外資系になったシャープとパナソニックの有機ELも取り込みオールジャパン体制のジャパンディスプレイ。就職するならどちらがお得?(2018年入社版)

2021/08/19

株式会社ジャパンディスプレイ(以下ジャパンディスプレイ)とシャープ株式会社(以下シャープ)、は共に液晶パネルメーカーです

ジャパンディスプレイとシャープの給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てディスプレイ業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

 

それぞれの特徴


【株式会社ジャパンディスプレイ】
株式会社ジャパンディスプレイは産業革新機構主導でソニーモバイルディスプレイ、東芝モバイルディスプレイ、日立ディスプレイの3社を統合して出来た会社です。
中小型液晶パネルで世界首位級の規模です。
2016年12月21日にパナソニックとソニーの有機EL事業を統合したJOLEDを子会社化すると発表しました。
これにより有機EL事業に乗り出すことになります。

 

【シャープ株式会社】
シャープ株式会社は1935年設立の大手総合家電メーカーです。
現在は台湾のホンハイ精密工業の出資を受け子会社化し外資系企業になっています。
現在は液晶パネルやプラズマクラスター、ヘルシオ、アクオスブランドなどで有名です。
ロボット形スマートフォン、ロボホンも作っています。
ツインファミコンやファミコンテレビなどの任天堂ゲーム機のバリエーションや、携帯ゲーム機の液晶パネルなども作っています。
その他にも過去には以下の様なものを作ってきました。

  • シャープペンシル
  • 家庭用パソコンX6800シリーズ
  • PDA ザウルスシリーズ
  • スマートフォン W-ZEROシリーズ
  • ワープロ 書院シリーズ

 

 

業績は?


業績も比べておきましょう。

【連結決算:平成28年3月の業績】 (単位円)

ジャパンディスプレイ
会社
シャープ
9,891億
売上高
2兆4,616億
7,693億
前年
2兆7,863億
28.5%
対前年度比
-11.6%
-129億
経常利益
-1,925億
-318億
当期純利益
-2,560億
-375億
包括利益
-2,967億
44.6%
自己資本比率
-2.7%

売上高はシャープがジャパンディスプレイを大きく上回り、その差は1兆5,000億円ほどです
経常利益では、共に赤字ですがジャパンディスプレイがシャープを上回り、その差は1,800億円ほどです。
成長率もジャパンディスプレイの28.5%に対し、シャープはマイナス11.6%とこちらもジャパンディスプレイが上回っています。

利益や成長率でジャパンディスプレイがシャープを上回りました。

初任給


これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。

【2018年募集要項から 初任給(単位:円)】

ジャパンディスプレイ
学歴
シャープ
275,000
博士了
記載なし
234,500
修士了
236,500
210,500
大学卒
212,000

185,500

高専卒
187,000

比較ができる修士了から高専卒まですべてシャープがジャパンディスプレイを上回ります。
差額は以下のとおりです。

  • 修士了:2,000円
  • 大学卒:1,500円
  • 高専卒:1,500円

 

年齢ごとの給与


有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

【平成28年3月決算の比較】

従業員数(単体) 従業員数(連結) 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
ジャパンディスプレイ 5,702 15,722 43.5 18.2 7,260
シャープ 14,544 43,511 43.4 20.6 6,337

 

従業員数は単体ではシャープが8,842人上回り、連結では27,829人上回ります。
平均年齢はほぼ同じでジャパンディスプレイが0.1歳高く、勤続年数ではシャープが1.6年長いです。
平均年間給与はジャパンディスプレイが92.3万円多いです。

 

【年代別推定年収:単位千円】

年齢 ジャパンディスプレイ
シャープ 差額(ジャパンディスプレイ
ベース)
25 4,684 4,094 589
30 5,482 4,792 690
35 6,141 5,368 773
40 6,809 5,952 857
45 7,421 6,487 934
50 7,685 6,717 967

(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

全ての年齢層でジャパンディスプレイがシャープを上回ります。

25歳時が一番差が小さく58.9万円、50歳時が一番差が大きく96.7万円の差があります。

これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で同じ業種のためカーブの上昇率は同じ数字を使っています。

生涯給与


この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

 

会社名 生涯給与
ジャパンディスプレイ 2億4,883万円
シャープ 2億1,751万円

企業シムラ―検索

 

ジャパンディスプレイがシャープを3,132万円上回っています。

 

 

役員報酬


取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

会社名 役員数 役員報酬
(百万円)
役員賞与
(百万円)
オプション
(百万円)
退職金

(百万円)

1人あたり総報酬
(百万円)
ジャパンディスプレイ
3 79 3 14 0 32.0
シャープ
11 213 0 0 0 19.4

ジャパンディスプレイシャープよりも1人当たりの報酬額(年額)では1,260万円多いです。

 

生涯で形成する資産


生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

ジャパンディスプレイ、シャープの現在31歳の方を例に計算を行います。

結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

 

ジャパンディスプレイ シャープ 差額(ジャパンディスプレイベース)
65歳 4,312万円 3,989万円 323万円
85歳 3,080万円 3,405万円 -325万円

65歳時ジャパンディスプレイ323万円(貯蓄可能額が)上回ります。

これが85歳時には逆転してシャープ325万円上まわります
これはジャパンディスプレイがより豊かな生活を送っているため支出が多いためです。

しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。

(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

 

ジャパンディスプレイ五郎(31歳)

シャープ 五郎(31歳)

JDI VS シャープ

 

しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。

左がジャパンディスプレイ
の方、右がシャープの方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)

システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索

 

 

結論


初任給は殆どの学歴でシャープがジャパンディスプレイを上回ります。
その差は修士了で2,000円、大学卒で1,500円、高専卒で1,500円です

平均年間給与はジャパンディスプレイが92.3万円多いです。
全ての年齢層でジャパンディスプレイがシャープを上回ります。
25歳時が一番差が小さく58.9万円、50歳時が一番差が大きく96.7万円の差があります。

ジャパンディスプレイの生涯年収(従業員として)はシャープのそれに比べ3,132万円ほど多くなっています。
役員報酬ではシャープがジャパンディスプレイよりも1人当たりの報酬額(年額)では1,260万円多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時にシャープがジャパンディスプレイを325万円上回りましたが、これはジャパンディスプレイがより豊かな生活を送っているため支出が増え資産額は逆転されてています。

年齢層別平均給与、平均年間給与、でジャパンディスプレイがシャープを上回りました。
また老後の資産額ではシャープが上回っていますが、ジャパンディスプレイの方がより豊かな生活を送っています。

そのため今回はジャパンディスプレイの勝ちとします。

会社の業績通りの結果となりました。

 

シミュライズでは今後も様々な企業の比較を行っていきます。

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