非鉄金属メーカーとして有名な住友電工と三菱マテリアル。就職するならどちらがお得?(2018年入社版)

2021/08/19

住友電気工業株式会社(以下住友電工)と三菱マテリアル株式会社(以下三菱マテリアル)、は共に非鉄金属で有名です。

住友電工と三菱マテリアルの給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て非鉄金属業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

 

それぞれの特徴


【住友電気工業株式会社】
住友電気工業株式会社は大阪市に本拠を多く、1897年創業、1920年設立の日本の非鉄金属メーカーです。
銅電線の製造技術を基礎とした独自技術の開発により事業の多角を行い現在は以下の5つの事業を行っています。

  • 自動車
  • 情報通信
  • エレクトロニクス
  • 環境エネルギー
  • 産業素材

売上と利益の半分以上は自動車事業で、ワイヤーハーネスの世界シェアは25%を超えています。
現在世界約40カ国、380箇所以上に拠点を設けています。

 

【三菱マテリアル株式会社】
三菱マテリアル株式会社は東京の大手町に本社を置く、1871年創業、1950年設立の日本の大手非鉄金属メーカーです。
1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合弁し三菱マテリアルが発足しました。
現在子会社156社、関連会社44社あり、以下の事業を展開しています。

  • セメント事業
  • 金属事業
  • 加工事業
  • 電子材料事業
  • 環境・エネルギー事業
  • アルミ事業

セメントや銅、アルミ缶などで有名です。
2017年11月に子会社が検査データの改ざんを行ったと発表しています。



業績は?


業績も比べておきましょう。

【連結決算:平成29年3月の業績】 (単位円)

住友電工
会社
三菱マテリアル
2兆8,145億
売上高
1兆3,040億
2兆9,331億
前年
1兆4,179億
-4.0%
対前年度比
-8.0%
1,739億
経常利益
639億
1,076億
当期純利益
284億
1,203億
包括利益
687億
48.7%
自己資本比率
32.8%

売上高は住友電工が三菱マテリアル上回り、その差は1兆5,105億円です。
経常利益でも住友電工が三菱マテリアルを上回り、その差は1,100億円です。
成長率は共にマイナス成長で住友電工が-4.0%のに対し三菱マテリアルは-8.0%とこちらも住友電工が上回ります。

売上、利益、成長率で住友電工という結果になりました。

初任給


これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。

【共に募集要項から 初任給(単位:円)】

住友電工
学歴
三菱マテリアル
265,000
博士了
記載なし
234,000
修士了
236,000
213,000
学部卒
220,000
192,000
高専卒
記載なし

三菱マテリアルは修士了と学部卒のみ記載があります。
比較が出来る修士了と学部卒では三菱マテリアルが上回ります。
差額は修士了で2,000円、学部卒で7,000円です。

 

年齢ごとの給与


有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

【平成29年3月決算の比較】

従業員数(単体) 従業員数(連結) 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
住友電工 5,034 248,330 42.0 17.4 7,940
三菱マテリアル 4,580 24,859 41.1 17.5 7,154

 

従業員数は単体でも連結でも住友電工が上回ります。
その差は単体で454人、連結で223,471人です。連結では住友電工は三菱マテリアルのほぼ10倍の人数です。
平均年齢は住友電工が0.9歳高く、勤続年数はほぼ同じで三菱マテリアルが0.1年長いです。
平均年間給与は住友電工が78.6万円多いです。

 

【年代別推定年収:単位千円】

年齢 住友電工 三菱マテリアル 差額(住友電工ベース)
25 5,417 4,958 459
30 6,426 5,881 545
35 7,077 6,477 600
40 7,668 7,018 650
45 8,277 7,576 702
50 8,824 8,076 748

(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

 

全ての年齢層で住友電工が三菱マテリアルを上回ります。
25歳時が一番差が小さく45.9万円、50歳時が一番差が大きく74.8万円の差があります。

これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。

生涯給与


この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

 

会社名 生涯給与
住友電工 2億8,575万円
三菱マテリアル 2億6,152万円

企業シムラ―検索

 

住友電工が三菱マテリアル2,423万円上回っています。

 

 

 

役員報酬


取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

会社名 役員数 役員報酬
(百万円)
役員賞与
(百万円)
オプション
(百万円)
退職金

(百万円)

1人あたり総報酬
(百万円)
住友電工
14 564 250 0 0 58.1
三菱マテリアル
8 318 64 0 0 47.8

住友電工が三菱マテリアルよりも1人当たりの報酬額(年額)では1,040万円多いです。

 

生涯で形成する資産


生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

住友電工、三菱マテリアルの現在30歳の方を例に計算を行います。

結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

 

住友電工 三菱マテリアル 差額(住友電工ベース)
65歳 1,500万円 1,029万円 471万円
85歳 -1,811万円 -1,871万円 60万円

65歳時住友電工471万円(貯蓄可能額が)上回ります。

これが85歳時には60万円に縮まります。

そして両者とも老後生活に大きな不安が残る状態です。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

 

住友電工五郎(30歳)

三菱マテリアル 五郎(30歳)

住友電工VS三菱マテリアル

 

しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。

左が住友電工の方、右が三菱マテリアルの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)

システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索



結論


纏めると以下のような結果です

  • 初任給は比較が出来る修士了と学部卒では三菱マテリアルが上回っています。
    その差額は修士了で2,000円、学部卒で7,000円です。
  • 平均年間給与は住友電工が78.6万円多いです。
  • 年齢層別給与では全ての年齢層で住友電工が三菱マテリアルを上回ります。
    25歳時が一番差が小さく45.9万円、50歳時が一番差が大きく74.8万円の差があります。
  • 生涯年収(従業員として)は住友電工が2,423万円多いです。
  • 役員報酬は住友電工が1人当たりの報酬額(年額)で1,040万円多いです。 
  • 老後の資産額では85歳時に住友電工が60万円多いです。

初任給以外の平均年間給与、年齢層別給与、生涯年収、役員報酬、老後の資産全てで住友電工が上回りました。
そのため今回は住友電工の勝ちとします。

シミュライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。

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