セイノーホールディングス株式会社(以下セイノー)と日本郵政株式会社(以下日本郵政)、は共に運輸会社を傘下に持つ持ち株会社です
セイノーと日本郵政の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て運輸業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【セイノーホールディングス株式会社】
セイノーホールディングス株式会社は昭和5年創業、岐阜県に本社を置き傘下に西濃運輸グループを持つ持株会社です。
「カンガルー便」で有名で、戦後最初に長距離路線トラックを走らせたことで有名で、路線トラックで最大手です。
宅配便を含めると業界4位ですが、規格外宅配便を含めた企業間物流では業界最大手です。
運輸業以外に岐阜県でトヨタ車の販売を行ったりもしています。
トラックターミナル拠点683ヶ所、年間走行距離地球15,972周
長距離のトラック定期便を原則鉄道輸送に切り替えドライバー不足に対応しようとしています。
【日本郵政株式会社】
日本郵政株式会社は東京都千代田区に本社を置く1871年創業、2006年設立の日本郵政グループ、いわゆる郵便局の持株会社です。
傘下に日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を持っていますが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は傘下から完全に離れることが決まっています。
全国1,741すべての市町村及び東京23区に計24,452ヶ所の郵便局があります。
1871年に郵便事業を開始し、同年に郵便切手の発行を開始、1892年には小包郵便を、1975年には国際ビジネス郵便の取扱を開始しています。
2017年6月からはがきの料金を現在の52円から62円に引き上げることを発表しています。これは増税以外ですと23年ぶりのことです。
なお年賀状の値段は52円で据え置きます。
2015年に買収したオーストラリアに本社を置く物流会社トールホールディングスの減損処理を検討していて数千億規模の巨額損失が出る見込みとの報道がされています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【連結決算:平成28年3月の業績】 (単位円)
セイノー
|
会社
|
日本郵政
|
5,555億 |
売上高
|
14兆2,575億
|
5,425億 |
前年
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14兆2,588億
|
2.4% |
対前年度比
|
-0.01%
|
283億 |
経常利益
|
9,662億
|
189億 |
当期純利益
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4,260億
|
119億 |
包括利益
|
-1,780億
|
63.0% |
自己資本比率
|
4.7%
|
売上高は日本郵政がセイノーを大きく上回り、その差は13兆7,000億円ほどです
経常利益でも日本郵政がセイノーを上回り、その差は9,300億円ほどです。
成長率はセイノーの2.4%に対し、日本郵政は-0.01%とこちらはセイノーが上回っています。
売上や利益では日本郵政が、成長率でセイノーが上回りました。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。 それぞれのグループ内の銀行の初任給を比較します。
【セイノーは2015年4月実績、日本郵政は2018年度の募集要項から 初任給(単位:円)】
セイノー
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学歴
|
日本郵政
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247,650
|
大学院卒
|
218,900~245,170 |
244,650
|
大学卒
|
210,500~235,760 |
セイノーは事務職東京勤務、日本郵政は総合職です。
日本郵政は幅がありますが、最高金額で比較した場合、大学卒でも大学院卒でもセイノーが上回ります。
差額は大学院卒で2,480円、大学卒で8,890円です。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【平成28年3月決算の比較】
従業員数(単体) | 従業員数(連結) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
セイノー | 52 | 27,276 | 43.1 | 17.4 | 7,273 |
日本郵政 | 2,886 | 250,876 | 43.5 | 16.4 | 7,752 |
従業員数は単体でも連結でも日本郵政が大きく上回ります。
平均年齢はほぼ同じで日本郵政が0.1歳高く、勤続年数ではセイノーが1.0年長いです。
平均年間給与は日本郵政が47.9万円多いです。
【年代別推定年収:単位千円】
年齢 | セイノー |
日本郵政 | 差額(セイノー ベース) |
25 | 5,450 | 5,220 | 230 |
30 | 6,125 | 6,460 | -336 |
35 | 6,756 | 7,294 | -538 |
40 | 7,141 | 7,694 | -552 |
45 | 7,403 | 7,762 | -359 |
50 | 7,772 | 7,831 | -59 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
セイノーが日本郵政を上回ります。
25歳時まではセイノーが、それ以降は日本郵政が上回ります。
50歳時が一番差が小さく5.9万円、40歳時が一番差が大きく55.2万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で違う業種のためカーブの上昇率は違う数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
セイノー | 2億6,200万円 |
日本郵政 | 2億7,143万円 |
日本郵政がセイノーを943万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬 (百万円) |
役員賞与 (百万円) |
オプション (百万円) |
退職金
(百万円) |
1人あたり総報酬 (百万円) |
セイノー
|
7 | 14 | 0 | 0 | 31 | 6.4 |
日本郵政
|
1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0 |
日本郵政は役員報酬がありません。
セイノーが日本郵政よりも1人当たりの報酬額(年額)では640万円ほど多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
セイノー、日本郵政の現在31歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
セイノー | 日本郵政 | 差額(セイノーベース) | |
65歳 | 3,807万円 | 3,387万円 | 420万円 |
85歳 | 3,279万円 | 1,524万円 | 1,755万円 |
65歳時にセイノーが420万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時は1755万円に広がります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がセイノーの方、右が日本郵政の方です。31歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
セイノーの給与カーブはこちらから
日本郵政の給与カーブはこちらから
結論
初任給セイノーが日本郵政を上回ります。
その差は大学院卒で2,480円、大学卒で8,890円です。
平均年間給与は日本郵政が47.9万円多いです。
25歳まではセイノーが日本郵政を上回りますが30歳以降は日本郵政がセイノーを上回ります。
50歳時が一番差が小さく5.9万円、40歳時が一番差が大きく55.2万円の差があります。
日本郵政のの生涯年収(従業員として)はセイノーのそれに比べ943万円ほど多くなっています。
役員報酬ではセイノーが日本郵政よりも1人当たりの報酬額(年額)では640万円ほど多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、85歳時にセイノーが日本郵政を1755万円上回りました。
年齢層別平均給与、平均年間給与、生涯年収、で日本郵政がセイノーを上回りました。
しかし役員報酬や老後の資産ではセイノーが上回りました。
収入で日本郵政が上回るも、老後の資産がセイノーの方があるというのは日本郵政の支出が多い、つまりより良い生活を送っているということです。
そのため今回は日本郵政の勝ちとします。
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