊滅的な状況が続いています。
- ディナーレストラン業態
- ディナーレストランは、テイクアウト需要の掘り起こしなどで回復傾向のところもありましたが、パブ・居酒屋と同様に月前半を中心に客足が振るわず、売上は65.1%と足踏み状態でした。
- 喫茶業態
- ビジネス街立地での不振が続き、顕著な回復はみられず、売上は67.8%となりました。
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