株式会社ダスキン(以下ダスキン)と日本KFCホールディングス株式会社(以下KFC)は共に食べ放題イベントを実施するファーストフードを擁していますが、2社は待遇面でどう違うのか比較してみました。
ダスキンとKFC、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て共にファーストフード業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社ダスキン】
ダスキンは1963年設立の清掃と外食を中心にサービスを展開する企業です。
清掃サービスは家庭用、業務用の商品のレンタル、清掃サービス、家事代行サービス、害虫駆除など広い意味での清掃、メンテナンスを扱っています。
2016年7月27日に外国人活用の家事代行特区のサービス事業者として認定されています。
外食サービスとしてはミスドことミスタードーナツが有名です。ミスドはモスバーガーと業務提携し「MOSDO!」というお店を展開しています。
現在ミスドは1,316店舗あります。
店舗と期間を限定してドーナツビュッフェとして食べ放題(60分間)を実施しています。
また店舗設備を大きく変更する予定で、テイクアウト専門の店舗やキッチンなしの店舗を増やしていきます。キッチンなしの店舗は全体の4割、約500店舗になる見込みです。
ダスキンは外食業としてその他にもザ・シフォン&スプーン等も展開しています。
【日本KFCホールディングス株式会社】
ケンタッキー・フライド・チキンとピザハットを展開しています。
1970年に三菱商事とKFCコーポレーションの折半出資により日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社として設立されました。
1号店は名古屋名西店です。
その後1991年にピザハット事業部が新設され、2014年に日本KFCホールディングス株式会社に商号変更し持株会社体制へ移行しています。
2015年現在店舗数は直営、フランチャイズ合わせてKFCが1,161店、ピザハットが385店あります。
KFCは2016年7月13日から8月31日までの毎週水曜日のディナータイムに全国の207店舗限定でオリジナルチキン食べ放題(45分間)を実施しました。
2017年5月10日に傘下のピザハットを投資ファンドに売却すると発表しています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成27年度の業績】 (単位円)
ダスキン
|
会社
|
KFC
|
1,652億 |
売上高
|
882億
|
1,680億 |
前年
|
846億
|
-1.7% |
対前年度比
|
4.3%
|
67億 |
経常利益
|
19億
|
30億 |
当期純利益
|
7億
|
14億 |
包括利益
|
8億
|
75.0% |
自己資本比率
|
53.2%
|
売上高はダスキンがKFCの2倍近くありその差は770億円です。
経常利益はダスキンがKFCの3倍以上あり、その差は48億円です。
成長率はダスキンがマイナス1.7%とマイナス成長なのに対して、KFCは4.3%と上回ります。
売上、利益ではダスキンがKFCを上回っていますが成長率ではKFCがダスキンを上回っています。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【2018年4月入社社員 初任給(単位:円)】
ダスキン
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学歴
|
KFC
|
217,000
|
大学院卒
|
200,800 |
205,000
|
大卒
|
200,800 |
記載なし
|
短大・専門卒
|
178,200 |
ダスキンは応募資格が「大学・大学院卒業予定の方」となっているため短大・専門卒の記載がありません。
比較が出来る大学院卒ではダスキン、大学卒ではKFCが上回ります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較】
従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
ダスキン | 1,960(6,128) | 44.9 | 16.5 | 7,413 |
KFC | 1,020(3,444) | 36.6 | 12.3 | 5,142 |
従業員数はダスキンがKFCを大きく上回ります。
臨時従業員込の連結で比較するとダスキンの6,128人に対してKFCの3,444人と差は更に大きくなります。
平均年齢はダスキンが8.3歳高く、勤続年数もダスキンが4.2年長いです。
平均年間給与はダスキンが227.1万円多いです。
少なくない差ですが、ダスキンの平均年齢が高いことも影響しています。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | ダスキン | KFC | 差額(ダスキンベース) |
25 | 4,986 | 3,373 | 1,613 |
30 | 6,171 | 4,380 | 1,790 |
35 | 6,967 | 4,959 | 2,007 |
40 | 7,349 | 5,287 | 2,062 |
45 | 7,414 | 5,421 | 1,992 |
50 | 7,480 | 5,534 | 1,946 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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全年齢層でダスキンがKFCを上回ります。
25歳時は161.3万円、ピーク時の40歳時は206.2万円ダスキンがKFCを上回ります、
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で違う業種のためカーブの上昇率等は違う数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
ダスキン | 2億5,924万円 |
KFC | 1億8,713万円 |
ダスキンがKFCを7,200万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
ダスキン
|
10 | 257 | 23 | 0 | 0 | 28.0 |
KFC
|
6 | 86 | 12 | 0 | 0 | 16.3 |
ダスキンがKFCよりも1人当たりの報酬額(年額)では1,170万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
ダスキン、KFCの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
ダスキン | KFC | 差額(ダスキンベース) | |
65歳 | 5,643万円 | 3,699万円 | 1,944万円 |
85歳 | 4,899万円 | 3,711万円 | 1,188万円 |
65歳時にダスキンが1,944万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では1,188万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がダスキンの方、右がKFCの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
初任給は大学院卒でダスキンが大卒でKFC上回ります。
平均年収はダスキンが227.1万円多いです。
年齢層別平均給与も全年齢層でダスキンが高く、25歳時で161.3万円、ピーク時の40歳時で206.2万円の差があります。
ダスキンの生涯年収(従業員として)はKFCのそれに比べ7,200万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇では、年平均で1,170万円ほどダスキンが上回りました。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、やはりダスキンが上回っていて85歳時の差額は1,188万円です。
そのため今回はダスキンの勝ちとします。
業績を反映した形となりました。
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