共にゴム工業メーカーとして有名な住友ゴムと東洋ゴム。就職するならどちらがお得?(2018年入社版)

2021/08/19

住友ゴム工業株式会社(以下住友ゴム)と東洋ゴム工業株式会社(以下東洋ゴム)、は共にタイヤを始めとしたゴム製品を扱う企業として有名です。

住友ゴムと東洋ゴムの給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てゴム業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

 

それぞれの特徴


【住友ゴム工業株式会社】
住友ゴム工業株式会社は神戸市に本拠を構える1909年創業、1917年設立の日本のゴム製品やスポーツ用品の製造メーカーです。
英国ダンロップ社の工場として始まっていますが、1986年に米ダンロップ社を買収しています。
また1999年にグッドイヤーとアライアンス契約をしていましたが、2015年に解約しています。
事業はタイヤ事業、スポーツ事業、産業品事業があり、売上の85%以上をタイヤ事業が占めています。
また海外進出もしており、売上に占める日本の割合は40%強で、北米17.5%、欧州7.3%、アジア20.8%となっています。
タイヤ事業はDUNLOPやFALKEN、スポーツ事業はゴルフ用品やテニス用品、産業製品は超高減衰テクノロジー「GRAST」や住宅用制震ダンパー「MIRAIE」などを扱っています。

 

【東洋ゴム工業株式会社】
東洋ゴム工業株式会社は兵庫県伊丹市に本拠を置く、1945年設立の日本のゴム製品メーカーです。
元は東洋紡のゴム工業分野です。
事業は大きく分けてタイヤ事業、ダイバーテック事業、R&Dの3つあります。
タイヤ事業はTOYO TIRE,NITTO,SILVERSTONEの3つのブランドを持っています。
NITTOは北米向け、SILVERSTONEは東南アジア向けです。
売上の8割はこのタイヤ事業です
ダイバーテック事業は防振ゴムや建築免震ゴムなどを取り扱っていて、売上の2割を担います。

 





 

業績は?


業績も比べておきましょう。

【単体決算:平成28年12月の業績】 (単位円)

住友ゴム
会社
東洋ゴム
7,567億
売上高
3,816億
7,985億
前年
4,078億
-5.2%
対前年度比
-6.4%
701億
経常利益
441億
413億
当期純利益
-123億
227億
包括利益
-240億
47.8%
自己資本比率
28.83%

売上高は住友ゴムが東洋ゴムの2倍近くあり、その差は3,751億円ほどです。
経常利益でも住友ゴムが東洋ゴムを大きく上回り、その差は260億円です。
成長率は共にマイナス成長で住友ゴムがマイナス5.2%のに対し東洋ゴムはマイナス6.4%とこちらも住友ゴムが上回ります。

売上、利益、成長率で住友ゴムという結果になりました。

初任給


これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。

【住友ゴムは2017年4月実績、東洋ゴムは2016年実績 初任給(単位:円)】

住友ゴム
学歴
東洋ゴム
234,700
大学院卒
226,100
220,600
大学卒
212,500
194,500(地域限定総合職)
高専卒
189,300

住友ゴムは総合職の場合です。
全ての学歴で住友ゴムが東洋ゴムを上回っています。
差額は以下のとおりです。

  • 大学院卒:8,600円
  • 大学卒:8,100円
  • 高専卒:5,200円

年齢ごとの給与


有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

【平成28年12月決算の比較】

従業員数(単体) 従業員数(連結) 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
住友ゴム 6,693 33,792 40.6 16.5 6,528
東洋ゴム 3,327 11,684 38.9 13.8 6,031

 

従業員数は単体でも連結でも住友ゴムが東洋ゴムを上回り、単体では2倍、連結では3倍程の人数がいます。
平均年齢は住友ゴムが1.7歳高く、勤続年数でも住友ゴムが2.7年長いです。
平均年間給与も住友ゴムが49.7万円多いです。

 

【年代別推定年収:単位千円】

年齢 住友ゴム 東洋ゴム 差額(住友ゴムベース)
25 4,434 4,246 188
30 5,190 4,969 220
35 5,813 5,567 247
40 6,446 6,172 274
45 7,026 6,727 298
50 7,275 6,966 309

(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

 

全ての年齢層で住友ゴムが東洋ゴムを上回ります。
25歳時が一番差が小さく18.8万円、50歳時が一番差が大きく30.9万円の差があります。

これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。

生涯給与


この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

 

会社名 生涯給与
住友ゴム 2億3,556万円
東洋ゴム 2億2,556万円

企業シムラ―検索

 

住友ゴムが東洋ゴムを1,000万円上回っています。

 

 

役員報酬


取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

会社名 役員数 役員報酬
(百万円)
役員賞与
(百万円)
オプション
(百万円)
退職金

(百万円)

1人あたり総報酬
(百万円)
住友ゴム
9 351 115 0 0 51.8
東洋ゴム
5 175 58 0 0 46.6

住友ゴムが東洋ゴムよりも1人当たりの報酬額(年額)では520万円多いです。

 

生涯で形成する資産


生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

住友ゴム、東洋ゴムの現在31歳の方を例に計算を行います。

結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

 

住友ゴム 東洋ゴム 差額(東洋ゴムベース)
65歳 4,112万円 4,148万円 36万円
85歳 2,951万円 3,282万円 331万円

65歳時東洋ゴム36万円(貯蓄可能額が)上回ります。

これが85歳時331万円に広がります。

しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

 

住友ゴム五郎(31歳)

東洋ゴム 五郎(31歳)

住友ゴムVS東洋ゴム

 

しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。

左が住友ゴムの方、右が東洋ゴムの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)

システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索

 




結論


纏めると以下のような結果です

  • 初任給は高専卒、大学卒、大学院了で住友ゴムがそれぞれ5,200円、8,100円、8,600円上回ります。
  • 平均年間給与は住友ゴムが49.7万円万円万円多いです。
  • 年齢層別給与では全ての年齢層で住友ゴムが東洋ゴムを上回ります。
    25歳時が一番差が小さく18.8万円、50歳時が一番差が大きく30.9万円の差があります。
  • 生涯年収(従業員として)は住友ゴムが1,000万円多いです。
  • 役員報酬は住友ゴムが1人当たりの報酬額(年額)で520万多いです。 
  • 老後の資産額では85歳時に東洋ゴムが331万円多いです。

初任給、平均年間給与、年齢層別給与、生涯年収、役員報酬、で住友ゴムが、老後の資産で東洋ゴムが上回りました。
生涯年収では住友ゴムが上回っているのに老後の資産で東洋ゴムが上回っているのは、住友ゴムの支出が東洋ゴムより多い、つまりより豊かな生活を送っているためです。

そのため今回は住友ゴムの勝ちとします。

シミュライズでは今後も様々な企業の人生比較を行っていきます。

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